第100話 転生神
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夕食だ。樹海帝国城の食堂。
食堂はレストランのようにテーブルが沢山。
俺のテーブルは決まっていて、一番大きいテーブル。
妻たち全員座るので大きくなるよね。
食堂でも右側にハク、左側にレイが座る。
定位置ね。
戦いは一段落して、ゆっくりと皆で食事を楽しむのだ。
今日はしゃぶしゃぶだ。
ダンジョンの海で採取した昆布の出汁。
昆布も魔素が染み込んでいい具合に美味しくなってる。
肉もダンジョン牧場の最高級魔牛の肉。
部位はサーロインだ。
王様の称号を冠する肉の王様。
皇帝が食べるに相応しい。
きめ細やかな肉質。柔らかく上品な風味。
タレはポン酢。そして紅葉おろし。
定番ですね。大好きです。
ポン酢の材料。
醤油、酢、味醂、レモン汁もダンジョン産だ。
紅葉おろしの材料。
大根と鷹の爪も勿論ダンジョン農場産だ。
万能ネギを小口切りにして薬味にする。
万能ネギもダンジョン農場産。
野菜は白菜、白葱、人参、椎茸。
全てダンジョン農場産。
旨い!旨すぎ!
いくらでも食べられる。
ああ。幸せええ~。
と堪能していたら、真っ白い空間にいた。
「ん?」
目の前に冴えないじいさん。
白い布を身体に巻いてる。
長髪白髪。白い口髭、長い顎髭はグレー。
裸足。手には1本の汚い杖、
誰だこいつ?
転生神「儂は転生神じゃ。冴えないじいさんとは不敬な奴じゃ。」
転生神から荘厳で神々しい神気が溢れ出す。
考えていることが分かるのか?
この神々しい力は強力だ。
ヤバいこの人には勝てない!
転生神「そうじゃ。お前の心を読めるぞ。儂には勝てん。無駄な抵抗はするな。」
転生神は凄みを増し俺を威圧した。
ヤバっ、逆らっちゃいけない。
くっ、ここで何も考えるな!無心だ。無心だ。
転生神「まあ、考えても、考えなくとも同じじゃ。せっかく儂が魔王を誕生させて人間と魔族を戦わせているのに、封印なんてするとは、お主余計な事をするな。」
「はい。」
無心。無心。
転生神「いいか、魔王の封印を解くか魔王を殺せ。儂の邪魔をするな。」
「はい。」
無心。無心。
転生神「それから、魔族と人間を協調もさせるな。」
「魔族と人間を敵対させろと言うことでしょうか?」
転生神「うるさい、質問は許さん。儂の言う事を黙って聞けばよいのじゃ。神罰を下すぞ。」
神の強力な威圧が俺を潰しそうだ。
「はい。」
無心。無心。
転生神「それと召喚の間の封印は解除して、召喚出来るようにしておけ。」
「はい。」
無心。無心。
転生神「勇者達は魔王を倒したら、始末しておけ。」
「!・・・はい。」
無心だ・・・。
転生神「ダンジョンに侵入した者は適当に始末しろ。」
「はい。」
無心。無心。
転生神「ダンジョンは生活の場ではないぞ。ダンジョンで牧場とか農場とか作るな。人間や亜人、魔物達の増加を調整するものだ。生産なんてもっての他だ。」
「・・・はい。」
無心。無心。
転生神「以上だ。良し、帰って宜しい。」
もとの食堂に戻っていた。
右手に箸を持っている。
その先ににしゃぶしゃぶのタレをつけた魔牛を挟んでいた。
食べる。暖かい美味しい。
転生神に呼ばれた直前の時間に戻ったようだ。
ハク「どうしたの?急に考え込んで。顔も青いわ。具合が悪そうよ。」
「転生神に会った。」
ハク、レイ「「え!転生神?」」
「そうだ。」
俺はアスタロトを呼んだ。
「アスタロト、ちょっと来てくれ。」
アスタロトは俺の後ろに出現した。
アスタロト「なんでございましょうか?」
「転生神と会った。神から見えない、神に聞こえない場所で相談したい。どこかないかな?」
アスタロト「ハク様の異次元の中であれば大丈夫です。」
「有難う。」
お、意外に身近にあった。
異次元に収納されるのは始めてだ。
「ハク、俺と妻たち、アスタロトを異次元に収納してくれ。」
同時に妻たちに念話で異次元に呼ぶ事を伝える。
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いつものリビングと同じ空間にいた。
