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魔法訓練 〜ヴィラレットとカミュルイアン〜


 帝都の南西側に移動したのは、魔法の訓練を行うためだ。


 南門の手前では人目につくこともあるので、帝都の南西の方に移動したのだ。


 帝都の第8区画の南側は、第5区画の途中から、第9区画の部分まで、空き地になっている。


 南門を出て、真っ直ぐ堀沿いに向かうと、南西部の角は、帝都からも遠く離れるので、人目につきにくくなる。


 その場所を利用してジューネスティーン達は、アメルーミラとユーリカリア達の魔法の訓練を行う事にした。


 帝都に帰った後は、アメルーミラの魔法の訓練を行うつもりだったのだが、それにユーリカリア達が便乗してきたのだ。


 ユーリカリア達は、ツノネズミリスの討伐の際には、魔法攻撃を担当したのだが、覚えたての魔法だったので、使える魔法を限定して、それだけを伸ばしたので、それ以外も覚えたり、使い物になるようにするため、望んで、訓練に参加したのだ。


 ユーリカリアと、シェルリーンは、火魔法が使えないいこともあり、雷魔法を重点的にツカラ平原で訓練させられ、他の4人は、火魔法を訓練させられた。


 その際、使える魔力の向上を行えたので、後は、さまざまな魔法を覚えてしまえば、慣れるだけとなる。


 ツノネズミリスのコアの提出を、数日に分割にさせられたこともあり、本格的な狩りに出れなくなってしまったので、空いた時間を、訓練の時間に当てたのだ。


 教える側は、ジューネスティーン達のパーティーメンバーの6人となり、そして、教えられる側は、アメルーミラと、ウィルリーンを除いたユーリカリア達のメンバー5人となる。


 そして、ウィルリーンは、教える側の教え方を確認したいということで、オブザーバー的な関係となった。


 教える側も教わる側も6人なので、一人一人、マンツーマンで教えることとなった。


 ただ、ユーリカリアとシェルリーンは、火魔法が使えない事から、ジューネスティーンとシュレイノリアが、2人で2人を見る事にした。


 それ以外は、アメルーミラとレィオーンパード、ヴィラレットとカミュルイアン、フィルルカーシャとアリアリーシャ、フェイルカミラとアンジュリーンと、それぞれが、ペアになって、教える事になった。




 組み分けが決まると、ヴィラレットは、カミュルイアンと組む事になり、先程の、ウィルリーンの下ネタのおかげで、顔を少し赤くしていた。


(ちょっと、どうしよう。 何で、カミュルイアンさんとペアなのよ? しかも、あんな話の後なのよ。 ちょっと恥ずかしいじゃないの。)


