エルフの3人とユーリカリアのパーティー
ジューネスティーン達13人は、帝都の南門を出て、西の、帝都の西の角の辺りまで移動した。
第9区画の西側は、開発が進んでいないが、帝都の特徴である、堀は完成していた。
堀の中は、ただの平地となっているが、開発が進めば、帝都の西側も居住区なり工業区なりとして、開発されるようになる。
その帝都の開発途中の手前に13人が移動してきた。
「にいちゃん。 今度から、馬車を使わないか? 」
歩くことが面倒になった様子のレィオーンパードが、ジューネスティーンに愚痴った。
「オイラも、ちょっと、苦しいかも。」
シェルリーンとウィルリーンを両方に置いて、歩いてきたカミュルイアンも、レィオーンパードに同意するように言うと、女子達が一斉に、シェルリーンとウィルリーンを、ジト目で見た。
その刺さるような視線をシェルリーンは、嫌そうにしつつも、少し恥ずかしそうにして、カミュルイアンの影に隠れるようにした。
すると、視線は、ウィルリーンに注がれると、流石に、困ったような表情をする。
「あ、えっ! 何でしょうか? 」
ウィルリーンが、とぼけたように言うと、シェルリーンとウィルリーン以外のユーリカリアのメンバーは、イラついた表情をした。
「お前達2人が、カミュルイアンを、構いすぎるから、昼間、カミュルイアンが、疲れているんだろう。」
ユーリカリアが、ムッとした様子で、言葉にした。
ユーリカリアの罵声のような声を聞くと、ジューネスティーンが、自分達のメンバーのカミュルイアンを残して、少し離れた場所に移動していた。
5人は、これから起こるであろう事を考えると、近くにいるのは不味いだろうと思ったようだ。
5人は、何も言わず、視線だけで、合図をすると、ゆっくり動き出した。
ユーリカリア達には、気付かれないように移動を開始したのだ。
そんなジューネスティーン達の行動には、気付かないで、ユーリカリア達は、シェルリーンとウィルリーンに話しかけていた。
「そうです。 パートナーが出来たからといって、2人は、はしゃぎすぎです。」
常に、正論を言うフェイルカミラも、ボソリと言う。
「ごめんなさい。」
ウィルリーンは、素直に詫びを入れるので、周りは、少し以外そうな表情をした。
いつもなら、ウィルリーンの反論があってもおかしくないのだが、それが無かった。
ユーリカリア達パーティーは、6人なのだから、これなら、2:4の戦いなら、ユーリカリア達に分があると思っていたようだ。
何か、言ってきたら、全員で反撃するつもりでいたのだろうが、ウィルリーンが、何も言い訳をせずに、素直に謝ってきたことに驚いたようだ。
特に、ウィルリーンは、エルフで、しかも、ユーリカリアと同じ歳の85歳ともなれば、過去の経験から、反撃するための言葉も沢山持っているはずである。
同じ歳のユーリカリアを全面に立たせて、周りは、その話を使って、援護射撃をすることで、ウィルリーンに対抗しようと考えていたのだ。
だが、ウィルリーンは、素直に謝ってきたので、その後の言葉が出てこない様子で、ユーリカリア達は、ウィルリーンの、その言葉を受け入れる以外の事ができずにいた。
「そうよね。 ここ数日、何だか、薄めだったし、量も少なかったのは、毎日、何度も私とシェルに、お情けを出していたからなのですね。 これからは、1日1人1回に抑えてもらいますわ。」
ウィルリーンが、頬を赤くしていた。
すると、ユーリカリア、フェイルカミラとフィルルカーシャが、イラッとした表情をし、カミュルイアンの後ろに隠れているシェルリーンは、恥ずかしそうに、カミュルイアンの後ろに隠れた。
ただ、ヴィラレットだけは、何のことか、よくわからないような表情をしていた。
すると、フィルルカーシャが、限界とばかりに、ウィルリーンを睨みつけた。
「それは、いくら何でも、回数が、多すぎます! 」
その一言を皮切りに2人のエルフに非難が集中する。
「何で、毎日なのよ。 2人も相手にするんだから、2・3日明けてあげなさいよ。」
「そうです。 男性エルフは、絶倫だと聞きますけど、物には限度があると言います。 数日開けた方が、良いと思います。」
「そうだぞ、カミューだって、毎日同じ女とだと、そのうちにマンネリ化してしまうぞ。」
「そうです。 リーダーの言う通りです。 恋人同士は、間を置いた方が、燃えると言います。 そう毎日、何度もだったら、カミューさんが、立たなくなってしまうかもしれません! 」
ウィルリーンとシェルリーンを非難しているのは、ユーリカリア、フェイルカミラとフィルルカーシャになってしまっていた。
もう1人の、ヴィラレットについては、3人の非難している内容を聞いて、顔を真っ赤にしていた。
最初こそ、パートナーのいるシェルリーンとウィルリーンが、羨ましいとは思ったのだが、夜の営みについて、具体的な内容が出てくると、恥ずかしくなって、その話についていけずにいた。
そんな中、渦中のカミュルイアンが、手を挙げた。
「あのー、すみません。 オイラが、2人に求められるがまま、してしまったんです。 だから、2人を、そんなに責めないでください。」
カミュルイアンが、ユーリカリア達の仲裁に入った。
カミュルイアンの言葉で、自分達が、どれだけ卑猥な言葉を2人のエルフ達に投げかけていたのか、冷静になると、恥ずかしそうにしていた。
「これからは、2人に求められても、オリラの気が乗らない時は、断るようにします。」
そう言って、カミュルイアンは、ユーリカリア、フェイルカミラ、フィルルカーシャと、ヴィラレットを見た。
「これからは、翌日に影響が出ないようにしますし、毎日、そんなこともしないようにします。 これからは、もっと、2人とお話ししたりするようにして、体の結び付きじゃなくて、心の結び付きをするようにします。 だから、2人の事を非難するのは、この位で、許してあげてもらえないでしょうか。」
カミュルイアンは、そう言うと、4人は、バツの悪そうな表情をした。
「まあ、そうだな。」
「そうですね。 カミューが、そうおっしゃるなら、これからは、2人も控えるでしょう。」
ユーリカリアとフェイルカミラが、それに合意するような意見を言う。
「そうですよ。 私たち3人は、何のことか理解できているけど、ほら! 」
フィルルカーシャは、そこまで言うと、ヴィラレットを指差した。
「この娘には、刺激が強すぎた見たいよ。」
全員が、ヴィラレットを見る。
ヴィラレットは、あまりに具体的な内容だったので、耳まで顔を真っ赤にして俯いていた。
そんなヴィラレットを見て、バツの悪そうな表情で、周りは、それぞれの顔を確認していた。
そして、全員が、ヴィラレットを見た。
「「「ごめんなさい。」」」
6人が声を合わせて、ヴィラレットに誤った。
ただ、それが、ヴィラレットには余計なことだったようだ。
顔を両手で覆ってしまった。
「バカ! 」
一言、ヴィラレッとは言うと、少し先の方にいたジューネスティーン達の方に歩いて行った。




