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解雇された元アイドル

その時、刑務官がやってきて牢の鍵を開ける。

「2人とも出ろ!釈放だ。」

「あん。どういう事だよ?」

 竜也と李光人は顔を見合わせる。二人とも暫くの間、外には出れないと覚悟していたのにも関わらず、即日釈放だという。竜也がしこたま爺をボコしたので、告訴を取り下げてくれるとはとても思えなかったのだが。

「竜也、大丈夫か?」

 刑務官の影から現れた男が声を掛けてくる。李光人はその男に見覚えがあった。確か、三山とか言った様な・・・・。

「凌輝!」

 竜也がそう呼んだのを聞いて思い出した。男の名は三山凌輝。オーデション番組で結成されたアイドルボーイズグループ、Zー1のメンバーである。二人の口ぶりから三山と竜也は知り合いであるらしい。

「お前、何しに来たんだ?」

「何しに来た?助けに来たんじゃねえかよ。」

「・・・・・何故、俺が此処に居ると分かった?」

「警察に伝手があってな。助けがいるだろう?」

「・・・・・・・。」

「シャイニングに居ればすぐに出れるだろうが、今のお前は何の後ろ盾もない。刑務所に入ることになっても良いのか?前にも傷害でパクられてるよな?」

「・・・・・後ろ盾がないのは、お前も同じだろう?」

 三山凌輝は数か月前にZー1を解雇されていた。交際していたインフルエンサーから1億円もの大金を貢がせ、利用価値がなくなるとあっさり切り捨てていた事実が週刊誌にすっぱ抜かれた為である。後ろ盾がないのは竜也も三山も同じであった。

「後ろ盾ならあるさ。お前と違ってな。」

 三山は右手の小指を立てて、竜也に示す。

「・・・・・明里か。」

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