ルイネレーヌの対応
ルイネレーヌのパーティーメンバーの、ショクムンは、ジューネスティーン達を狙う奴隷商の実行部隊の殲滅作戦に入った。
また、今回の作戦の実行部隊を任されている。
ショクムンとすれば、この様な汚れ仕事は、お手の物で、以前、ルイネレーヌの暗殺に失敗したが、その技量は高いと判断されて、名前と顔を変えて、ルイネレーヌの仕事と夜の相手として仕えている。
報告の内容から、今回、実行部隊が動く可能性があるのは、ファールイの部隊だと見当はついているのだ。
そうなれば、作戦の方向性も見えてくる。
ショクムンは、残りの3人に指示を出す。
「俺とフォルツエがフゥォンカイの監視を、ウィリオーミとジルバサルはファールイの監視をしてもらう。 ただ、前情報から、フゥォンカイは動かない可能性が高い。 状況を確認の後、動きが無いと判断したなら、後は、工作員に任せてこちらに合流して欲しい」
全員に役目を指示して、監視役を見張らせる。
金糸雀亭の外に出ると動きが有ったのはファールイの監視の方だった。
フゥォンカイは静観している。
ファールイの建物の方からファールイの手のものが2人建物から出た。
1人はアンジュリーン達とは反対方向に走ったので、ファールイへの伝令、もう1人はアンジュリーン達を尾行している。
それをショクムンと一緒に居るフォルツエに、走り去っていった伝令役の後を追わせる。
もう1人がアンジュリーン達を追ったので、ショクムンはその後をつける。
ファールイとフゥォンカイの間の取り決めを考えれば、今回、フゥォンカイは静観するはずである。
だが、確実に静観するかどうかは分からない。
万一、動きがあった場合は対処しなければならないが、その可能性は、ファールイとの取引の内容から、低いと判断できる。
だが、絶対ではない。
ファールイへの対応をしている最中に足元を掬われても困るので、確実に情報を集める。
アンジュリーン達がギルドに入った後に、4頭立ての高速馬車がギルドの門をくぐるのを確認すると、フォルツエが戻ってきた。
「ファールイの実行部隊が動きました。 あの馬車に乗ってます」
今入って来た高速馬車を指して報告してくれた。
「分かった。 状況を、ひめ様に報告。 後、フゥォンカイの方の2人を確認して欲しい。 フゥォンカイに動きがなければ、こちらに合流する様に伝えてくれ。 合流先は、向かいの建物の裏で落ち合おう」
指示を出すと、フォルツエは頷いて、直ぐに動き出す。
ショクムンは、それを見送ると、俺達の仕事の始まりだと思ったのだろう、顔に凄みが増した。
気合を入れたのがみて取れる。




