Bランクの魔物との戦い方
昼食を食べ終わると、魔物狩りに入ることにする。
食べ終わって片付けも終わると、ジューネスティーンは考えていた。
周りからは、少し難しい顔をしているのがわかる。
(複数の魔物と戦う事になると、接近戦ができるのが自分だけだなぁ。)
不安そうな顔になる。
(レィオーンパードとアリアリーシャのホバーボードによって、拡散させるのは必須だが、2人だけで惹きつけられる数となると、精々2・3体ってところだろうな。)
撹乱して自分が引き受ける魔物の数を減らさないと思わぬ攻撃を受ける可能性もある。
(徐々に数を減らせるのだろうか? 俺の攻撃が効かなかった時、手こずってしまった時に対応できるのか? アンジュリーンとカミュルイアンは、弓を主体にしてきたので、剣で戦わせるのは少し怖い気がする。 それともう1人、シュレイノリアは、武器の類は、殆ど使い物にならなかったから、魔法で遠距離攻撃か。)
シュレイノリアは、魔法を使えるだけなので、接近戦には不向きなのだ。
それをフォローする為、アンジュリーンとカミュルイアンを中衛にして、万が一の時は、シュレイノリアの護衛も兼ねているのだ。
だが、そうは言っても、アンジュリーンとカミュルイアンに接近戦で倒してもらう事が目的ではなく、時間稼ぎをさせて、その間に、ジューネスティーン、レィオーンパード、アリアリーシャの3人の誰かが向かう。
その時間を稼ぐ程度なのだ。
今までは、それ程強い攻撃力や防御力を持った魔物では無かったので、それでも良かったのだが、この周辺の魔物になったら、それでも大丈夫なのか考えてしまったのだ。
新たな戦略を考える必要がありそうだし、それに、今までの様なスタイルではなく、特にアンジュリーンとカミュルイアンには、剣で戦っても大丈夫なまでに、剣の実力を上げる必要が有ると考えているのだろう。
また、ホバーボードをユーリカリア達に見せて、午前中は、ホバーボードを珍しがられてしまったので、試乗させてしまったのだ。
それ以外にも興味をそそる様な物を、他にも持っているのだ。
(彼女らの前で、普通に使って、このパーティーの人達に見せてしまって良いのか? )
ジューネスティーンはそんな疑問を持つのだった。
ユーリカリア達は、信頼できるパーティーだが、初めて会ってから日も浅い事もあり、ホバーボード以外にも、色々、披露しても構わないのかと考えてしまうのだろう。
一緒に行動している限りは、パワードスーツを使う所を見られることにもなるだろうが、今の段階であれもこれも披露してしまったら、彼女達に圧倒的な力差を見せつけることになり、逆に引かれてしまい敬遠される可能性さえ出てくるのではないか。
むしろ、帝国でも上位にランクされているパーティーとなら、可能な限り友好的に接していた方が良いと、ジューネスティーンの方針にはあるのだ。
ジューネスティーンは、横に居るシュレイノリアの顔を見る。
(問題になるのは、横に居るシュレイノリアが、不用意に広範囲魔法を使ってしまって色々と突っ込まれても困るな。)
ジューネスティーンは、一応念を押しておいた方が良いかと思ったのだろう、シュレイノリアに耳打ちする。
「今日は、範囲攻撃魔法は使わず、単体への攻撃魔法だけにしておいてほしい。」
シュレイノリアは一瞬ムッとするが、直ぐに表情を戻す。
直ぐにジューネスティーンに何か考えが気になったのだろう。
シュレイノリアは、作戦については、特に意見を言ったりしないが、魔法について、色々言われるのは嫌うのだ。
「分かった。 今日は普通にしておく。」
ジューネスティーンは、普通にしておくが、気になった様だが、単体への攻撃魔法を使う事に了承してくれた。
「ありがとう。」
気になっていた様な顔をしていたジューネスティーンだが、ここは素直にお礼を言った。
シュレイノリアとの話が済むと、ユーリカリアに話掛ける。
「すみません。 ここの魔物は集団で寄ってくるって言ってましたよね。」
「ああ、だが、近付いてきたから襲うだけなので、組織化されているわけじゃない。 個々に襲ってきたのがたまたま自分に複数の魔物が襲ってきたって感じだ。 それぞれが獲物にありつきたいと襲ってくるって感じだから、時々お互いを邪魔してしまう事もある。」
話を聞いて、ジューネスティーンは、少しかんが少し考えるが、直ぐにお礼を言う。
「わかりました。 ありがとうございます。」
「それじゃあ、狩を始めようか。」
ユーリカリアがそう言うと、ジューネスティーンは、ユーリカリアに話をする。
「最初は、狩を見させてもらっても良いですか? こっちも少し戦い方について打ち合わせを行いたいので、最初は少し時間をください。」
「ああ、構わない。」
そう言うと、ユーリカリアはメンバーに声を掛けると、魔物の生息地の方にまとまって歩いていく。




