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小さな玉手箱【二百文字小説集】  作者: つるめぐみ
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異世界の勇者

 俺が召喚された世界は、魔王の猛威で崩壊寸前らしい。

 背中に勇者の剣を持ち、王に謁見する。

「よくきてくれた。勇者よ」

 王の言葉とともに周囲から拍手が沸きおこる。

 この人たちの恐怖を払うために俺はきたのだ。

「ご飯よ、はやくすませて」

 ところが現実に引き戻す母の声。俺が現実を忘れられる空間はここにあるのに。

 悩みの逃げ場は、どこだっていいじゃないか。

 食事後はまた勇者だ。異世界を救う勇者は現在、就職活動から逃亡中。

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