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マゾ・カード  作者: みぎゃー


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14/14

#14.新生覇神家とマゾ・カード

帝羅の実の父、覇神精翼の死によって全てが終わった。

もうマゾ・カードバトルのチャンピオンに与えられると言う偽物の報酬も

そのカードに付けられた高額の値札も意味を持たない。


しかし、精翼が長年をかけて計画して来た覇神財閥の解体は功を奏した。

メディアは早速覇神財閥を目の敵にした報道を加熱し、市民を煽動した。

財閥の関係者達も数多く逮捕され、覇神家の人間達は散り散りになった。


その所有する土地も権利も金品の類もあらゆるものが公共に売り払われた。

帝羅は一夜にして全てを失ってしまったのだった。


そこへやって来た凛とその兄のクサチン。


「大変な事になっちゃいましたね…。

 帝羅さん、ただの人になっちゃった…。」


帝羅はしばらく俯いて何かを考えた後、この場の全員に言った。


「別に私は元々自分を特別な人間だなんて思ってないわ。

 ただ、不自由なく暮らして来たからこれから不便でしょうけど、

 今は琴音と凛達が側にいる。それだけで何とかやって行けるわ。」


彼女は気丈に振る舞ったが、当然ながら通常の精神では無かった。

自らの実父が母親に対して行った事、そして壊された自らの一家。

1人のまだ若い女性が背負うにはあまりに重過ぎる荷物だった。

それでも彼女はこの現実を受け入れて生きるしかない。


幸いな事に、彼女はギリギリで未成年であった事からも罪に問われたり

実務上の不正等にも関与していなかった事から捜査の手は免れた。

帝羅は凛達に尋ねた。


「あなた達はこれから、どうするの?」


凛は兄と共に家に帰り、平穏に暮らす事を選んだ。


「そう、それが良いわね。

 マゾ・カードにされてショップで売られて、本当に大変な人生だったけど

 これからきっと報われるわ、頑張ってね。」


帝羅のクサチンに向けられた言葉には、彼女自身の方が壮絶な人生の筈が

逆に人を励ます事で自らは平気なのだと言っているようだった。


そして帝羅は琴音に言った。


「ねぇ、最強のマゾ・カードであり私の最愛の琴音。

 これから先、何も無い私と一緒に生きてくれるかしら?

 本当に何も無いのよ、全てを失ったんだから。」


琴音はポツリポツリと話し始めた。


「ウチは…家出をしてから夜の街を彷徨って、マゾピを見つけて。

 それで人生を逆転してやろうって思ってた。

 だけど上手く行かなくて、そんな時に帝羅様に会って。

 今更家に帰る事も出来ないウチの帰る場所は帝羅様だけだよ。」


そう言うと彼女は帝羅の胸の中に顔を埋めた。


「まったく、…もう。本当に甘えん坊だね、琴音は。」


帝羅は初めて柔和な笑顔を覗かせて、琴音の髪を撫でた。


「それじゃあ、二人は兄弟で何とかやって行けるわよね。

 もう会う事も無いかも知れないけれど、二人の事は忘れないわ。

 マゾ・カードで一攫千金なんて博打な夢を追ったりしないで

 真っ当に生きる事ね。」


既にマゾ・カードバトルには何の価値も無い。

それは、帝羅なりの皮肉交じりの餞の言葉だった。


凛は手を振り、クサチンは尻と股間を振りながら帰って行った。


「あーあ、行っちゃったわね。本当に二人きりよ、琴音。」


しかし琴音は別れの余韻などどこ吹く風で、欲情していた。


「あ、あの、帝羅様…。今夜もまた抱いて貰えるの?」


「ふふ、甘えん坊な上にエッチな女の子だね、琴音は。

 もう下着、濡れてるんじゃない?」


「えっと、下着は履いてないです…。

 だから、内腿を伝ってニーハイに愛液が染みちゃって…

滅茶苦茶恥ずかしいです。」


「ふふ、それは別に私が指示した事じゃないでしょう?

 言われてもいないのに勝手に自分でやって濡らして…。

 それで勝手に恥ずかしがるとか、どうしようもないわね。」


「はうっ!!」


その言葉に反応し、更に体をビクンとする事音。


「あら、今の身体の振動で愛液が股間から垂れ流しよ。

 まるでお漏らししちゃってるみたい。ってまぁお漏らしか(笑)」


琴音は顔を真っ赤にしながら小声で言った。


「あの…早くホテルに行きたいです…もう、我慢出来ない…」


「何を言ってるのよ。今日は野宿でもしようかしら。

 だってもうお金も大事に使わなきゃでしょ。

 そんなに気持ち良くなりたいのなら、そこら辺の木陰にでも言って

 自分で自分を慰めたら?」


そう言われて彼女はまるで野外で小便を我慢していたかの如く、

木陰に隠れてすぐに自慰を初めてしまった。


「ハ…ア.…ウン…。」「


くちゅくちゅと少し離れた帝羅の方にも愛液の音が聞こえる。


(本当にどうしようもなくエッチな子ね。大好きだわ。)


