第76話 兄妹愛2 おさらいキャラクター紹介2
すみません、編集作業で更新がすっごい遅れました。まだ編集終わりきってないんですけどね(´・ω・`)
過去エピソードの一話辺りの文字数の調整、誤字脱字の修正、文章の追加、後書きでの会話文のみのちょっとしたエピソードの追加等をしています。
説明をする暇も無く咄嗟に『奇跡』で命令して回避させる。
翔流には『奇跡』の効きが悪いが、持ち前の身体能力で俺の指示を聞いてからでも対応出来たみたいだ。
「信世せんきゅー」
「んな事よりもシオンは!?」
「大丈夫、ちゃんと避けたよ」
探す前にシオンが生存報告をしながら足元に走って来る。小学生の見た目になっていても物騒な世界の人間らしく危機管理はしっかりしている様だ。
二人の無事を確認した所で、空から落ちた人間の様子を確認する。
2メートルを優に超えている体躯。身に付けている腰蓑は何処かで見た覚えがあるカーテンに似た柄で、全身が毛に覆われている。
その体毛は不潔な伸びっ放しの毛ではなく犬や狼を彷彿とさせる獣臭のする体毛だ。顔の形もイヌ科に近い形になっていて創作物に出て来るような”獣人”がそのまま目の前に現れた容姿をしている。
現実味の無い存在が、目の前に立っている。
目の前の獣人らしき人物から目を離さずにシオンに聞く。
「お前の知り合いか?」
「知り合い……というよりも、敵と言った方が良いかな」
「だろうな。ただの知り合いだったら真上から降って来ない」
獣人がシオンの敵というなら、シオンも獣人の敵。必然、そのシオンと仲良さげに同行している俺達も、獣人の敵になる。
厄介事に巻き込まれたもんだ。
「シオン、奴の情報を簡潔に頼む。翔流はいつでも『奇跡』が使える様にしとけ」
「おうよ!」
「じゃあ、簡単に能力とかお話しようかな。どうやら、彼は待っててくれるみたいだし」
シオンの言う通りあの獣人は立ったまま俺達の方を見て待ってくれている。どういう意図かは分からないが用意してくれたこの時間を存分に活用させてもらおう。
「彼の名前はローナー。見ての通り狼の獣人だよ。魔法はとても苦手だけど、その代わりに本気を出したお兄ちゃんの攻撃を一回だけ耐えれる位タフだね」
「それって、どの位凄いんだ?」
俺が気になった事に翔流が先んじて質問する。あまり時間は掛けれないから質問しなかったのだが、聞いてしまったのは仕方ないからそのまま聞こうじゃないか。
ただ、ちゃんとした比較が出来るかは気になる所だ。家でされた昔話の内容からしてシオンのお兄さんは魔法を主に戦うタイプ。それの本気の一撃となれば俺達では想像のしようが無い程の威力だろうが、具体的なイメージが出来る比較対象が無いから「凄い威力」という印象しか持てない。
「そうだね……一撃で地球が粉々になっちゃう位だと思ってくれれば良いよ」
「なるほどな……で、それを一撃は耐えれると」
「うん」
「『奇跡』は持ってるのか?」
「持ってるよ。身体能力を凄く高くする『奇跡』だね」
「そうか……」
地球が粉々になる威力を一回は耐えて、更に身体能力を上げる『奇跡』を持っていると。対して、俺達の能力は『奇跡』持ちには効果が薄まる言霊の『奇跡』と、身体能力を上げる『奇跡』。
