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本題の前


 ルイネレーヌの、まくのは程々にするという話を聞いてジューネスティーンも考える。


(ルイネレーヌは、何で、こんな事を言うのか? 以前にも同じ様な事を話してくれていた。 洋服の買い物の時とか、この前の西門の先でも狩も帝国の監視には見せている。 どうも、変な感じだ。 喋り方といい、着ている服といい、いつもと違うのは、俺たちの事以外に何かあったと考えた方がいいのかもしれない)


 ルイネレーヌの顔を見つつ、ジューネスティーンは、話に合わせる様に話だす。


「毎回、監視の目をかい潜るのでは無く、見せても良いところを見せておくって事ですか」


 監視する側に見せても良い情報は、ある程度渡す事で、それなりに報告できる様にさせる。


 渡しても問題無い情報を出す事で、監視者の仕事が順調で有ると思わせる。


 行動を監視する人間は、組織であれば、それを指示した人がいるので、監視者は必ずレポートとして提出する。


 その内容を見て判断を下す人が必ず居るはずなので、何らかの報告をあげられる様にさせる。


 つまり、情報の餌を与えるという事になる。


「今の方々でしたら、簡単ですが、あまり、いつも消えてしまう様でしたら、あちらもメンツに関わるので、その辺りを上手く使わないと、ご自分が苦しくなります。 それに湖での魔法ももう少しお控えした方がよろしいかと存じます」


 シュレイノリアが、ムッとするが、ジューネスティーンは、少し焦った様だ。


 自分達の行動が筒抜けなのを、気にしているのだろう。


 そんな2人を気にせずに、ルイネレーヌは更に続ける。


「かなり、遠くでも音が聞こえてました。 農家の方々が気になさっていましたよ。 変な噂が流れても困りますから」


 そう言われると、シュレイノリアは黙ってしまった。


「要するに、目立ち過ぎるな、どうでも良い情報をうまく流させろ。 そういう事ですか」


 ルイネレーヌは、ジューネスティーンの飲み込みの早さに満足する。


 納得の笑顔をジューネスティーンに向けると、


「そういう事です。 あなた方が目立ち過ぎると、それなりに困る方もおられますし、思わぬところで迷惑をかける事もございますから、お控えください」


「そうなると、準備に時間が掛かる様になるかな」


 ジューネスティーンは、怪訝そうにぼやくと、ルイネレーヌは、ジューネスティーンの表情を見極めるような素振りを見せる。


 ルイネレーヌとしても、ジューネスティーンが何を考えているのかを伺いつつ話をしている様な雰囲気が僅かに漏れる。


「全てに全力では、途中で息切れしてしまいます。 今の状況は、全て揃っているわけでも有りませんから、のんびりやり過ごした方が良いと思いますわ。 本格的に活動するのは、全部が揃ってからになさった方が得策です」


 要するにパワードスーツが全部揃ってから本格的に動く様にという事だ。


 その都度、監視の目を掻い潜って出歩くのではなく、ある程度、間を置いてから行う様にする。


 そうする事で、監視役が今の担当でも問題無いと思わせることで、自分達の監視を増やさない様にする。


 何らかのどうでも良い情報を与える為の行動も必要だと思う。


「そういう事なら、装備が揃うまでは、自分達のランクに合った依頼をこなす事にするか」


「今のところ、東の森の魔物は、あなた方が倒した街道沿いの魔物以後は、現われておりませんので、その方がよろしいと思います」


 それを聞いて、ジューネスティーンは何か思い当たった様な雰囲気を見せる。


(そうだった、ギルド帝国支部のギルドマスターのユーリルイスから、東の森の魔物の討伐の話が有ったら、俺達に依頼を回すって言ってたんだ。 ギルドから、東の森の魔物討伐の依頼が出るまでは、このまま適当に過ごしている方が良いのか。 そうなのか)


 ジューネスティーンは、納得した様な顔で答える。


「あぁ、そうする事にする」


 その答えにルイネレーヌは、笑顔で返した。


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