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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第2章
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 第2章 15

 劉・小狼が趙燕と共に沙隆の帰り道に庖悦に

教えてもらった琶填の地に立ち寄ると

そこには肥沃な水田が並び、青々とした稲が広がっていた。

 こんな肥沃な土地なのに沙隆にも我箕の支配も受けずに

琶填の民のみでこの土地を護っていた。

 この地でそんな琶填の民達に力を貸しているのが

庖悦が自分の変わりに劉・小狼の仲間に推挙した

郭瑜かくゆ”だった。

 劉・小狼は胸を高鳴らせ、琶填の民に


 「郭瑜という人は何処に住まわれていますか?」


 と尋ねると琶填の民の一人は


 「ああぁ…… 先生なら、村外れの竹林の中にいるべぇ……」


 と劉・小狼らに郭瑜の居場所をすんなりと教えた。

 劉・小狼が趙燕と伴い、琶填の村人が教えてくれた

郭瑜という者が住む村外れの竹林の中に行くと

そこには小さな庵があった。


 「すみません…… 郭瑜さまはご在宅でしょうか?」


 劉・小狼は恐る恐る、その庵に声をかけるが

庵からは誰の返事がなかった。


 「お留守でしょうか?……」


 趙燕が心配そうに劉・小狼に話しかけると


 「向こうの方を見てこよう!」


 劉・小狼がそう言って、家の裏手の方に廻ると

縁側のような所に難しい本を片手に

転寝をする男(郭瑜)の姿があった。

 劉・小狼は縁側のような所で難しい本を

片手に昼寝をする男(郭瑜)を起こさないように

男(郭瑜)が目覚めるまでずっと待ち続けた。

 だが、一向にその男(郭瑜)は目覚める事はなかった。


 日も翳った頃。 劉・小狼はその男(郭瑜)と話すことを諦め、

我箕へと戻ることにした。

 だが、劉・小狼はその男(郭瑜)に運命的なモノを感じ、

趙燕から紙と筆を借り、その男(郭瑜)に手紙を認めると

その手紙をその男(郭瑜)の傍に置くと趙燕と共に我箕へと戻った。

 劉・小狼と趙燕がその竹林から立ち去ると

庵の縁側のような所で昼寝をしていた男(郭瑜)は

すぐさまに目覚め、劉・小狼が置いていった手紙を手に取った。


 「劉・小狼ね……」


 郭瑜はそう呟くと劉・小狼が置いていった手紙を

読まずに眺めた。

 劉・小狼は趙燕と共に我箕に戻り、我箕の民の為に働いた。


 海月宴以来、仮面の男【劉閣】の動きもなかった。

 劉・小狼はそれが返って、不気味で怖かった。

 そんな時、我箕に突然、沙隆の街で知り合った

ボロボロの身形の庖悦がやって来た。

 我箕の城の門へとやって来た庖悦は門兵に


 「小狼殿はご在宅かな? ご在宅なら、庖悦が会いに来たと

取り次いでほしいのだが……」


 と言ったが門兵は汚い身形の庖悦を見て、


 「お前のような汚き者が小狼さまのお知り合いであるものか!

帰れ!帰れ!」


 と追い返そうとした。

 そこにたまたま、通りかかった関遼は言い合っている門兵に


 「どうした? 何があった?」


 と言い、門兵の方に近寄ってきた。


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