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カインクムの試作品とフォルボグ

 

 カインクムは店に戻ると、店の鍵を開けて、ユーリカリアが来るのを待つ事にした。


 ただ、ユーリカリアから、ギルドで根掘り葉掘り聞かれた事が気になっていた。


(ジュネス達の事は、黙っておかないとな)


 また、同じように聞かれたら、どうしようか、考えてしまうのだった。




 また、カインクムとしたら、ユーリカリア達との接触はありがたい。


 カインクムにしたら、自分が知っているAランクパーティーは、フォルボグのパーティーとユーリカリアのパーティーだけなのだ。


 これから、作ろうと考えているジューネスティーンの剣について、試作品の評価を行ってもらうためになら、どちらのパーティーに頼むか考えると、やはり、ユーリカリアのメンバーの誰かに、お願いした方が良いと考えてしまうのだ。


(フォルボグのメンバーは優秀ではあるが、問題も多く抱えている。 金にもうるさいから、何を言ってくるか、分かったものではないのか)


 カインクムは、これから試作してみようと思っている、ジューネスティーンの剣の模倣品の評価をする相手を探していた。


 ギルドに出向いた時間も考えれば、冒険者の顔を見て、Bランク以下であっても、剣の腕が確かな者で、自分の店で買ってくれている冒険者の顔を見かけるかもしれないと思ったのだが、帰る時に見かけた冒険者には、目ぼしい冒険者はいなかったのだ。


(新しい剣の使い勝手については、やっぱり、ユーリカリアのところの、誰かにお願いするしかないか)


 カインクムは、ユーリカリアには、ジューネスティーンの事について、聞かれる可能性が有るのだが、そのリスクを考えても、自分が作る予定の、ジューネスティーンの剣の模倣品の、使い勝手を確認してもらうには、彼女達の誰かにお願いした方が良いと思ったようだ。




 帝国のギルド支部は歴史が浅く、ギルド支部に居る冒険者は全員、他国から流れて来た人達になる。


 大ツ・バール帝国が、ギルドに求める目的は、東の森の魔物を討伐できるパーティーの発掘にあるのだが、なかなか、思うように倒せるパーティーは、現れてこない。


 依頼を出したとしても、多大な被害を出して、しばらく冒険者稼業を休業したり、場合によってはパーティーとして機能できない程の被害を被って解散したパーティーもある。


 その中で、ユーリカリアと、フォルボグのパーティーは上位に位置するパーティーとなる。




 フォルボグのパーティーは、親子3人以外は亜人奴隷という異色のパーティーで、最悪の場合はメンバーの奴隷達を魔物の餌にして、その間に逃げるという残忍な事も惜しまないパーティーである。


 また、奴隷のメンバーは全てが女性の亜人であり、フォルボグがメンバーの女性と浮気をされた事がきっかけで、どうせ浮気するなら自分のわかる範囲でと、フォルボグの夫人が、女性の亜人奴隷をパーティーに入れて、夫に当てがったと言われている。


 その為、自分達親子以外のメンバーは使い捨てにしている事で有名になった。


 しかし、フォルボグ達の実力は、本物で、魔法職こそ居ないが、フォルボグと、その夫人の剣技は、他のパーティーを凌駕するので、万一の時に、亜人奴隷を犠牲にして、狩場から逃げる事を、面と向かって話をすることは、誰も指摘することはない。


 そして、今ではアウトローパーティーとして有名になり、このパーティーと組んで依頼をする冒険者やパーティーは無い。


 最近は、子供が成人して、親子3人と奴隷のパーティーになった。


 メンバーの亜人奴隷の、一人は子供用の性奴隷も兼ねていると言われているが、それを聞く冒険者も帝国臣民も居ない。




 カインクムは、フォルボグに剣の使い勝手の確認を行う事を、頼もうかと思った。


 フォルボグ夫婦の剣技は、一級品なのは、よく知っている。


 そんな2人に評価をお願いできれば、自分が作っても、何振りか作れば、完全コピーもできるだろうと、カインクムは考えたのだ。


 しかし、この2人に任せてしまった場合、そのアウトロー的な部分から、どんな要求をされるか分かったものではない。


 そう思うと、フォルボグ達に、話をする事は無いと思ったようだ。


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