第10話 エースパイロットになりました!
「違う! こんなのは決闘じゃない!」
同感だよ。こんなのは決闘じゃない。訓練だ。
ペイント弾でインク塗れになったアシガルを見て王女様が勝負ありの判定を下した。ここまで一方的だと逆に面白いらしい。必死に笑いを堪えてる。
俺の鬼神には当然一発も当たっていない。
綺麗なモンです。
一方クソガキのアシガルは見るも無残なインク塗れ。
ザマミロ。
そんな中でアシガルからクソガキが降りてきてさっきの台詞を叫んだと言う訳だ。
互いの隊から最強の機体を出して戦うって条件出したのそっちじゃん。
俺は約束通り最強の機体で出て来ただけだよ?
つーか、ここまでコテンパンにやられたんだから認めろよ!
自分の負けを!
「そんな機体どこから盗んで来た!」
最後には盗人呼ばわりかよ。
この機体は俺のだよ!
個人資産です!
「嘘をつくな! そんな高価な機体を個人で所有しているなんて有る訳ないだろう!」
いやいや。個人資産ですよ? その証拠に生体認証俺のになっているし。
「嘘をつくな!」
「黙りなさい!」
あ! 王女様御冠だ。本気で怒ってる。
まぁ、しょうがないよね?
特務隊に流れるお金をピンハネしてたのがばれたんだから。
他にも横流ししてるのばれてるから。
それどころか軍の機密情報ハニートラップで洗いざらい吐いた事知らないと思ってるの?
馬鹿なの? 死んだら? そしたら治るかも? あぁ、治らんか。馬鹿は死んでも治らないって言うし。
「!!!」
俺が何で知ってるかって?
調べたら簡単に色々と出て来たよ?
コンプライアンス守ろうぜ?
普通軍の機密情報家に持ち帰るか?
それを恋人の一人に見られて金にされたって知ってるか?
お前終わってるよ。
わざわざ殺す必要なんかない。
軍法に裁かれるんだよ? お前は・・・。
「そう言う事です。ケスヴァン、貴方は裁判にかけられます。」
あーあ、座り込んじゃった・・・。
あの後クソガキの部隊は解散したとか。
部隊のほとんどの奴が裁判行きになりゃそりゃしょうがねぇわ。
一緒に甘い蜜を吸ったんだから地獄へも一緒に行かなきゃね。
まぁ、当然だわな。
ところで何で俺、王城に呼ばれたの?
意味わからん! 意味わからん!
「ヨシト様には今日から我が国のエースパイロットになってもらいます。その他にも正式に階級を授与したいと思って来てもらいました。」
まぁ、あんなのにも務まったんだから引き受けましょう。
それで階級は?
あまり高いと常に腹芸で神経を尖らせていなければならないから嫌ですよ?
事務の仕事とか当たり障りのない階級が良いです。
「階級は少佐です。」
まさかの少佐! てっきり大尉あたりが来ると思っていたのに・・・。
「エクセリオンの性能を考えれば准将あたりを与えて独立部隊として頑張ってもらいたいところなのですが?」
少佐で文句ありません! 准将なんて階級にされたらイリーナさんとお話する時間無くなっちゃう! 家族の時間を大切に!
「お二人は正式にお付き合いしてるのですか?」
ぐはぁ!!
何だろう、血を吐きそう!
確かに好きですアピールはしてますが正式に交際は申し込んでいません・・・。
告白しても断られない自信もありますけど正式に交際してません・・・。
あれ? 俺ダメじゃん・・・。
「大丈夫だとは思いますが早めに告白した方が良いと思いますよ?」
・・・アドバイスありがとうございます。
ちょっと泣きそう・・・。
あれからイリーナさんと二人っきりになれない・・・。
声をかけようとしても逃げる様にどこかへ行くし・・・。
目を合わせてもすぐ逸らされるし・・・。
逆に今まであまり親しくなかった女性陣が積極的に声をかけて来る。
エクセリオンに引っ越ししてきてからだ。
皆すごく美人だし、オッパイ大きいし、ウェスト細いし、性格も良いみたいだし文句は無いのよ。でもさぁ、気を使ってくれぇぇぇぇぇぇ! 俺はイリーナさんとまず仲良くなりたいんだよ! 今日は姿すら見ていない! 俺の心情も理解してくれ!
こうなった意地だ! 今日は何が何でも追い掛け回してやる!
「いい加減覚悟決めてちゃんと交際を申し込むなり受けるなりしたら?」
「レアイナ隊長は他人事だからそんなに簡単に言えるんです!」
「? 何言ってるのよ? とっくに他人事じゃなくなってるわよ?」
「え?」
「少なくても私は彼の事きちんと意識してるわよ? 多分今、告られたらベットまで許しちゃうと思うわ。」
「!! そ、そんなのダメです! お付き合いしてからきちんと手順を踏んで!」
「そんな事言ってるとエクリアあたりにヨシトの童貞奪われるわよ?」
「!! ね、姉さんが!? ど、ど、どうして!?」
「気付かぬは本人ばかりなりか・・・。エクセリオンの中にいる特務隊のメンバーでヨシトのお嫁さんになるのが夢って言うのがほとんどの意見なのよ?」
「ほ、ほ、ほ、ほとんどであって全員では・・・!」
「いきなりの事で自分の気持ちに整理がつかないだけであって近いうち全員がヨシトに交際を申し込むと思うわよ? その時逃げ回ってる貴女は圧倒的に不利よ? 気が付いたら自分の気持ちを伝えても伝わらないって立場になったらどうするの?」
「・・・・・・。」
「やっと事の重大さに気付いたようね? 因みにヨシトここ数日誰かさんが避けてるせいで相当落ち込んでるわよ? 女性陣はこの機会にヨシトの心をガッチリ掴もうとアピール合戦になってるわよ?」
「!!」
「因みに私もその一人。エクリアもセリーナもアピッてるわよ?」
「な、な、な!」
「イリーナ? あなたのこの逃亡行為は余裕からきてるの? 言っとくけど私は本気だから。隙あらば本気で狙うから。」
「!! し、し、失礼します!」
おかしい。
いつもならすぐに逃げ出すのに今日は自分の方から声をかけて来た。
なんか久振りにイリーナさんの声を聞いた感じがする。
でも、なんでそんな思いつめた感じで呼ぶんでしょうか?
「大事な話があります。お時間を今すぐ作ってください。」
ひょっとして告白イベント?
でも、今まで避けられてたのになんで?




