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【コミカライズ】チートなスライム職人に令嬢ライフは難しい!【一巻4/7発売!】  作者: ただのぎょー


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第116話:またな!

「なんか出かける前にクソ疲れたぞ……」

「全くだな……」


 ジョーとナンディオはぼやいた。


 こけー!


 そんなジョーの尻を鶏がつつく。

 疲れるのはムリもない。朝から牧草地全体にぼうぼうに伸びた草を刈り、それ終えたと思ったら、村中の動物たちが草を求めて来襲したのである。

 ウニリィの指示で、今度はナイフでひたすら草を刻んでいた。その刻まれた草を、村人が持っていって家畜に食べさせるのである。


「何時だ……?」

「もうすぐ昼だな」


 日が昇る前から仕事を始め、もう正午前である。


「兄さーん、ナンディオさーん」


 家の方からウニリィが呼ぶ。


「お湯沸かしたからお風呂入ってってー! その間にご飯の用意しておくからー!」


 ジョーは手を見る。

 草の汁で緑色に染まっていた。


 めー。


 羊が寄ってきて、その手を美味そうに舐めていく。

 そういえば仕事の途中からウニリィの姿が見えなかったが、風呂を沸かしたり昼食の用意をしてくれていたのだろう。


「……風呂入ってから行くか」

「ですね」


 エバラン村からファセンタまで馬を駆るとなればそれもまた一仕事で汗もかき埃にまみれるが、だからといって最初から汚れていきたくもないのである。

 二人はお湯を浴びて汗を流した。その間にクレーザーたちは家の前にテーブルを運び、ウニリィや集まってきた村の主婦たちが、用意してあったたくさんのごちそうを並べたのだった。そして村のみんなが集まってジョーの門出を祝った。


「ジョーの門出を祝って乾杯!」


 村長が何やら音頭を取っている。


「ジョーの兄貴ぃ……お元気でー!」

「おう。ありがとうな」


 セーヴンが泣いていた。ジョーはその肩を叩き、力強く握手を交わす。


「お前は泣いたりしないの?」


 ジョーは笑い、ウニリィは肩をすくめる。


「どうせ王都でも会うし、また戻ってくるんでしょ?」

「そうだな」


 ジョーはウニリィの髪を乱すように頭を撫でた。


「……もう!」

「じゃあそろそろ行ってくるぜ」


 ジョーはそう言って馬にひらりと飛び乗った。


「じゃあ、親父もウニリィもまたな! セーヴンやマサクィたちも家を手伝ってくれてありがとう、これからもよろしく頼む! 村のみんな、元気でな!」


 ジョーは拳を天に突き上げ、ナンディオを供にし、村の皆やゴリラやスライムたちに手を振られて旅立っていった。

 エバラン村から離れたところでナンディオが問う。


「帰ってみてどうだった?」

「悪くなかったよ」

「そうだろう」


 どことなくナンディオは満足げだ。ジョーを昔から知っている彼は、ジョーが実家に帰っていないことをずいぶん気にしていたのだ。

 そんなナンディオの視線が馬上にあるジョーの身体を上から下まで通り過ぎる。


「……なあ、聞いてもいいものか?」

「なんだよ」

「なんでそんな鎧がボロボロになってるんだ? ゴリラか?」


 ジョーの鎧は応急の修理をしている形跡があるが、明らかに焦げ目がついたりヒビが入ったり凹んだ跡があった。普通であれば廃棄していてもおかしくないほどだ。


「ああ、これか? ウニリィにやられたんだよ」

「は?」


 それがさー、と楽しげに語りだすジョーの言葉を聞きながら、二人は一路ファセンタへと向かうのであった。


 ジョーが去っていった東の方角に視線をなんとなく見つめ続けていたウニリィは、うーん、と伸びをした。その隣でクレーザーが呟く。


「行っちまったな」

「そうねー」


 家の前ではジョーを見送りにきた村人たちが笑ってクレーザーたちを呼んでいる。もうただの宴会になっていた。


「お父さん、飲んでれば? 別に忙しくはないでしょ」

「お前は?」

「私も一度、今出てる皿片付けたら行くわ」

「そうか」


 ウニリィが家に戻ると、スライムたちが体の上に皿やら食器を載せてふよふよふよふよついてくる。

 流し場で洗おうとすると、食べカスやらソースを舐めているのか、ほとんど汚れが見えない。


「ふふ」


 ウニリィは笑いながらムクロジを泡立て、ちゃんと皿を洗い始める。


「……あれ?」


 ウニリィは作業中、急に視界がぼやけて揺れるのを感じた。

 彼女は手の泡を洗い流して、タオルを顔に当てる。

 ウニリィは振り返り、タオルを少しずらして部屋の方を見る。外からは賑やかな声が聞こえ続けているが、それはどこか遠く感じられた。そして誰もいない部屋がとても広い。


 ふよふよふよ。


 大丈夫? とスライムたちが主人を見上げて思念を送る。

 ウニリィはしばし動きを止めて、タオルを置いた。


「大丈夫よ。ありがと。……はー、やんなっちゃう。ほんの数日いただけだったのにね」


 あいつは体格は大きくないくせに、存在感がでかいのよ。うるさいし。

 ウニリィは出て行ったばかりの男に向けて、よくわからない不平をつぶやいた。


 うにょん。


 スライムたちは首をひねるように身を捩った。


「ま、こんなとこあいつに見られないで良かったわ。さ、行くよ」


 ウニリィはスライムたちを連れて、宴会に戻るのだった。

ξ˚⊿˚)ξという訳でジョーが帰還した話の章終了って感じで。


章の切れ目なんで、また登場人物紹介上げます。

それと1週間ほど休載しますね。


次の章のプロットを練る……って言いたいところですが、もうひとつ連載してる中編を終わらせるためですかね。

「後妻、打つべし。」そちらもよろしくお願いします!


ブックマークやポイントもお願いします!!

ではまた来週〜。

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― 新着の感想 ―
ジョー!かむばーーーっく! ぶっちゃけ、ヒーローより読み応えのある男でしたね。ジョーのスピンオフをお願いしたいくらいw
更新ありがとうございます ウニリィちゃん!大丈夫!?(*´•ω•*)心配… 1週間しっかり休んで元気になってね 作者殿!ウニリイちゃんになにかあったら スライムけしかけるぞ!!
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