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ウィルリーンとシェルリーンとジューネスティーン達


 ジューネスティーン達は、朝食を取るため、食堂に移動した。


 途中、1階の受付カウンターには、ルイセルの双子の妹のアイセルがいたので、ジューネスティーンは、軽く会釈した。


「先ほどは、どうも。」


 一言声をかけるのだが、アイセルは、一瞬、キョトンとした表情をしたが、直ぐに、納得した様子で、声をかけたジューネスティーンを見た。


「ああ、私は、妹のアイセルです。 先程は、姉のルイセルが、お話しするために、そちらに伺ったのですよ。」


 その答えに、ジューネスティーン達は、納得した表情を見せた。


(もう、ルイセルさんんと、アイセルさんったら、せめて、着るものを変えてくれればいいのに。 まあ、私とカミューは、同じ双子でも、男と女だから、直ぐに分かるだろうけど、ルイセルさんとアイセルさんて、どちらも女の人なんだから、少し位、気を遣ってもらえると助かるのに。)


 アンジュリーンは、何か、思ような表情をしたが、他が、何も言わずに食堂に行くので、そのまま、後に続いた。


 食堂には、ウィルリーンとシェルリーンが、席についていた。


 食事は、まだ、届いておらず、お茶が置かれていただけだった。


 2人は、ジューネスティーン達を待ってというより、カミュルイアンを待っていたのだ。


 2人は、ジューネスティーン達を見ると、早速、席を立て迎えに来るのだが、カミュルイアンの両脇を抱えるように並んだ。


 シェルリーンは、カミュルイアン以外は、見えてない様子で、カミュルイアンの左腕を抱き締めるようにしているのだが、ウィルリーンは、カミュルイアンの右腕に腕を回すと、周りを確認した。


「ねえ、ジュネス。 1人足りないけど、どうかしたの? 」


 ウィルリーンは、アメルーミラの不在について確認した。


「ええ、ちょっと、事情がありまして、・・・。 まあ、立ち話もなんですから、座って、食事をしながら話しませんか。」


 ジューネスティーン達は、2人と合流すると、食事のために席についた。


 シェルリーンとウィルリーンが、座っていた席に、ジューネスティーンとシュレイノリア、そして、カミュルイアンが座った。


 残りの3人は、隣のテーブルに席を取った。


 カミュルイアンは、席の中央に座らされ、その、両隣にウィルリーンとシェルリーンが座るので、ジューネスティーンは、カミュルイアンの向かいに座ると、シュレイノリアは、シェルリーンの対面に座った。


「ルーミラは、昨晩から、居なくなりました。」


 それを聞いて、2人のエルフの女性は、何事かという表情をした。


「それで、どうも、もう、帝都から居なくなってしまったみたいなんですよ。」


 2人は、それを聞いて、今度は、何で、そんなことが分かるのかと思ったのか、不思議そうな表情をした。


「ああ、さっき、ここのルイセルさんに話を聞いたときに、シュレが、周囲を検索してくれたのですが、シュレの検索範囲外に、もう、移動したみたいなんです。」


 すると、ウィルリーンの表情が強張った。


「あのー、それは、殺されて隠されてしまったから、見つからなかったのではないですか? 」


 ウィルリーンは、可能性について、質問してきたのだが、それについても、シュレイノリアが、確認を取っているので、ジューネスティーンは、落ち着いた様子でいる。


「それは無い。 死んだとしても、魔素は漏れている。 ルーミラの持っていた魔素が漂っていれば、私は見つける事ができる。 それは、バラバラになた遺体だとしても、腐敗が酷くならない限り可能だ。」


 シュレイノリアが、答えたので、ウィルリーンは、そんなものなのかと思ったようだ。


「それなら、生きている可能性があるというのは? 」


 シェルリーンが、心配そうに聞いてきた。


「周辺に気配が無いとなれば、10km以上移動していることになる。 夜のうちに移動となるなら、死んだ状態では、難しい。 それに、死人を深夜に帝都から出すなら、門を抜ける必要がある。 門番が、死人を簡単に外に出すとは、考えにくい。」


 その話を聞いて、ウィルリーンは、難しい顔をしていたが、シェルリーンは、落ち着かない様子だった。


「だったら、門の外に出てから殺されて、そのまま、どこか遠くに運ばれている可能性もあるのでは、・・・、ないですか? 」


 シェルリーンは、話している最中に、自分の思い付いた内容が、酷い話だと思ったようだ。


 最後の方は、声が小さくなっていた。


「夜の移動は、魔物に襲われる可能性が、高くなる。 可能性が有るとしたら、門の外に出てから、アメルーミラを殺して、担いで逃げる事になる。 何せ、馬車に乗っていても、そこに繋いでいる馬でも地竜でも、夜なら襲われてしまうから、誰も、夜に馬車でも移動はしない。」


 それは、一般的な人々は、そのようにする。


 ただ、帝国には、魔物避けの魔道具が有るので、それを使うことによって、夜でも、弱い魔物であれば、遭遇することもなく、移動は可能であるが、そのようなことを、ジューネスティーン達もウィルリーン達も知る事は無い。


 アメルーミラは、ヲンムン軍曹によって、魔物避けの魔道具を使い、西街道を使って、逃走しているのだ。


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