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魔法の防御壁 メンバー達の対応

 

 一方、シュレイノリアがジューネスティーンに、交渉をしている際に4人は、顔を青くしていたのだ。


 過去の事を思うと、シュレイノリアの話を鵜呑みにして被害を被って着た事が頭を過ったのだろう。


 4人は、ジューネスティーン達の話が聞こえる範囲で、徐々に後ろに下がっていた。




 特に、レィオーンパードの顔は、蒼白に近かった。


 それは、ホバーボードの魔法紋の開発時にテストパイロットをさせられた時の事があるのだろう。


 その時のイメージが消せずにいるらしく、かなり、慌てている様にも見える。




 他の3人も付き合わされた事が有るのだろうし、付き合わされなかった時でも、メンバーから話も聞いている。


 話を聞いて、その時、自分が一緒じゃなくて良かったと、胸を撫で下ろした事も有るのだ。


 自分の経験もだが、自分以外が、シュレイノリアの魔法の実験に付き合わされて、悲惨な事になった話は、多々有るのだ。




 そんな事もあるので、シュレイノリアの魔法を4人は、全員が止めてくれと、ジューネスティーンに思っているのだろう。


 誰もが、ジューネスティーンを見ている時間が長い。




 ただ、シュレイノリアの魔法の実験を止める事ができそうなジューネスティーンも、徐々にシュレイノリアの話に押されて、実験をする事となりそうだと感じた4人は、魔法の影響を考えているのだろう。


 どうやって、自分の身を守るかを考えている様だが、最後の最後まで、シュレイノリアの実験をさせない方法がないか、誰か代案はないかと、それぞれの顔を覗き見る様にしている。




 時々、お互いの顔を見ては、目で何かを訴えている様なのだが、お互いに口に出して言おうとはしない。


(誰でもいいから、シュレの魔法を止めて! ジュネスの援護をして!)


 お互いにそう思っていることは理解できるのだろうが、自分からは言えずに、残りの3人の誰かに言わせようとしているのだろう。


 だが、誰も自らの口を開こうとしない。




 だが、話は、4人の思惑とは別の方向に進んでしまった。




 ジューネスティーンが、シュレイノリアの話を了承すると、4人の動きは早かった。


 特に、アンジュリーンの対応には、すざましいものが有った。


「レオン! カミューと2人で馬車を移動させて! ここは、第一の防波堤にするわよ。 湖と反対側まで、馬車を移動させて、魔法紋で軽くなっているはずだから、生身でも移動は出来るはずだからね。 アリーシャと私は、地竜を馬車の後ろに移動させるわよ」


 二組に分かれて、作業が始まる。


 アリアリーシャとアンジュリーンが、馬車から地竜を外すと、カミュルイアンとレィオーンパードが、作った高台の様な場所から馬車を湖と反対側に移動させる。


 馬車を勢いよく押したので、高台から10mほど先まで移動させてしまった。




 だが、アンジュリーンは、そこまで馬車を下げたことに満足している様だ。


「レオンは、パワードスーツから降りて、カミューは、馬車のブレーキをしっかり掛けるの。 終わったら、レオンと2人で車輪の周りに土を盛り上げて、地面に車輪を固定するのよ」


 レィオーンパードは、アンジュリーンの指示に従って、パワードスーツから出ると、すぐに馬車の固定を始める。


 カミュルイアンも指示通り、ブレーキをしっかりかけてから、レィオーンパードに合流して車輪の固定に入る。


「アリーシャ姉さん、万が一の事が有るから、熱気が地竜に当たらない様に馬車に隠れる様にさせてね。 もし、大きな音で驚いて逃げ出さないように、地面に杭を打って、手綱を固定しておいて」


 アリアリーシャにパワードスーツから出さなかったのは、そのためだった様だ。


 指示に従って、3人が作業を行なっている。


 男2人の作業が完了しつつあったので、アンジュリーンは、次の指示を出す。


「レオンとカミューは、錬成で、周りに塀を作るわよ。 湖に向かって、楔形になる様にするのよ。 私も一緒に作るわ。 高さ1.5m、幅1m程度を目標にするわよ。 場所は、ここから、馬車の後ろ3mの所までお願い」


 レオンとカミューは、言われた通り、錬成魔法を使って、楔形の塀を作っていく。


 すると、アンジュリーンは、その塀の外に行くと、塀の手前に土を錬成魔法で集めて、塀の上面から、斜めに土を盛り始めた。


 堤防を作っているのだ。




 シュレイノリアの魔法から想定されるのは、高温の熱風に襲われる事も考えられるが、今回は湖の中での実験なので、熱風に対する対策は、可能性としては低いと考えられるが、湖の中での実験でどれだけの水が、流れ出すのか、分かったものではない。


 一番警戒すべきは、湖の水に流されない様にする対応が重要になる。


 そう考えてアンジュリーンは、指示を出したのだろう。




 だが、湖の水の勢いがどれだけになるのか、目の前の湖の水の量はどれだけの量が有るのか、そんな事を悠長に計算している時間は無いのだ。


 いつ、4人の対応が遅くて、シュレイノリアが痺れを切らせて、4人の事を放置して魔法を放つ可能性だってある。


 そんな思いがアンジュリーンにも、他の3人にもあるのだろう。




 楔形の塀の片側、レィオーンパードの方が、先に目標に達成した様だ。


 するとアンジュリーンは、直ぐに指示を出す。


「レオン! こっちに来て、今作った塀の手前に盛土をするわよ。 こうやって、地面から塀の上面までに土を斜めに盛っていくのよ。 私が作った先を同じように作っていって! あなたの作った方をお願いね。 私は、カミューの方をやるから、お願いね」


 大掛かりな堤防の様な塀を作っている。


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