プロローグ
続きです。
五月。
桜も散り風は涼しくなり始めた季節だった。
峰島弘樹はこの春地元で友人と同じ高校へと進学したがある日突然母が亡くなったのがきっかけだった。
母は弘樹の上にいる何でもこなす優秀な兄が二人いて父から落胆の色を見せ二人の兄に贔屓し弘樹には目をくれなかった。
所謂出来損ないだった。
それに係わらず母は「構うな」と強く非難する父に退くことなく母は上の兄と平等あるいはそれ以上に弘樹に接してくれた。
我が子として精一杯愛してくれた。
そんな日尊敬し敬う母が突然重い病に罹った。
普段表情を表に出すことがなかった弘樹はさすがにこの出来事には動揺を隠せなかった。
信じたくなかった。
信じられなかった。
あんなに優しく父にも引かない母が何故。
弘樹はただそれだけしか考えられなかった。
父と兄は一時心配をしてくれたが時間が経つにつれて諦めの色と煩わしさを感じるようになっていった。
力になれるのは自分だけだった。
母は元々身体が弱く病気になりやすい体質だった。
それ以来弘樹は母の側にいてずっと看護していた。
そんな時が数年続き良くなる傾向を見せなくだんだんやつれていく母を見るのがつらかった。
そうして母は息をひきとった。
弘樹は悲しかった。
泣きたかった。
母からはいっぱいの恩を貰っているのに母には何一つ返すこと出来なかった。
それが悔しかった。
ただ母から手紙を貰っていた。
もし自分この世から去ったら開いてほしいと母から言われていた。
手紙中身を読み弘樹はある決心をする。
こうして弘樹は家を出た。
読んでくれたらありがとう。