ハク「異次元はリビングと同じにしたわ。居心地がいいでしょ。」
ユイ、ウィーラ、グレイアから念話で、皆急にいなくなったけどどうしたの?私達も交ぜて。と言われたので、彼女達も異次元に呼んだ。
皆は俺に注目している。
転生神に会って言われた事を伝える。
ヒナ「あのじいさんと会ったのね。偉そうなじいさんだったでしょ。私の時は、種族は吸血鬼なんてカッコいいかもなぁって思っただけで、吸血鬼の5世代にされちゃったし、ロクに説明もしないで、ダンジョンに放り出されたわ。お陰でカップラーメンを啜る毎日だったの。あの頃には戻りたく無いわ。」
カップラーメンは自業自得だろ。
と思いながら、表面上は同情した表情で聞いてます。
ウィーラ「儂もいきなり呼ばれて、有無を言わさず『龍脈を守護せよ!』と神託されたのじゃ。その後、長い間あの地から離れられなくなった。あそこには戻りとう無いのじゃ。」
ユイ「私を殺せって言われたのですね・・・。
私の場合も同じ様な感じでした。あの白い部屋で『魔王を倒せ!』と神託を下され、どうすれば魔王を倒せるのか、説明はなかったわ。魔法の勇者も勝手に決められた。」
サクラ「私もヒナと似たようなものだったわ。種族は魔女もいいかなぁって考えた瞬間魔女になってた。ダンジョンの説明もなし。試行錯誤で何とか生き延びた感じよ。」
「転生神は放漫と言うか、コミュ障と言うか、酷い奴だ。皆も苦労したんだね。転生神は人間と魔族を敵対させたいらしいが、俺は従う気はない。ユイを殺すなんて言語道断だ。」
皆「え!」
皆はビックリしている。
サクラ「大丈夫なの?天罰が下されるよ。この場所では悪口も言えるけど。元の世界では不敬な事を考えるのも危ないわ。ユイはハクの異次元に匿う方法もあるわよ。」
サクラ達、転生神と会った事のある者達は心配しているようだ。
アスタロト「ははは、こんなに早く神と敵対するとは面白い。流石不死王を眷属にした人です。大丈夫ですよ、いざとなったら私が匿います。」
「アスタロト、神は殺せないの?悪魔は神と戦っているんだろ。」
アスタロト「殺せますよ。」
皆「殺せるの?」
アスタロト「かなり難しいですが可能です。神殺しの剣で斬れば殺せますが、殺意を隠して近づく事が困難です。ばれたら天罰ですから。」
「なるほど、神殺しの剣を手に入れれば良いわけだ。」
サクラ「神殺しの剣と言えば、地球ではミスティルティンか十束の剣ね。槍ならロンギヌス。」
レイ「ミスティルティンなら私が出せるわよ。植物でしょ。宿り木の一種ね。剣になるのかしら?」
ムラマサ「我に寄生させてみればよいでござる。我以外の剣が主殿の役に立つのは、我慢がならぬ。」
ムラマサの言葉は久しぶりに聞いたな。
レイ「やってみましょう。」
レイが俺の左手で世界樹の手甲になった。
ムラマサを抜いて、両手で構える。
左手の世界樹の手甲からミスティルティンがムラマサに寄生していく。
ミスティルティンの枝がムラマサに絡み付いていた。
精霊王レイの精霊力とムラマサの魔力、宿り木の不思議な力を感じる。
なんか神でも斬れそうな雰囲気。
「一度試したいね。この世界の神に会える場所は有るかい?飛びっきりの悪神がいいな。善神は斬れない。」
アスタロト「それなら魔神ですね。」
ハク「お父さんが言ってた大自然にある魔神の遺跡ね。」
サクラ「魔神の遺跡はダンジョンよ。」
ヒナ「ダンジョンかぁ。」
ヒナは若干ワクワクしてるように見える。
ハク「ヒロトは転生神に監視されてるかも知れないから、私達で行くわ。魔神と戦う時に呼ぶよ。」
「え!まさかの留守番!」
レイが左手から分身体を出す。
そして俺を抱き締めた。
レイ「行ったらダメよ。ヒロトに天罰が下されたら、どうしていいか分からなくなるわ。留守番決定よ。」
皆「そうよ!」
ヒナ「スパ1の念話で見てて応援してね。」
むむ。全員一致で留守番をする事になった。
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