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大天使の初恋を、妖精王が台無しにする物語。 〜永遠の恋人は、まだ恋人未満〜  作者: 久茉莉himari


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10/11

【10】大天使、花冠を戴く。〜マジ天使事件〜

そして、未来のロン毛の自分を想像しながら、フンフンフン♪と鼻歌交じりにルチアーノがメインリビングに入って行くと――

ルシアンがアンジュの前にホットチョコレートラテを置いてやっているところだった。


そして、それを見ていた妖精王が言った。


「ルシアン!

尽くし過ぎる男は重いよー☆」


ルシアンが不思議そうに妖精王を見ると、なぜかルチアーノが怒鳴った。


「貴様……!

ズッ友の初恋を軽々しく“重い”なんて言うな!!

ルシアンの初恋……そう、恋は、誰にも止められない……そんなリリカルな段階なんだよッ!」


妖精王がポカンとルチアーノを見ると、一言。


「マ?」


ルシアンが即座に訊く。


「マ……とは!?」


ルシアンの頭には、既に天界の図書館が浮かんでいた。


ルチアーノがルシアンに駆け寄る。


「ルシアン、落ち着け!

お前の真面目のマだッ!!」


妖精王が頬を紅潮させ、また一言。


「マジ卍☆」


ルシアンが真剣な眼差しで、妖精王を見る。


「卍……宗教的記号か?」


ルチアーノが今度は、わなわなしながら言った。


「さては……貴様……異教徒だな!?」


その時――

アンジュの鈴の音のような声がした。


「ルチアーノ!

どうした?

お前は悪魔ではないか!」


ルチアーノが愕然とし、膝から崩れ落ちそうになると――

妖精王がアンジュに向かってニパッと笑った。


「アンジュちゃん無敵☆

爆イケで容赦なーい♪

マジ天使☆」


その瞬間――

ルシアンが戦士の眼になり、アンジュの前にさっと立ち塞がった。


そして、厳しい声で告げる。


「アンジュさまは天使ではない!

大天使である!」


アンジュも誇らしげに、「うむ!」と大きく頷く。


妖精王が、うーんと腕を組むと、言った。


「いや、そーゆー意味じゃなくて☆」


アンジュが「そういう意味とは何だ?」と訊くと、ルチアーノが立ち直り、自信満々に答える。


「アンジュちゃん……あんなヤツより……俺様が教えてやる!

そういう意味っていうのは……!!

天使のように綺麗・かわいい・健気・ピュア・美人!!

だぜ……ロマン❤️」


メインリビングを見張っているアーチボルトが頭を抱える。


――ルチアーノ……!!

それ、全部同じ意味じゃ……!!

知ってる単語を羅列するでない!


妖精王がニパッと笑い、「詰んだ☆」と言った時だった。


ルシアンの静かな声が響く。


「……理解した!」


「え?」と妖精王が訊くと、ルシアンは至極真面目に告げる。


「“マジ天使”とは、天使という語を用いた最上級の賛辞表現である……!

そうだな?妖精王よ……!」


妖精王がキョトンとして口を開く。


「いやまあ……合ってるけど☆」


その瞬間、ルチアーノが特大クラッカーを鳴らし、薔薇の花びらを散らす。


「流石だルシアン!!

ズッ友、カッコいい!!」


アンジュも凛とした声で宣言する。

青い瞳をキラキラと輝かせ。


「ルシアンは賢いのだ!」


ルシアンがさっと、アンジュに向かって一礼する。


「恐れ入ります……!」


妖精王がそんなルシアンを見て、呟く。


「俺、何もしてないのに解決してる☆」


ルシアンは心の中で記録する。


『マジ天使――アンジュさまに対する、最上級の賛辞表現』と。


すると、妖精王が即座に言った。


「ちょいちょい、待って待って待って、それ公式化しないで☆

俺が怒られるやつ〜!」


そして――

この一見すると無駄でしかない一連の言葉問題にも、軍師ロクシーは勝機を見出していた。


パソコンを見るロクシーの口元が上がる。


「妖精王……あんた、やっぱり使える!

……何だかんだ言って、ルシアンは“自分から”動いてる。

さあ、妖精王……次はなに?」




そして、昼食になり、アーチボルトの手料理をみんなで食べる。


妖精王も一緒だ。


妖精王は「ヤバーイ☆アーチボルト、マジありえなーい♪」を連発しながら、完食していた。


それから食後に、皆がそれぞれくつろぐ中――

ルシアンはキッチンで、アンジュに食後のロイヤルミルクティーを淹れる準備をしていた。


すると妖精王が、「食後にお散歩いかなーい?

