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朝の行動を確認するヲンムン


 ヲンムン軍曹は、ジューネスティーン達の朝の行動を確認する。


 昨晩、アメルーミラから、話を聞いていたので、ジューネスティーン達の行動は、まず、ギルドにツノネズミリスのコアを届け、そして、帝都の南で、ユーリカリア達の魔法訓練を行う事になっていた。


 いつものように、金の帽子亭のラウンジで、アメルーミラの報告が正しいか、確認を行うのだ。


 ジューネスティーン達は、ユーリカリア達と合流するのだが、朝、ユーリカリア達は、4人で金の帽子亭を出ると、金糸雀亭に入っていったのだが、ジューネスティーン達と金糸雀亭を出るときは、ユーリカリア達のメンバーも6人になっていた。


 ヲンムン軍曹は、ユーリカリア達が、金糸雀亭に入った時の人数と、出たときの人数の違いに、一瞬、戸惑ったようだが、カミュルイアンの両脇にいる、ウィルリーンとシェルリーンを見て、なんとなく、理解できたようだ。


(そういえば、エルフの男子は、貴重だったはずだな。 エルフは、一夫多妻でなければ、絶滅すると言われるほど、男子出生率が低いというから、早速、ユーリカリア達のメンバーは、カミュルイアンに、唾をつけたのか。 ・・・。 羨ましい。)


 ウィルリーンとシェルリーンは、常にカミュルイアンの左右に並んで歩いていた。


 そして、2人は金糸雀亭から出てきたということは、2人だけが、金糸雀亭に宿を移したとわかる。


 その理由を考えれば、何でなのか、ヲンムン軍曹は、理解できたようだ。


 ウィルリーンとシェルリーンとしたら、貴重な男性エルフとの出会いなのだ。


 通常なら、男性エルフは、村の中で、村人以外のエルフと出会えないようにされているので、村を出たエルフの女性は、お願いしなければ、他の村の男性エルフと出会えるなんてことはない。


 カミュルイアンのような、冒険者の男性エルフは、貴重な存在なのだ。


 そう考えれば、ウィルリーンとシェルリーンは、見つけた男子エルフであるカミュルイアンを、モノにしない訳がない。


 ヲンムン軍曹は、3人の事を見送りながら、エルフの事情を思い浮かべていたのだ。


(くそー、あんな美人のエルフと、毎晩楽しんでいるのか。 しかも、あんなに若いのに、・・・。 そう言えば、あの2人、時々、金糸雀亭に入って行ったけど、それが目的だったのか! )


 ヲンムンは、ウィルリーンとシェルリーンの2人が、金糸雀亭に入っていった事を思い出した。


 その時は、ユーリカリア達のパーティーについて、気にするようなことは無かったので、気にも留めてなかったのだが、今、考えてみると、2人のエルフが帰ってくるのは、朝だったことを思い出した。


(なんだよ。 あの2人のエルフは、通い妻だったのか。)


 エルフは、男女共に、美形が多い。


 美形以外が、極端に少ないというより、美形しかいないと思えるほどに、顔貌が整っている。


 帝都でも、エルフの性奴隷を好むものが多いが、それは、貴族達か、上位商人達が、高額なエルフを競り落とすのだった。


 もし、どこぞの娼館にエルフが入ったなどと話が出れば、その順番待ちの大行列ができ、予約を入れても数ヶ月先まで、予定が逼迫する。


 その貴重なエルフの女性を2人も相手にしているカミュルイアンを恨めしそうにヲンムン軍曹は、見つめていた。


 そして、13人は、ギルドに入っていくが、ヲンムン軍曹は、それを見ているだけで、動こうとはしなかった。


(アメルーミラの情報が正しければ、ギルドを出たら、そのまま、歩いて南門に移動するだろう。 帝都の南なら、そんな程度で移動可能だろうな。)


 ヲンムン軍曹は、金の帽子亭のラウンジから、ギルドの門を見ていた。




 ヲンムン軍曹が、そろそろ、飽きたと思ったのか、背伸びをした時、ジューネスティーン達は、ギルドの門を出てきた。


 そして、南門の方に歩いていくので、ヲンムン軍曹も立ち上がって、後を追うように移動を始めるが、金の帽子亭とギルドとの距離を縮めるようなことはせず、その距離を保って、後を歩いていく。


 南大通りに出ると、ジューネスティーン達は、右に曲がっていったが、ヲンムン軍曹は、慌てて、それを追いかけるようなことはせず、そのまま、歩いていく。


 そして、ヲンムン軍曹が大通りに出ると、南門の方を確認する。


 そこには、ジューネスティーン達が、門番にギルドカードを見せているようだった。


(このまま、南門を出るなら、情報通り、南側で魔法訓練となるな。)


 ヲンムン軍曹は、納得したような表情をすると、南門とは反対方向に向かって歩き出した。


 ヲンムン軍曹は、今日の監視は行わず、昨日のアメルーミラの話を報告に行くのだ。


 アメルーミラの話の方が、帝国にとって重要な話だとヲンムン軍曹は、判断していたので、南門の外でのユーリカリア達の魔法訓練は、見ない事にしたのだ。


 ギルドへツノネズミリスのコアの提出には、数日かかるのであれば、その間は、南門の前での活動となることは、容易に予測できるので、それなら、今日1日の監視が滞ったとしても、大きな問題にはならないと思ったようだ。


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