表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1352/1356

ユーリカリア達と監視者の状況


 ウィルリーンは、考えていた。


 ジューネスティーンの説明が、本当に正しいのか、気になっていたようだ。


「ねえ、昨日のうちに、ルーミラが、黙って、逃げ出したんじゃないの? それを、向かいにいる帝国の監視者が知らなかったらどうなのかしら? 」


 それを聞いて、ジューネスティーンは、少し考えたようだが、直ぐに答えが出たようだ。


「ああ、その可能性も有るけど、それは、今日、ギルドに向かう時に確認が取れるはずです。」


 ウィルリーンも言われて、その通りだと思ったようだ。


 納得したような表情をした。


「そうね、その通りね。 ギルドに行くまでに、それは結論が出るわね。」


 アメルーミラの失踪について、向かいにいる帝国軍の監視者が、絡んでいたなら、いつも通りにギルドに向かうとなったら、アメルーミラの不在について、その様子を確認できれば状況は把握できる。


 もし、監視者が焦ったような様子をしたなら、アメルーミラの不在を知らないので、なんらかのアクションを起こすことになるが、アメルーミラが居なくても、今までと同じようにするなら、それは、アメルーミラの不在を知っていることになる。


 それは、その監視者がアメルーミラを逃す事に、何らかの形で関与しており、今日は、居ない事を知っているからとなる。


 ジューネスティーン達が金糸雀亭を出た時、その事は、確定するのだ。


「そうね。 だったら、早めにギルドに向かいましょう。 ユーリカリア達が来たら、直ぐに出れるようにしておきましょう。」


 ウィルリーンは、この話を早めに確定したいようだった。


 そして、朝食を急いで終わらせるようにしていたので、ジューネスティーンも、それに倣ったようだ。




 ジューネスティーン達は、朝食が終わって、一旦、部屋に戻って、着替えると、1階のロビーに移動して、ロビーのソファーに座っていた。


 ユーリカリア達が迎えに来るのを待っていた。


 ジューネスティーン達のパーティーと、ウィルリーンとシェルリーンが、金糸雀亭を使っているので、待ち合わせには、金糸雀亭のロビーを使っていた。


 いつもは、ユーリカリア達の方が早いのだが、今日は、ジューネスティーン達が、先にロビーに集まっていた。


 そして、いつもの9人ではなく、8人になって、ロビーに座っていたのだが、そんな中ウィルリーンとシェルリーンの表情は少し暗かった。


 2人は、アメルーミラの不在の内容について気になっているようだった。


 すると、玄関からユーリカリア達4人が入ってきた。


 直ぐにロビーのソファーに座っているジューネスティーン達に気がついた。


「おはよう。 今日は早いな。」


 ユーリカリアが、挨拶をしてきた。


「おはようございます。」


 ユーリカリアは、そこにアメルーミラが居ない事に気がついたようだ。


「おい、ルーミラは、どうしたんだ? 寝坊か? 」


 ユーリカリアは、何気に聞くと、ウィルリーンが、深刻そうな表情で立ち上がった。


「ちょっと、訳ありです。 後で説明しますから、今は、このまま、ギルドに向かいましょう。」


 ユーリカリアは、ウィルリーンの表情を見つつ、何事かと思ったようだが、ジューネスティーン達は、大して気にする様子もなく、苦笑いをしていたので、余計に気になったようだ。


「うーん、まぁ、・・・。 じゃあ、後で、聞くわ。」


 ユーリカリアが、微妙な表情で答えた。


 そして、一緒に来たフェイルカミラもフィルルカーシャもヴィラレットも、ユーリカリア同様、内容が理解できない様子で、ボーッとしていた。


「そうですね。 全員集まったのですから、ギルドへツノネズミリスのコアを届けに行きましょう。」


 ジューネスティーンは、このまま、ここに居ても仕方がないと思ったのか、直ぐに移動することを提案した。


 事情を知っているシェルリーンとウィルリーンが、ユーリカリア達を連れて、直ぐに移動しようと動き出した。


「さあ、リーダー、行きましょう。」


「あ、ああ。」


 そう言って、ユーリカリア達は、動き出したので、それに釣られるようにして全員が動き出した。




 金糸雀亭の玄関を出て、ギルドに向かい歩き出すと、金の帽子亭のラウンジに座っていた監視者も尾行するように動き出した。


 その様子を先に出たウィルリーンが、後ろを歩いているジューネスティーンに何かを話しかけるように、後ろを向きつつ、尾行している監視者の様子を確認していた。


 そして、その様子から、アメルーミラの不在について、監視者が気にする気配が無いことを確認したようだ。


 その様子を確認したウィルリーンは、それ以降、後ろを向くことなく、ギルドの中に入っていった。


 全員がギルドに入ると、いつものように会議室の中に入っていくと、監視者は、ギルドの中に入る様子もなく外でジューネスティーン達が出てくるのを待つようだった。


 ジューネスティーン達は、いつもの部屋に入ると、直ぐに、シェルリーンが、ジューネスティーンに話しかけてきた。


「言っていた通り、あの監視者が、アメルーミラの逃亡に関与したみたいですね。」


 ジューネスティーンは予想通りだと思っていたのだが、シェルリーンは、興奮気味に声を掛けた。


 その様子をユーリカリアと残りの3人は、何があったのか不思議そうに見ていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