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小さな玉手箱【二百文字小説集】  作者: つるめぐみ
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命起つ

 今年、はじめての徹夜作業に全員が緊張してあたる。

「逆子か。破水して時間はどれくらいだ?」

 恐れていた事態がおきた。初産を迎えた馬が危ない。

 せめて母体は助かってほしい。

 すると出ている足が動いた。仔馬は諦めていない。

「生きようとしています。出してやりましょう」

 足を持って引っ張ると、応えるように母馬がいなないた。

 同時に仔馬が出た。弱いが息をしている。

 朝日を受けながら乳を飲む仔馬を見て全員から笑みがもれた。

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