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Ring of Greed  作者: 文一


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欲の指輪

とりあえず、読んでくれたらうれしいです。

帝国歴2000年──





 初代王 コルバトは、東の果て、海の底、空さえも支配し、絶対的なる国の支配者となった。だが、どんな国にも終わりは必ずある。コルバトが何よりも恐れたのは、反逆でも、財政難でも、死ですらない。指輪だ。十の指に一つずつ、填められている銀色の指輪。後に、欲の指輪と称された。欲の指輪は、人が、後に築き上げる欲の集大成、指輪一つに、十大欲求を司っている。コルバトは、この指輪を、北の凍える大地の山頂で見つけ、その後に王となった。古くからの付き合いであった側近や、大臣たちは指輪の存在にわずかながら気づいており、コルバトは、自身の子供であるバトラスに指輪を託すのではなく、誰の手にも届かない場所へ封印した。それが帝国の破滅を招くことになった。コルバトが死んで、王位についたバトラスは、神格化されていた実の父親であるコルバトを超えるため、無茶な政策が仇となり、帝国は繁栄から没落した。国は三つに分かれ、戦は絶えず続いた。どうしようものかと、バトラスは自室で頭を掻きむしり、下を向いて椅子に低く座っていると、ある一人の大臣が、バトラスに静かに告げた。

「先代であるコルバト王が、填めていた銀の指輪…。それをあなたが見つけることができれば、あなたはいずれ、帝国をもう一度築き上げることができるだろう」

 バトラスは、自分の自室から出て行こうとする大臣を見つめながら考えた。(もしも、それが本当なら──)と。決断は早かった。バトラスが唯一信じられる近衛騎士団の団長に命をだし、指輪の捜索に向かわせた。




──現在──




 凍える大地、あたりは一面の雪で埋もれ、中心にそびえ立つ山に近づくほど、降り積もった雪は深さを増していく。しかし、問題はそこではない。ひとたび息を吸えば、喉が凍える。このアルプスの大地での最大の脅威は、凍えるほどの吹雪である。だが、これほどの脅威があっても、進まなくてならない。近衛騎士団、王に忠誠を誓うフィンクス団長は、進み続ける。

 そこまでだ、と言わんばかりに魔物がフィンクスの前に立ちはばかる。

「この地でしかあらわれぬミノタウロスか」

 183cmあるフィンクスの背丈を超え、腹筋、二の腕、首の太さ、足の大きさ、どれも見たことがない筋肉。その体毛は、氷精の薄暮。フィンクスは見上げるも、自身が〝ちっぽけな存在〟としか思い浮かばなかった。フィンクスは剣を抜き、ミノタウロスに剣先を向ける。すかさず、ミノタウロスのこん棒のような左腕が、フィンクスに殴りかかる。

「クソっ⁉」

 避けきるという思考は切り捨て、最小限のダメージで抑える。だが、それでも、ミノタウロスの左拳が積もった雪にぶつかる。その衝撃で、雪が舞う。視界は閉ざされ、フィンクスの体は吹き飛ばされた。仰向けに倒れ伏すが、すぐに立ち直り、しゃがみながら、舞う雪の中で極限の集中力で目を凝らす。

「───ヴぁあああああ!」

 雪からなった霧が、一斉に分散した。その数秒前、ミノタウロスが姿を現し、フィンクスの目の前まで迫っていた。

 狙うは心臓しかない。フィンクスはそう思い、剣を平面に、剣先をミノタウロスに向ける。

「──」

 剣がミノタウロスの右胸を突き刺し、大量の血液が流れだす。抜き、剣をおさめ、再び歩き出す。

ここまで読んでくれてありがとうございます。


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