そんな帝羅達の元に、一人の男が近づいて来た。

それは帝羅の最初のマゾ・カード、初手雑魚助だった。


「帝羅様…マゾ・カードが意味を成さなくなった今、

 私達マゾはあぶれてしまっています…。

 どうか、覇神家を再興して下さい。我々マゾがその礎となり支えます。

 どうか、全てのマゾ・カードに生きる道をお示し下さい。」


覇神財閥が解体される裏側で、マゾ・カード達はあぶれていた。

帝羅にはどうやらまだ、役割が残されていたようだ。


「…言っておくけど、私が再興するのならこれからの覇神家は、

 これまでのように生ぬるくないわよ。

 アンタ達マゾの精神も肉体も限界までイジめ尽くして、

 深い魂レベルでの忠誠を誓わせるけれど、全てを捧げる覚悟はあるの?」


「ワンッ!」


雑魚助は犬語で返事をした。


「ふふ、股間の情けない肉棒を滾らせちゃって、本当に惨めね。

 良いわ、覇神家を私がいちから作り直す。

 アンタ達マゾをモノのように使ってやり遂げるわ。

 さぁ、それじゃあマゾの王国・新生覇神家を作るわよ。」


それからの帝羅は精力的に動き、新生覇神家は3年経てばもう

一通りの機能を備えた小さな財閥として復興を遂げた。


そして、帝羅は元覇神財閥グループ企業の研究者に依頼して

ある夢を叶えていた。


それは、彼女の遺伝子情報から精子を精製し、

それを琴音に流し込むと言うものだった。


この試みは成功し、琴音は帝羅の子を孕んでいた。


「帝羅様…もうすぐ産まれそうです。

 あぁ、この体をまさか本当に帝羅様に全て捧げる事が出来るなんて」


そして産まれた二人の愛の結晶は女の子だった。


「この子がこれから私が作った新生覇神家を継ぐのね。

 名前はどうしようかしら...そうね、零羅にしましょうか。」


それは、帝羅の母の零から取られた文字と帝羅の文字を組み合わせた、

連綿と続く女系家系の覇神家を象徴するものであった。


「琴音、あんたもあまりにマゾ過ぎるとこの子にイジめられるかもよ?

 まさか自分の娘に奴隷にされたりしないよう、しっかりしなさい。」


しかしそれから約20年の歳月が経った時、母子の力関係は既に

歪み切ったものになっていた。


成人を迎える少し前、19歳と言う帝羅がマゾ・カードを始めた年頃の

零羅が琴音に冷たい口調で言う。


「ほら、何をやっているのお母様?

 本当に何をやらせてもダメなんだから…。

 そんなにグズなクセによく帝羅様に娶られたわね。

 今夜辺り、調教室でイジめてあげようかしら?」


娘からの言葉に琴音は体をブルブルッと震わせて反応する。


「ハイ、零羅…ママをイジめて…くだ…さい。

 もうママ、下着は履いてないの。愛液が漏れちゃう。」


そう言うとはしたなくワンピースの股間部分から愛液を滴らせる零羅。


帝羅がその様子を見て更に追い打ちをかける。


「本当に琴音はいつまで経ってもやらしいわね。

 その床に落ちた愛液、舐め取りなさいよ。

 さぁそれじゃあ、マゾ・カードの復活に向けたイベントに

 運営側トップとして行って来るわ。本来ならお前も

 伴侶として連れて行くのが筋だけれど…こんな愛液ダラダラの

 犬の涎みたいなだらしないマゾを連れて行くのは恥ずかしいし迷惑だから

 お前はお留守番よ、わかったかしら?」


「ワンッ!」


琴音は40近い割に見た目は若い時のままであったが、

その性癖は更にこじらせてマゾが生活そのものになっていた。


そして帝羅はマゾ・カードを復活させていた。

彼女の願いは、もう誰も傷付けない、優しい世界だった。

マゾ・カードは人々の性癖の発露とコミュニケーション、

そして健康の増進や福祉の意味合いも持っていた。

子供達には模擬的にカードの形式で訓練用のものが配られて、

もはや今や国民的なカードゲームとして認知された。


覇神財閥は解体され、根無し草になったかに見えた帝羅であったが、

彼女は最愛の伴侶をマゾ・カードバトルの中で見つけた。

そして自らを偽る事無く生きた結果、彼女は取り戻したのだ。

覇神家としての誇りとマゾを統べるそのカリスマ、

こうして覇神帝羅は新たな覇神家当主として、新たな形で

国を統べる統治者となりその治世は永く国を幸せに保ったのだった。


~おわり~


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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