庭にさあ……あるもの見つけちゃったんだよネ☆」と言い出した。


妖精王の言葉に最初に反応したのは、アーチボルトだった。


――あるもの……!?

もしや……UMAか!?


「散歩……良いな!

よし!みんなで行こう!」


自慢の髭を撫でながら、アーチボルトがそう言うと、リオも「何かな!?何かな!?」と目を輝かせている。


アンジュはふわりと立ち上がり、ルシアンの元に行くと言った。


「ルシアンよ!

ロイヤルミルクティーの完成まで、お散歩をして来ていいか?」


ルシアンは静かに答える。


「5分程で出来上がります」


「では、5分後に!」


アンジュがにこりと微笑み、去って行く。


ルシアンは無表情を僅かに揺らし、ポットに向かった。




妖精王とアンジュ、アーチボルト、リオがたどり着いた所には、シロツメクサの花が咲き乱れていた。


そして妖精王は、あっという間にシロツメクサの冠を編み、妖精王の手元を見つめていたアンジュの頭にそっと、花冠を乗せた。


「ハイ❤️

アンジュちゃんに花の冠だよ☆

激カワイイね❤️」


アンジュの真っ白な頬が薔薇色に染まる。


「ありがとう!

妖精王よ!

礼を言うぞ!」


妖精王がパチンとウィンクする。


「どーいたしまして☆」


そして、アーチボルトとリオ、それにロクシーの花冠を作っている妖精王を背に、アンジュはキッチンにいるルシアンの元へと走り――


アンジュがルシアンに高らかに告げる。


「ルシアンよ、見よ!なんと可愛らしい!

妖精王の手作りだ!」


ルシアンの顔色は一瞬で深海の蒼に――


そして、「ロイヤルミルクティーは完成しております!失礼!」と叫ぶや否や、メインリビングを横切り、プールに飛び込む。


その間、3.6秒。


アンジュが小首を傾げ、ロイヤルミルクティーの入ったカップを持ち、メインリビングに行くと、妖精王とアーチボルト、リオも庭から戻っていた。


妖精王が窓から、バタフライで泳いでいるルシアンを見て、ウンウンと頷く。


「あースネちゃったかな?

あの年頃って難しいからネ☆

ルシアンのぶんも作ってあるのに〜♪」


アーチボルトとリオが花冠を持って真っ青になっていると、突然ルチアーノの大声が響いた。


「……貴様……俺様のぶんは!?」


ルチアーノは身体をわなわな震わせ、本気で怒っている。

――なぜか。


だが、妖精王は軽く、


「メンゴメンゴ☆

ちょっと待っててー♪」


と言うと、一分もせずに庭から戻って来て、ルチアーノに花冠を渡した。


「ロクシー先生にも渡しておいてネ☆」という妖精王に、ルチアーノは「るん♪」と答えると、鏡の前に行き、花冠を被り、続き部屋のリビングへと向かう。


そこには、パソコンに向かうロクシーがいる。


ルチアーノがパソコンの横に、そーっと花冠を置くと言った。


「ロクシー先生、先生のぶんのシロツメクサの花冠であります!るん♪」


ロクシー無視。


ルチアーノが歌舞伎役者のように驚く。


「ややっ…!!

ロクシー先生は花冠を被らないのでありますか……!?

あな、不思議〜!!」


ロクシー無視。


ルチアーノが深く頷く。

――花冠が、頭からズレないように細心の注意を払って。


「……分かります!

花冠は枯れる……そうロマン……。

ロクシー先生は“イイ女”……。

ロマンとは秘すれば花なり……!!」


ロクシーが無言で悪魔撃退スプレーを噴射した。




そして三時間後――


プールから上がろうとしたルシアンの頭に、妖精王がポンとシロツメクサの花冠を乗せた。


「サプラーイズ☆☆☆」


心底楽しそうな妖精王の声と共に、アンジュの鈴の音のような声が重なる。


「ルシアン!

とても似合うぞ!

可憐だ!」


ルチアーノも歌うように言った。


「ズッ友!

俺様もお揃い❤️るん♪」


ルシアンはプールに、ぶくぶくと沈んで行った――

水面に揺れる花冠を残して。

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