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小さな玉手箱【二百文字小説集】  作者: つるめぐみ
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同じ境遇、違う想い

 彼に別れを告げられた。

 理由は私の束縛に疲れたというもの。

 けれど私は、彼に新しい彼女ができたことを知っていた。

 雨の中、傘も差さずに歩く。すると子猫が歩いているのが見えた。

 首輪もない。親の姿もない。きっと捨てられたのだろう。私と同じように。

 かわいそうだと思って、手を差し出しながら呼ぶ。

 けれど子猫は私を無視して走っていった。

 前だけを向いて、しっかりとした足取りで。

 涙を拭う。自然と私の足も前を向いていた。

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