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 さて、爪でも持って帰ろうか。


 僕は槍を巨大オオカミの右手に突きさしたところで、思い至った。

 松崎さんを呼んでくれば、丸ごと運べるんじゃないだろうか。

 もう穴をあけてしまったが、どうせ後で解体するのだ……同じだ。


 アイテムボックスを習得したわけだし、活用しないと損だからね。

 これから運ぶ時は、アイテムボックスが役立ちそうだ。

 どのくらいの容量なんだろうな。

 LV分の種類にLV分の個数……とかだったら嫌だなぁ。


 僕は、燃える木々をかき分けて二人とハッピィが隠れる場所へと向かった。

 たしかこの辺だったはず……。

 

 木が燃えていない辺りまで戻って周囲を捜索する。

 オオカミの残りがいないか確かめながら、右手に持っていた槍を両手にかまえて歩く。

 火がない場所なので、警戒が必要なのだ。


 とある木の下で半透明の夕見さんと松崎さんを発見した。

 お、いたいた。


「ギュァァァッス」

 僕が声をかけるよりも早く、ハッピィが飛んできた。

 左に槍を持ち替えて受け止める。

 二人を守ってくれてありがとな。

 僕がハッピィの頬からあご下にかけて撫でると、目を細めて嬉しそうにほほ笑んだ。


「ただいま」

 ハッピィを右に抱えながら帰還をつたえた。


「「おかえり」」

  

 二人は隠れたままだったので、何事もなかったようだ。

 合流したので、皆で巨大オオカミが倒れている場所まで歩いた。


「松崎さん、お願い」

 さっそく火に焼ける巨大オオカミを収納してもらった。

 巨体が丸々、一瞬で消えるのはやっぱり、分かっていても驚いた。

 

 そのまま山の反対方向に歩き、開けたところに出た。

 

 林を抜けたところで、遠くに川が見えた。

「川だ!」

「川よ!」

「かわぁ!」

「ギャス……ギャス」

 3人とも嬉しそうだ。


 僕達は、一目散に走って川に到着した。


 手で水をすくって、ごくごくと飲み干す。

 ああ~、体に染み渡る。

 久しぶりに水を一気に飲めると皆がっついて飲んでいる。

 もちろん僕もそうだ。


 飲み終わると、水の中に入って遊んでいる。


「めぐみぃ」

 夕見さんは、川の水を手ですくって松崎さんへと飛ばす。

「やったなぁ」

 松崎さんはお返しとばかりに、夕見さんへと水を飛ばしている。


「「あはははは」」

 なんだか楽しそうだ。

 

 僕はというと、やけどにしみるので隅のほうで ばちゃばちゃ やっている。

 

 川の水は夕見さんの股下10センチほどだ。

 松崎さんの股下でいうと、4~5センチくらいかな。

 

 おっと魚もいるな。

 川の中へ入ってみると、僕は……ちょうど股の辺りだった。

 軽く落ち込み陸へ上がり、火をおこすことにした。


 火耐性が上がったお陰か、火にさらに近付けるようになったので、葉っぱを手で包むようにして両手で火魔法を唱える。

 上下から繰り出される火魔法によって火は、今までの半分程度の時間で付けることができた。

 

 火を付け、魚を槍で突き始める。

 とぅ。

 とぅ。

 

 なかなか刺さらなかった。

 僕はイラッっときて、陸近くの魚の前から後ろに逃げるように前から驚かせる。

 そしてすぐさま陸を走り、槍で突く。

 初めは魚のスピードが分からず刺さらなかったが、スピードがわかるようになると面白いように刺さるようになった。


 8匹刺したところで、遠火であぶる。


 ほど良く焼けた魚と、美女達の裸体が食欲を駆りたてる。

 今……魚がうまい!


 夕見さんと松崎さんの体は水に濡れ、首筋に張り付く、水分を含んだ艶やかな髪が、僕の心を突き動かす。

 肩甲骨に垂れる滴が背中を伝い、日の光を得てオーロラのように煌めいている。

 少し白いお尻が水に濡れて、かわいらしいお尻が今にも掴みたくなる。


 2匹目の魚をかじりながら、僕は再び目の前の光景に酔いしれていった。 


 程よく引き締まって、抱きつきたくなるような腰回り。

 腰にまで、濡れた髪が張り付いている。

 日光に照らされて、流れる滴がキラリと光る。 


 ああ、眩しい。

 トロけちゃいそうだ。

 

 明日は、町へ行くのだ。

 今日くらい遊んでもいいだろう。


 川の向こうの道は、馬車が通れるような道で整備されていた。

 おそらくこの道をまっすぐ行けば町なのだろうな。

 

 

僕……もう、疲れたよ……パトラッシュ……。



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