 ヴィラレットは、俯きつつ、カミュルイアンを直視できずにいた。


「あ、あのー。」


 カミュルイアンの声に、ヴィラレットは、肩をピクリと上げた。


 それが、カミュルイアンには、怖がられてしまったように見えたようだ。


「あ、ごめん。」


「い、いえ、こ、こちらこそ、ご、ごめんな、さい。」


 2人は、ぎこちなく、話をしていた。


「ヴィラレットさん、・・・。 じゃあ、魔法を、試して、みようか。 それじゃあ、オイラたちは、西に向かって、撃つようにしよう。」


「は、はい。」


 2人は、少し西に移動するのだが、何だか、ギクシャクした様子で、歩いて行った。


 そんな、2人が、魔法の訓練を始めようとしている。




 帝都は、四角く作られている。


 帝都は、最初に堀を作るところから始めているので、その堀を見ると、北側を東西に流れている大河を背にして四角くなるように堀を巡らせている。


 堀の内側、第8区画の南側は、まだ、完成してないので、平地となっており、その辺りは、まだ、城壁も作られてはいない。


 ただ、堀の側面は、石造りになっており、いずれ、この辺りも帝都として、開発が進むのだと、主張しているようだった。


 そんな、石造りの堀の、丁度、南西の角の辺りに、着ていたので、南向きにも、西向きにも配置することで、お互いに、魔法の干渉が出ないようにできる。




 カミュルイアンは、早々に、西側を使おうとヴィラレットに提案したので、カミュルイアンが、少し、西側に移動すると、ヴィラレットも、つられて、移動していった。


 他のメンバーから離れると、カミュルイアンは、魔物を探し始めた。


 視線は、魔物を探しているので、カミュルイアンは、隣にいるヴィラレットに視線を向けないでいる。


「さっきは、ごめん。 何だか、ウィルが、変な事言ってしまったから、気を悪くしてしまったね。」


 ヴィラレットは、少し驚いた様子をするが、俯いて、下を見ていたので、カミュルイアンの顔は確認できずに、カミュルイアンの足元を見ていた。


「いえ、大丈夫です。 ・・・。 何だか、そんな風に言われると、ウィルリーンさん達って、カミュルイアンさんに、本当に、愛されているのですね。」


 カミュルイアンは、顔を赤くした。


「うん。 2人は、とても素敵だよ。 本当に可愛いと思うよ。」


 それを聞いて、ヴィラレッとは、微妙な表情をした。


 ウィルリーンは、85歳であり、シェルリーンは、56歳なのだ。


 そして、カミュルイアンは、転移してきた時を10歳として計算されているので、今年で、44歳となる。


 見た目は、カミュルイアンは、ヴィラレットと同じ歳程度なので、歳上のウィルリーンとシェルリーンを、可愛いと表現するのは、少し、抵抗があったようだ。


「3人の時は、あの2人は、とても仲が良いし、すごく優しいんだ。 それに、ちょっと恥ずかしいんだけど、2人は、いつも、オイラを中心に考えるから、3人の時は、2人が何でもしてくれるので、とてもありがたいんだ。」


 それを聞いて、ヴィラレットは、少し恥ずかしそうにした。


 カミュルイアンも分かったのか、言葉が悪かったと反省したようだ。


「あ、2人はね、何か必要なものがあると、すぐに、取ってくれたり、飲み物とか、直ぐに用意してくれるんだ。 その位なら、自分ですると言っても、2人のどちらかが行ってくれるだ。 その仕草が、とても可愛いんだよ。」


 そのカミュルイアンの言い訳を聞いて、ヴィラレットは、少し、ホッとしたようだ。


「そうだったのですね。 私は、あのパーティーでは、一番の下っ端ですから、雑用とかは、ほとんど私がやるようにしてました。」


 それを聞いて、カミュルイアンは、大変そうたと思ったようだ。


 カミュルイアン達も、アリアリーシャが中心となって、キャンプ中は食事の用意をした。


 そんな時、カミュルイアンは、手際の悪さを、よく、アリアリーシャに注意を受けていたので、その時の事を思い出したようだ。


 一瞬、間が開いてしまったので、ヴィラレットは、自分の言った事が、悪く取られたのではないかと思ったようだ。


「あ、雑用とかは、やらされているわけじゃないです。 私が、率先して雑用をするようにしているだけなんです。 皆さん、私が何かしていると、必ず、手伝ってくれるんです。 だから、初めは、私が、仕事をしていると、いつの間にか、人が増えていくんです。」


 それを聞いて、カミュルイアンは、安心したようだ。


 食事の用意にしてもそうだが、何らかの雑用をする時、6人分を1人でまかなうのは、結構、重労働になる。


 だから、常に1人で雑用をしているのでないと聞いて、カミュルイアンは、安心したようだ。


 そんな話をしつつ、ヴィラレットは、カミュルイアンが、何をしているのか気になって、初めて、カミュルイアンの様子を確認した。


(あら、カミュルイアンさんは、・・・。 何かを探しているのね。 ・・・。 魔物を探して、魔法を放つのだろうけど、火魔法でいいのよね。)


 ヴィラレットは、カミュルイアンが、どんな段取りで、魔法を教えてくれるのか、気になり出した。


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