そして、奴を倒すには最低でも地球を一度粉々にする威力が必要と。
なるほどね。
「これ詰みだろ」
「あ、それ俺も思った」
強力な『奇跡』を持っているとは言っても俺達はただの男子高校生。地球が粉々になる想像に付かない威力を出せる力なんて持ち合わせていない。
いくら手を尽くした所で、常軌を逸した耐久力を持つ相手を倒すだなんて到底不可能な話だ。
「もう……詰みな状況ならとっくに逃げる準備してるよ」
シオンが呆れた表情をして言う。
俺達よりも戦闘経験が豊富な彼女が逃げようとしない時点で多少の安全は保障されている。敵の簡単な情報を聞いただけで不可能だと判断するのは早計だったか。
「勝ち目はあるって事か」
さっきの情報だけでも俺達に勝てる手段が思い浮かばない。隠された真の能力だとか、シオンが隠している切り札だとか、そういう隠し玉が無ければまともな戦いすら成立しそうにない。
「君の持ってる『奇跡』は誰の『奇跡』か知ってるよね?」
「ある程度予想は着いてるが……お前のお兄さんの『奇跡』だろ」
「その通り!! 世界で一番強くて、世界で一番大好きな僕のお兄ちゃんが使ってる、世界で一番最強の『奇跡』だよ!!」
発作の如くテンションを上げて声高らかに話す彼女。
「信世君が今使えるのは対象を言う通りにさせる、いわば『言霊の奇跡』だけ。でもね、お兄ちゃんの『奇跡』はそれだけじゃない。世界に少ししか存在しないチートみたいなこの能力を、お兄ちゃんはもう一つ持ってるんだよ」
「もう一つ? まだあるのか」
シオンの最強お兄さんとやらは、これ以外にもまだあるのか。魔法が強く、特殊能力の様な『奇跡』が強い。更にはそれが二つも所持していると来た。通常は一人に付きいくつまで『奇跡』が使えるのか俺には知りもしないが、シオンの言い草から『奇跡』自体が希少な物で、それを複数個持っているのはさぞ珍しいのだろう。
「そう! もう一つの『奇跡』。お兄ちゃんが最強な理由の一つ。お兄ちゃんが持っていて信世君も使えるであろうもう一つの『奇跡』!! 君も持ってるもう一つの最強の『奇跡』!!!」
『奇跡』の強力さは身に染みている。
魔力を使わずとも魔法と同等の__もしかしたらそれ以上の力を魔力の消費無しリスク無しで発動出来る能力。俺達の世界で使っているからか俺達自身が弱いから『能力』が弱体化しているだけであって、異世界ではそれこそ『チート』と呼ばれる様な部類の能力だろう。これを二つも所持しているシオンのお兄さんは当然世界で最強の存在と言っても過言ではなかったのかも知れない。
そんな能力を奇跡的にも俺が持っていると言う事実。これさえ使いこなせれば、確かにこの状況を切り抜けれるのは間違いない。これから他の異世界人が来た時も簡単に対処出来るかも知れない。
そんな能力を、その力がどういう物か。勿体ぶって時間を掛けて溜めに溜めて、ようやく彼女が口に出す。
「能力を模倣して自由に使える様にする『奇跡』だよ!」
能力を模倣する『奇跡』。異能力バトルにおいて最強格に据えられやすい単純に強く手札も多い能力.
