第2章 17
堯閣は自分の領地を仮面の男【劉閣】らに攻め取られたことに
慌てると隣国の水霞曉の舜炎帝に助けを求めた。
舜炎帝はすぐさま、海月宴に4侯を呼び、
龍炎国のことをどうするかを話し合った。
智龍侯は龍炎国に救援を送るべきだと言ったが
他の3侯は龍炎国に救援を送るのは慎重だった。
困った舜炎帝は我箕の劉・小狼に意見を求める手紙を送った。
ちょうど、我箕に劉・小狼が趙燕と共に視察を終えて戻ってくると
舜炎帝からの手紙が届いた。
劉・小狼がその舜炎帝からの手紙を詠み、返答に
困っていると関遼に酒を持て成され、すっかりと出来上がった
庖悦が劉・小狼が戻ってきたのを聞きつけ、劉・小狼のもとに
千鳥足で現れた。
劉・小狼は自分の前に現れた酔った庖悦を見ながら
「お越しでしたか? 庖悦先生」
と言うと庖悦は大変満足そうな顔をし
「ああぁ…… 大変、馳走になった。お主の元気そうな顔も見れたし、
わしはここいらで帰るとするわい」
と言い、我箕の城から帰ろうとした。
「そ、そうですか……」
劉・小狼は残念そうに庖悦を見送ろうとしたが
ふと、手に持っている舜炎帝からの手紙が目に入り、
「ちょ、ちょっとお待ちを! 庖悦先生」
と庖悦を呼び止め、慌てて、庖悦の元に駆け寄った。
劉・小狼がほろ酔い気分で帰ろうとしている庖悦に
舜炎帝からの手紙を見せると庖悦は舜炎帝の手紙を見るなり、
一瞬、顔色を変えたがすぐに庖悦は何事もなかったかのように
顔色を元に戻すと劉・小狼から舜炎帝の手紙を受け取ると
パラパラと目を通し、手紙を劉・小狼に返した。
劉・小狼は庖悦から舜炎帝の手紙を受け取ると不安そうに
「わたしはどうしたら、宜しいでしょうか?……」
と庖悦に尋ねると庖悦は静かに劉・小狼の顔を見詰めながら、
「すでにお心はお決まりなのでしょう?」
と言った。
庖悦の一言に劉・小狼はドキッとした。
庖悦は劉・小狼を見詰めながら
「だが、智龍侯以外の3侯は龍炎国への救援は反対でしょうね……
一つ、事を謝れば、この我箕は大変なことになるでしょうなぁ……」
と言うと身体を翻し、我箕の城へと戻った。
我箕の城の王の間に通された庖悦は劉・小狼らを前に
「4侯の中でも龐炎候と黒武侯は上手くすれば、
龍炎国への救援を賛成してくれるかもしれませんが……
それにはまず、4侯のまとめ役の黒武侯を仲間に
引き入れるのが得策でしょう!」
と言った。
劉・小狼は険しい顔をしながら
「そう上手くいくだろうか?……」
不安そうに呟くと庖悦は
「あの者(郭瑜)がいれば、大丈夫でしょう!
あの者(郭瑜)は?……」
と劉・小狼に郭瑜の居場所を尋ねた。




