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シェルリーンとフェイルカミラの様子


 シェルリーンが、興奮気味に話しかけてきたのだが、興奮して顔が間近になっていた。


 その様子を、シュレイノリアが、面白くなさそうにして睨んでいた事もあり、ウィルリーンが、慌ててシェルリーンの頭を掴んだ。


「痛い、痛い、痛い。」


 シェルリーンは、頭を掴んでいるシェルリーンの手に両手を添えるようにしつつ、後ろに引っ張られた。


「お前という奴は、なんで、そうまで考えていないんだ! 」


 ウィルリーンは、ムッとした様子で、シェルリーンに言うのだが、シェルリーンは、不満気にしていた。


「酷いです。 ウィルねぇ。」


 ウィルリーンは、シェルリーンがジューネスティーンから離れると、手を話したので、シェルリーンは、振り返ってウィルリーンに訴えた。


 だが、ウィルリーンは、鋭い視線をシェルリーンに向けていた。


「お前、周りの様子も何も考えずにぃ・・・。」


 その視線にシェルリーンは、恐怖を覚えたようだ。


 何も言わずに、その視線に晒されていた。


「お前は、今、ジュネスにキスをする程、近づいていたんだぞ。 エルフが、夫を得たら、不用意に、他の男性に近付いてはダメだ! 」


 そう言われて、シェルリーンは、ウィルリーンからジューネスティーンに視線を向けてから、その後ろにいたシュレイノリアの表情を確認した。


 シュレイノリアもシェルリーンを、ジト目で見ていたので、様子を察したみたいだ。


「すみませんでした。 つい、さっきの話の通りだったと思ったら、興奮してしまって・・・。 なんだか、思惑通りに事が進むって、とても面白かったので・・・。 本当に、申し訳ありませんでした。」


 後の方は、顔を赤くして話していた。


 シェルリーンは、興奮してジューネスティーンに話をしたのだが、シェルリーンに言われて、自分の行為が行き過ぎだと理解したようだ。


 そして、ジューネスティーンに詫びを入れたのだ。


「ふん、まあ、いい。 頭の中で考えていた事が、そのままハマるのは、面白い。 それが、人であると、さらに面白い。」


 シュレイノリアは、何もかも分かったような様子で、シェルリーンに言った。


 そんな様子を、事情の分からない、ユーリカリアと、残りの3人が不思議そうに見ていた。


「おい、あの監視者とルーミラの不在に、どんな関係があるんだ? 」


 そんな4人を代表するように、ユーリカリアが質問した。


「それじゃあ、丁度良いので、ルイーゼさん達が来る前に説明しておきます。」


 ジューネスティーンは、そう言うと、ユーリカリア達、金の帽子亭を使っている4人に、アメルーミラが、突然消えた事について説明を行った。


 説明が終わると、ユーリカリアと残りのメンバー達も状況を把握して、納得はしているみたいだが、あまり、気に食わないような表情をしていた。


 ユーリカリアも残りの4人も考えていることは同じようだった。


「なあ、ジュネス。 要するにお前は、メンバーの中に帝国軍のスパイを入れていたって事だな。」


 最初に声を発したのはユーリカリアだった。


「最初から、分かっていたなら、メンバーにするのは、あまり、いただけないと思いますよ。」


 ユーリカリアの話にフィルルカーシャも同意するように答えたが、ヴィラレットとしたら、ツノネズミリス討伐の移動中なり、食事の用意をするときなり、親しく付き合っていた。


 そんなアメルーミラが、実は、帝国軍のスパイだったと聞いて、ショックを受けているようだった。


 そして、ユーリカリア達の中では、常に沈着冷静で通っているフェイルカミラが、表に感情を出すような事もなく、口を開いた。


「そうですね。 それは、メンバーの中に裏切り者を、知ってて入れていたと言っても過言ではないですね。」


 フェイルカミラの言葉は、いつもの感情が表に出ない喋り方だった事もあり、周りには辛辣に聞こえたようだ。


「冒険者は、魔物と命のやり取りを行なっているのだから、信じられない仲間が入るというのは、初心者パーティーが、格上の魔物と戦うより危険な行為だ。」


 フェイルカミラは、冒険者パーティーとしての正論を言ったのだ。


 メンバーの中に自分達と方向性の違う人物が1人居るとなると、その動きによってイレギュラーが発生してしまい、連携が取れなくなったりする。


 それは、他のメンバーの怪我や、最悪の場合は、死につながる可能性があるのだ。


「そのような状況で、同じパーティーにアメルーミラを入れておいたのはいただけない。」


 フェイルカミラの言いたい事は、誰もが理解できているのだ。


「すみませんでした。 フェイルカミラさん。」


 ジューネスティーンは、素直に謝まり頭を下げた。


「これは、自分達のパーティーだけの問題だったのですが、ツノネズミリスの討伐には、彼女は不要でした。 本来なら、合同のパーティーの際には、彼女は外して考えなければならなかったのに、一緒に連れて行ってしまい、申し訳ありませんでした。」


 そのジューネスティーンの真摯な態度にフェイルカミラは、恐縮したようだ。


「あ、いや、そのー、結果として、何も無く、終わったのだから、君達は、そんなアメルーミラの裏の情報も含めて使っていたのだから、その結果として、私達に不具合も無かった。 ・・・。 唯一、問題になりそうだったゲートでの盗賊団の逮捕の際にもフォローしてくれていたのは、私達への配慮だと思っている。」


 フェイルカミラは、慌てて、自分の話のフォローをした。


「すまない、ジュネス。 カミラは、公平であろうとするあまり、一般論に照らして自分達に非がないか言ってくるんだ。 そういう話ができるのは、ジュネス達に心を許している証拠だと思ってくれるとありがたい。」


 そして、ユーリカリアが、フェルカミラをフォローしたので、一瞬、緊張が走ったようだが、すぐに落ち着いた。


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