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世界の成り立ちと転移者


 シュレイノリアは、とんでもない仮説を言い出した。


 この世界の元からの住人は、魔物であって、人や亜人は、別世界の住人だったと言われて、驚いている。


 その話にユーリカリアもウィルリーンも驚き、自分達の生い立ちを思い出すのだった。


 ただ、ユーリカリアもウィルリーンの2人には父も母も居る。


 2人は、産まれた時からこの世界に居たのだ。


 その為、シュレイノリアの話が荒唐無稽の話に思えたのだ。


(有り得ない!)


 そんな顔をする2人は、シュレイノリアを見る。


「じゃあ、私達はどうなんだ。 生まれた時からこの世界に居る」


 ユーリカリアは有り得ないと思いつつ、自分のことを言うのだった。


「あなたや、あなたの父母が、転移者でなかったとしても、祖父母や、祖父母の祖父母のあたりとか、数十世代前とか数百世代前に遡れば、全て転移者にたどり着くと思う」


 自分の先祖が異世界から転移してきて、それが数世代たって今の自分が居るとシュレイノリアは言うのだ。


 ショッキングな話を聞いて愕然とするユーリカリアがつぶやくように言う。


「人もドワーフもエルフも人も亜人も、先祖は転移者だったって事なのか」


 そう言って、ユーリカリアは考え込むのだが、それを見てシュレイノリアは、たたみかけるように今の話の続きを話し始める。


「この世界には、書物が少なすぎるから、昔の事は、ごく一部の人にしか閲覧のチャンスは無いだろう。 歴史の古い国の書物でも読む事ができれば、解明はできるかもしれないが、この世界の羊皮紙は高すぎる。 そのため、書類に何かを残せるのは、ごく限られた人達だけだ。 そのような物は、城の保管庫に厳重に保管されているから、私には読む事ができない」


 ユーリカリアとウィルリーンは黙り込む。


 自分達の先祖も転移者だったと言われた事がショックのようだ。


 このジューネスティーン達と同じように転移してきて、何世代かの交配によって自分が生まれたとシュレイノリアは言うので、それを聞いてショックを受けている。




 ウィルリーンは、今のシュレイノリアの話を聞いて、アンジュリーンとカミュルイアンを見る。


 そして、物思いに耽る。


(私の父親は、あの村の村長なのは聞いている。 父親についてもどこかの村から婿に来たのだ。 恐らく、父方は何世代も遡っても、転移者にたどり着くには、かなりの世代を遡りそうだ。 だが自分の母親は、どこからあの村に来たのか? 自分が生まれ育った村に来る前の話は聞いた事が無い。 そんな事、考えた事も無かった)


 ウィルリーンは、母の出生について、話を聞く必要があるのかもしれないと考えていた。




 シュレイノリアは、そんな周りの反応を気にする事なく続ける。


「この世界と別の世界に何らかの繋がりが起きる。 それが転移として人や亜人が現れる。 恐らく、動物もそういった事で繋がって現れるのだろう。 それにこの世界に繋がるのは、別の一つの世界だけではない。 ドワーフ、エルフ、人、亜人、それぞれの世界が存在していて、そちらから繋がってこの世界に着くのだと思われる。 それは、人、エルフ、ドワーフ、亜人と、種族が異なる者達の混血が出来ないことから、人、ドワーフ、エルフは、別の世界の住人でそれぞれ別の世界から来たのだと考えられる」


 その話には、ユーリカリアもウィルリーンも納得できているように感じる。


 過去に異種族同士の婚姻関係の人は何組か見た事があったが、その異種族間のどの夫婦間から生まれた子供は無かった。


 それにこの世界ではそれが当たり前のように思われている。


 特に娼館においては同種族同士にならないようにして客を取らせ妊娠させないようにしているので、今の話には納得出来た。




 2人が話に納得しているのをみてシュレイノリアは更に続ける。


「更に言うなら、別世界の時間も出鱈目につながると思われる。 私の居た世界の時間とジューネスティーンの居た世界の時間も違う。 同じ世界でも1000年後の人が今日現れたとしても、明日には、1000年前の同じ世界の人が現れる可能性も有る」


 シュレイノリアが更に変な事を言い始める。


 未来からも過去から転移している。


 未来人と過去の人が同時にこの世界に居る。


 それは、歴史の偉人が今の時代に現れているとしてもおかしく無い話になる。


「それは、どう言うことなの?」


 ウィルリーンが反応する。


「ギルドの在り方を考え、今の国の形態を考えると、非常に不自然。 ギルドは、国土を持たない国と考えられる。 ギルドの創設者であるジュールクエーム・ヲジス・ジェネワルは、私やジュネス、それにメンバー達より、はるか数千年先の未来から来た可能性がある」


 シュレイノリアは、驚く事を言い始めた。


 ユーリカリアもウィルリーンも、その話に驚いたのだが、そこに居るジューネスティーンも、アンジュリーンとカミュルイアンも驚きを隠せないでいる。


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