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エンブレムのデザイン

 

 しばらくすると、レィオーンパードがデザインを持ってきた。


 そこには、正面から見た図と、側面から見た図と、斜め上から見た図が描かれていた。


「これ、兜の飾りデザイン。 キャップのツバの様に付けたいんだ。」


 持ってきたデザインを見ると、短めのツバを額に付けたような感じになっており、ツバの中央にV字にデザインされた物がそのツバに付いている感じだった。


「斜め上から見ると、鳥が羽を広げて飛んでいる様に見えるといいかなって思うんだ。 正面からだと、ツバが翼で、ツバの上に後ろ羽が大きく広がっているんだ。 だから、ツバの中央は、三角の尖った頭をツバに付けてあるんだ。 前からより、斜め上から見た時に鳥が羽を広げて飛んでいる様な感じ。 どお? 」


 カミュルイアンも横からそのデザインを見ているだけで、何も言わないでいる。


「へーっ、レオンにしては、結構、イイ感じに仕上げているわね。」


 横からレオンの持ってきた石板に描かれたデザインを見て、アンジュリーンが感心した様に言う。


 ジューネスティーンも、良いデザインだと思ったのだろうが、アンジュリーンに先を越されてしまった様だ。


 褒めるタイミングを失ってしまった。


 そんな感じの表情をしている。


 そんな事を感じていると、今度は、アリアリーシャも自分の意見を言い出した。


「ツバの頭の方は、円を描いていますけど、ツバの先は、直線を使っているのですねぇ。 言われてみるとぉ、大きな鳥がぁ、空で旋回している時の感じですぅ。」


 女子2人がレィオーンパードの描いた石板を見て感想を述べているのを、シュレイノリアもじっと見つめている。


 誰も反対する様な意見を言わないで、そのデザインを眺めているだけだった。


「なあ、レオン。 このデザインなんだけど、全部のパワードスーツに採用してもいいか? 何だか、パーティーのデザインって言うか・・・。 ほら、国旗とかみたいに自分達はメンバーなんだって感じで、共通の何かを持つみたいな感じにしたらどうかと思うんだけど。」


 ジューネスティーンは、そう言って、周りのメンバー達にも聴こえる様に言う。


「ああ、そうね。 これをパーティーのエンブレムに採用しようって事なのね。 一体感があって良いかもしれないわね。」


「ちょっと、付けてみてもぉ、いいかもしれません。」


 女子2人は、賛成してくれているみたいだ。


 シュレイノリアは、何も言わずに、まだ、見ているが、表情からは、嫌そうな感じは見受けられない。


 カミュルイアンも何も言わずに見ているだけで、さっきの様に鳥のデザインは自分用だと否定的な発言をした手前なのか黙っている。


 恐らく、そのデザインが気に入ったのだろうが、それを上手く言葉にできないでいる様だ。


 デザインした当人であるレィオーンパードは、何だか照れ臭そうにしている。


「じゃあ、反対意見も無いみたいだし、みんな同じ様に兜のツバに取り付ける事にするね。」


 誰も反対する様な意見が無かったので、そのまま採用する。




 適当に購入してきた素材の中から細長い板状の物を用意すると、レィオーンパードの兜の部分に沿って、兜のツバを作っていく。


 兜のRに沿って、隙間が無い様に錬成魔法で加工を施すと、兜に付く部分は厚くして、ツバの先の方にいくほど薄くなるようにする。


 ただ、ツバの部分が横に真っ直ぐだったのだが、少し見栄えが良くなる様にと、若干、中央から両サイドへV字になる様に形を整える。




 ツバの両サイドは、角ばっている。


 そこまでくると、前から見るとツバが一直線になっているのが気になり、中央からへの字になる様に若干曲げる。


 両サイドをもう少し工夫しようと、両サイドに約45°の曲げを付ける様に1cm程の板を取り付ける。


 兜の側面に合わせて、取り付けた細い板を伸ばすと、ツバの両サイドが長く伸びるようになる。


 それを見ていたレィオーンパードが、感想を述べる。


「何だか、両サイドが風を切って流れているみたいだね。 その両サイドは流れている様で、ちょっとかっこいい。」


 言われて、ジューネスティーンも、そんな感じだと思ったのだろう。


 納得する様な顔をすると、次の作業に入る。




 ツバの中央に、V字の飾りを取り付ける。


 V字のパーツも、買ってきた素材に、厚み1cm、幅3cmの棒状の金属を切って使った。


 V字の長さに切った後に、中央をV字になるように曲げる。


 曲げると、先端の方を細くし、中央を厚くする。


 ただ、先端の幅は、1cm程度にして、尖らせる様なことはしない。


 強度的な事を考えたのだろう。


 飾りと言っても折れてしまうのは良くないと考えたのだろう。


 少し、幅を残していた。


 先端部分の幅が狭まった分は、中央部分に持ってきて、ツバの部分に厚みと幅を持たせる。


 このままではツバと兜の上に乗せることができないので、V字に曲がっている中央部分をツバに乗せて左右は、兜の前になる様に折り曲げる。


 その時、V字の先端が、ツバより少し先に出るようにする。




 加工できたV字の飾りをツバの上に乗せるように置くと、錬成魔法で二つのパーツを取り付けると、後は、微調整に入る。


 微調整と言っても形の調整になる。


 飾りのツバの上に取り付けたV字のパーツは、ただの板だった物を両脇を薄くして、中央に材料を寄せて、断面にすると、中央が山になる様に形を変形させる。


 特にツバの上の飾りについては、丁寧にツバと上の飾りとの境目を綺麗な角度になる様に調整しながら変形させていく。


 兜に当たる部分の飾りの曲げた部分も中央の山の稜線も綺麗に揃える様に、曲がった部分も綺麗に加工する。


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