ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 17
「あとは……」
ドラナが続けた。
「相手が憎いから、後ろから刺す……なんてのも、ダメなヤツだな」
「そのあたりは、分かる」
レイブンはエールを飲み干した。
「あんたらの行為は、周りから見ると卑怯だが、戦士としては、問題ないって、ことか?」
「しかり」
「そうだ!!」
ガロンとドラナも、エールを飲み干した。周囲の神官達も、頷いている。
「戦神様、意外と戦士寄りの方なんだなー」
レイブンが、しみじみと呟いた。
「戦神様と言えばさ……」
ドラナがなにか話し出す前に、ガロンが混ぜっ返した。
「ドラナ。それを説法する前に、創世神話を語るのがお約束じゃぞ? お主、お約束を飛ばすつもりかの?」
「舐めるなビア樽!! あたしは、これでも……神官だぞ!! ……一応」
ドラナは自分で言っていて、恥ずかしくなったらしい。最後は、小声になっていた。
「ドラナ……」
レイブンがドラナの両肩をつかんだ。そのまま、ドラナの顔を覗き込んだ。
「一応……とか、言うな」
若干、声が低かった。
「ドラナは、立派な神官だ。自分で、一応とか、言うな」
「れ、レイブン?!」
「オレの小指、キレイに治してくれたろ? あれ、気持ち良かったんだぞ?」
「き、気持ち良かったとか……言うなっ!!」
ドラナの耳が真っ赤になった。
「いいか、良く聞け!」
ドラナはヤケクソになっていた。無意識に、レイブンと手を繋いでいる。
「創世神話、聞かせてやる! 耳の穴かっぽじって、よく聞きやがれ!!」