その強力さ故にあらゆる作品では模倣の条件が厳しかったり、模倣の精度が悪い等の縛りがある。
俺に宿っているその『模倣の奇跡』どこまで強力で、どこまで縛りがあるのか。一つ言えるのは、今までの『奇跡』の発動条件の傾向からしてかなり緩い条件で使えると言う事か。
「やり方を教えてくれ」
「簡単だよ。君が今使える『奇跡』で敵の『奇跡』を模倣しろって言えば良いだけだよ」
「相手の体に触れたり、能力見なくても発動出来るのか!? というかそれは『言霊の奇跡』の能力の範疇じゃないのか?」
「本来はそうだよ。相手の体に触れたり、魔法や『奇跡』を直接受けないと発動させてくれない」
「じゃあなんで!」
「でも『言霊の奇跡』を併用すればその”縛り”を無視出来る。一度『模倣』さえしてしまえば永続で自分の意思でいつでも使えるんだよ」
「チートにチートを重ねて縛りを無視する訳か」
なんだそのゲームのバグを利用して通常は特殊な手順を踏まないと発動出来ない大技を通常攻撃の要領で使える様にするバグを更に応用したみたいなやり方は。小学生の頃にそういう感じのバグを自力で見つけてバランス崩壊を起こさせてしまったゲームがあったの思い出すなぁ。
「準備は___か」
獣人の口から人の声に似たノイズの様な音が鳴る。
「何言ってんだ。会話したいならハキハキ喋れ」
「厄災の魔女_____使い_______だろう? __師の力_全て___」
電波の悪い通話のように途切れ途切れで意味のある言葉にはあまり聞こえないが、その声は確かに何か意味のある言葉を発してるのは理解出来る。
そう理解してしまうように脳が勝手に動いてしまう。
これは昔から慣れ親しんでいる言語なのだと勝手に理解してしまう。
確かにこの言葉は俺の知っている言語なのだと、彼の言葉を聞くにつれて徐々に理解してしまう。
だが、この不思議な感覚に頭が引っ張られてしまいそうになるがそうしている暇はない。
「アンタの言葉は分からんが、敵なのは間違いないだろ」
「……____。_は___敵。___、__は____殺さなければ____人物だ」
その言葉に意味があれど敵なのは変わらない。シオンの敵なら、それに関わってしまった紡祇にも被害が及びかねない。
それだけは避けたい。紡祇に危険が降りかかる可能性があるなら、今この場で全て終わらせる。
その為に、今はシオンから教えられた方法で相手の『奇跡』を模倣してコイツを排除させる!
「異世界交流の時間だァ! 『奴の奇跡を模倣しろ』!!!」
脳に血が巡る。相手の『奇跡』の情報が流れて来る。それは断片的で、上手く言語化出来ないが、確かに脳内に、情報が、理解させられて、
体が、暑く、視界が、冴え、
目の前が、明るく、輝いて、
敵が、世界が、傾き、
地面が、暗さが、わかる、
暗いが、
あかるく、
みえて、
おれは
たおれ。
おさらいキャラ紹介二人目。信世君の高校からのお友達の天馬 翔流君
名前:天馬 翔流
性別:男
年齢:15歳
誕生日:10月10日
身長:175㎝
体重:78㎏
能力:肉体強化の『奇跡』
詳細:身体能力の強化
・再生能力を上げたり、あらゆる耐性を上げたり、行動速度を早くしたり、力を強くしたりと色々出来る
・異世界では別のキャラクターが使っていた『奇跡』。シオンちゃん曰く、この世界に来てから『奇跡』の出力がかなり落ちている模様
・異世界でどれ程の物だったのかは現在不明だが、翔流君が『奇跡』を使った際は金属程度なら簡単に貫ける力と、瞬間移動に近しい速度での行動速度(※本人の脳が処理しきれないので常時高速移動は難しい)、一撃で脳や心臓を狙わなければ溶岩並みの熱に包まれても生還出来る再生能力を得れる
・能力を使用すると徐々に髪色がくすんだ赤色に染まる
詳細
・素の状態の身体能力が高いのは『奇跡』の影響とかではなくただの本人のフィジカルです。『奇跡』とは一切関係ないです。そこに『奇跡』の効果が乗って身体能力が更に高くなります
・両親との仲はそこまで良くは無い。翔流君はほとんど家に居らず、基本的に外でトレーニングしているか、趣味のランニングをしています。家に帰った際も、ご飯や風呂以外は私室に引きこもってゲームか筋トレをしています。本人曰く「筋トレとゲームは俺の生き甲斐」
・友人関係を大事にしています。信世君や紡祇君等の「心から好き」だと言える相手から頼み事をされると最優先に行動します
・巨乳フェチ(作者は貧乳フェチ)
・コンビニのグラビアアイドルが載った週刊誌をよく買っている。聞かれてもないのに「下心は無いっっ!!」と言って信世宅で読んでいる。本は信世の部屋に置き去りにされている。




