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ホバーボードに乗るウィルリーン


 うまくいかないウィルリーンに痺れを切らしたユーリカリアが、尻餅をついたウィルリーンに何か言ったかと思ったら、ホバーボードに乗って浮き上がらせた。


 倒れる事も無くその場で立っている。


 レィオーンパードが何かを言っていたと思ったら、ユーリカリアは体を少し前に倒すようにすると、ゆっくりと前に進んでいく。


「へーっ、ユーリカリアさんは、飲み込みが早いな。 1発で動かしたよ」


「あの人は、運動神経が良さそうだった。 体を使うのは得意だと思う」


 そう言っていると、スーっと前に進ませていく。


 レィオーンパードが、横を歩きながら付いていくと、何か言ったようだ。


 すると、ゆっくりと右に弧を描くように回ると180°回転して元の場所まで戻ってきた。


 降りると、ウィルリーンに何か言った様子だったが、聞き取ることは出来なかったがウィルリーンの反応から、何か嫌味でも言ったようだ。


 ウィルリーンがユーリカリアを押し除けるようにホバーボードに乗るが、浮き上がると直ぐに尻餅をついてしまう。


 それを何度か繰り返していると、ユーリカリアもアリアリーシャの方に混ざるように行く。


 レィオーンパードは少し困り気味なようだ。




 すると、大きな声でカミュルイアンを呼ぶ。


「呼ばれたんだけど」


 カミュルイアンは、ジューネスティーンにどうしたら良いのかと聞く。


「レオンに何か考えがあるんだろう。 ちょっと行って手伝ってあげて」


 カミュルイアンは、立ち上がってレィオーンパードの方に行くと、何か説明を受けている。




 すると、レィオーンパードとカミュルイアンが、ウィルリーンの手をそれぞれ持つと、ウィルリーンをホバーボードに乗せる。


 ウィルリーンがホバーボードを浮かせると、やはりバランスを崩しそうになるが、2人が両手を持ってバランスを保つように杖代わりになってくれたので、今度はバランスを崩すが尻餅をつくまでにいたらなかった。


 そのままの状態を維持しているが、膝は踊っている。


 浮いた状態のまま、安定するまで2人が補助している。


 暫くすると安定してきた。


 両脇の2人が前に一歩出ると、ウィルリーンは腰を曲げて上半身だけが2人に付いていって下半身がそのままその場所に残った感じになる。


 すると、ボードが後ろに流れてウィルリーンが前のめりになり前に倒れそうになると、カミュルイアンが体を支えていた。


 レィオーンパードが後ろに流れたホバーボードを取りに行く間、ウィルリーンがモジモジしながらカミュルイアンに何か言っているが、レィオーンパードが戻ってくると、また、ホバーボードに乗って同じ事を始める。


 何度か同じ事をするが、ウィルリーンの不器用さに2人はめげずに同じ事をしている。


 しかし、何度目かに何とかゆっくりと2人に支えられて前に進む事が出来た。


 2人は、ウィルリーンの手を取ってゆっくりと前に進ませる。


 ウィルリーンも2人に手を引かれての移動に慣れてきたようだ。


 だが、ウィルリーンは腰を曲げて足元を見ながら恐る恐る乗っている。


 初めて空中に浮いて移動しているのだ、怖さが先に立って乗っている。


 ゆっくりではあるが、2人に引かれて周りを動けるようになったウィルリーンだが、まだ、手を離されると怖いみたいだ。


 2人に引かれて同じ所をグルグルと何周か回ると、止まってレィオーンパードが何やら話をしているが、それを聞いてウィルリーンは首を振って否定をしているみたいだ。


 反対側からカミュルイアンが何かを言っていると、そのうち表情は不安そうだが、渋々カミュルイアンに向かって頷いているので、レィオーンパードの提案をウィルリーンが了承したように見える。




 すると、レィオーンパードがウィルリーン達から少し離れると、ウィルリーンは、体を正面に向ける。


 ウィルリーンは、ボードを見ながら浮き上がる。


 カミュルイアンが持つ手はそのままで、反対の手を上下に大きく振ったり腰を振って体全体でバランスを保とうと必死になっている。


 それにレィオーンパードがバランスの取り方について声をかけている。


 徐々にではあるが、体の振れが小さくなっていく。


 そして落ち着いた。




 それを見て、カミュルイアンが声を掛けて足を一歩出すと、ウィルリーンはバランスを崩してしまう。


 今度は、倒れそうになってカミュルイアンにしがみついてしまうと、バランスを崩したホバーボードが反対側に流れて、悲鳴をあげて完全に体重をカミュルイアンに掛けてしまうと、カミュルイアンも支えきれずに2人で倒れる。


「あっ、倒れた」


 横に居るアンジュリーンがそれを見て声を出す。


 だが、ジューネスティーンは、気になってアリアリーシャのグループを見ると、悲鳴に気付いてウィルリーンとカミュルイアンを見ているのだが、1人シェルリーンだけが、それを見て拳を握り締めて表情を硬らせていた。


 ライバル意識がある2人には、1人だけ美味しい思いをしてとでも、思っているのだろうと、遠くから見ても分かる表情である。


 倒れたウィルリーンは起き上がって、お詫びを入れている様子だったが、直ぐにカミュルイアンが立ち上がって何か言ってから、しゃがみ込んでいるウィルリーンに手を差し出して立ち上がらせる。


 飛んで行ったホバーボードを、レィオーンパードが持ってきてウィルリーンの足元に置くと、一言言ってから後ろに下がり、また、ウィルリーンにカミュルイアンは何か言ってからウィルリーンをボードの上に乗せる。


 もう一度浮かす所から始めると、やはり、フラフラするが先程よりは良くなったように思える。


 落ち着いたのを見ると、今度は、カミュルイアンが何か声を掛けたようだ。


 すると、乗った時の姿勢が良くなった。


 最初は、姿勢を保てるように出来るとバランスは取りやすいので、その姿勢ができてきたように思えると、また、カミュルイアンが声を掛けた。


 今度は、少し体を前に気持ち出すようにしたように思えると、カミュルイアンが歩き出すと同時にホバーボードも動き出した。


 先程はバランスを崩して倒れてしまったが、今度は、上手く前に進めるようになった。


 少しおぼつかない感じはあるが、1人の補助でも動けるようになったみたいだ。


 少しまっすぐ進むとゆっくりと円を描くように回り出す。


 ゆっくり、回っていくウィルリーンの顔が徐々にジューネスティーン達からも見えるようになると、表情も強張った表情の中から徐々に笑顔が見え始め出した。


 カミュルイアンもさっきまでしっかりとウィルリーンの手を握っていたが、今は手を添える程度にしている。


 ウィルリーンも緊張が溶けてきたのかカミュルイアンの手を握る力も緩まったのだろう。


 それに合わせるようにカミュルイアンは手の力を緩めて添えるようにした。


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