閑話 魔族公爵アイム
「くそ、まさか人間にあれほどの力を持つ者が」
魔族の中でも最強に近い悪魔アイム、彼は人族との戦争に置いて勇者と呼ばれる者に敗北してしまった。
「ぐっ、もう魔力が」
魔族の中でも公爵として高い地位にいて現在不在の魔王に最も近いと評されていたアイムは現在【闇の森】と呼ばれる森の上空を飛行していた。
「だめだ目が霞んできた」
フラフラと不安定な飛行で、今にも落ちてしまいそうであった。
そんな時
「じ、地面が揺れてるだと」
彼が見た光景は森が大きく揺れ、轟音が辺りに鳴り響き、そして
「なんだこの光は!」
辺り一面光に包まれる、そして
「いっ、いったい何が?」
アイムが辺りを見回すと闇の森の中心部に家が現れる。
「なんだあの建築物は、さっきまであそこには何も!」
フラフラだがなんとか怪しい建物に近づく、そして建物の庭らしき所に降りようとした時、バチバチとアイムに衝撃が
「ぐぁ!」
そうしてアイムは気を失い、謎の建物の庭に倒れてしまう、猫の姿になって
そしてしばらくした頃
「あれ? こここんなに田舎だっけ?」
そんな間抜けな声に目が覚めるアイム
「にゃ?」『なんだ言葉が喋れ無い』
「にゃう」『ここは? いったい私はどうして?』
「にゃあ」『って猫になってるやん』
魔族公爵アイム、魔王に最も近いと呼ばれ、人間からは地獄公爵と呼ばれ恐れられた彼は猫になっていた。
『どういう事だ、この建物の力か?』
アイムは建物を調べ始める、すると
『な、なんだあの人間は、いや本当に人間か?』
アイムは白露を見かける、そして彼の底の知れぬ魔力に怯える。
『勇者共の何倍もあるではないか』
恐怖を感じるが、それでも調べなければと調査に出るが
『ぐっ、腹が減った』
飲まず食わずで闇の森へ逃げて来た彼は空腹の限界だった、その時
「あれ? 猫ちゃんです、おーこいこい」
目の前に人間の女が手を振ってくる、どうやらアイムをただの猫と思ってるようだ。
『なんだこの女は』
アイムは警戒するが
「そうだ、今日買って来た先生へのお土産のお寿司」
女性は寿司をアイムに渡す、アイムは
『むぅ、これは食い物か、ぐっここは仕方ない』
空腹過ぎたアイムはガツガツと寿司を食べる
「きゃー、可愛い先生のペットかな?」
『ぐあ、な、何をするのだ人間』
女性はアイムを抱き抱え部屋に入る。
「にゃにゃ!」
「暴れ無いでください、なんか汚れてるからお風呂に入れてあげますね」
『ふ、風呂だと、なんだいつもなら喜んで入るのに、今は意地でも嫌だ!』
暴れるアイムを無理矢理連れて行き、そして
「ふにゃー!」
「暴れるな、綺麗綺麗にしますからね」
こうして強引に洗われたアイムは、立派な毛並みの黒猫になる。
「おお、可愛いですね」
「ふにゃぁ」
ぐったりしたアイム、しばらくは女性のされるがままにされていた。
「そういや名前がありませんね、ミーコにしますか、多分先生ならこんな名前でしょ」
「にゃう?」『なんだいったい?』
「貴方はミーコ、私は露美ですよろしくね!」
『女性の名前は露美と言うのか、しかしなんだこの家は?』
アイムは不思議な家を見て驚愕していた。
『先ほどの風呂も魔道具をふんだんに使っていたが、この部屋も信じられ無いほどの魔道具の数々、そしてあれほどの魔力を持つ者が』
アイムはこの家の考察に一つの結論を見出す。
『ここは賢者の家か!』
賢者とはこの世界において魔導を全て極めた、いわゆる偉人である。
『それならこれだけの家の謎、しかも地獄と呼ばれる闇の森の中心部にあるのも頷ける』
と最初は思っていたのだが、賢者にビビり白露に隠れながら過ごす事一週間
『なんだ? 普通の人間じゃないか、しかしあの魔力は』
そう思い、思い切って白露の前に姿を現わす、そして
「じゃあ正式にこのうちのペットになるか?」
『ぐぁーー、なんだ魔力が信じられないほどの魔力が送られてくる、なんだ何なのだ、分かった、お前の、いや貴方様のペットになります!』
「にゃーん!」
『はっ! まさか人間のペットになるとは、しかし私が進化するとはな』
アイムは白露との従魔契約により、一段階進化を遂げる。
『悪魔から魔人にか、ふふふこれは良い、私は何と偉大なお方に仕えたのだ』
従魔契約は主人の格が高ければ高いほど従魔の格も引き上げられる。アイムの種族は既に限界まで進化していたと思われていたが
『まさかまだ先があるとはな、あのゴブリン共も素晴らしいお方の配下になった者だ』
アイムは進化したゴブリンを見て納得する。
『ゴブリンナイトは人間の騎士団ならば中隊でも倒せぬぞ、その他にもユニークな、あの方こそ魔王様に違いない、そうだあの方こそ我ら魔族を導くお方なのだ!』
こうして白露は勝手に魔王になる事になる、アイムの働きによって避けられぬ運命として




