第三十話 ですわの巻
三章突入に向け巻きます!
今日は最後の夜。この世界に別れを告げる日が訪れた。ズッ友チロルちゃんのおかげで女子力は満タンに注がれた。
鏡に映るは、絶世の清楚系ロリ美少女。
ーー成し遂げたんだ。
無理して背伸びをする訳ではなく、幼い顔を全面に出しつつ清楚に落ち着かせる。膨よかな胸が大人の階段、エロスをも演出する。
ショートエクステで髪の毛を盛り、小さな三つ編みをサイドから後ろへ。定番中の定番。サイドヘアアレンジ!
長さは胸に掛かるかどうか。その絶妙な長さが、谷間を出さずとも膨よかな胸を強調させる。
脱いだら私、すごいんです。勇者レオもイチコロさ。
彼から漂う惚れやすさの裏に見え隠れするムッツリを刺激する。奥義にして必殺技。谷間はあえて見せない‼︎
清楚系ロリ。鏡越しに自分だとわかりつつも恋する程の戦闘力っ!
完璧にして究極。七回目。勝ちに行くっ!
もちろんウィッグも用意した。変身用に三種類。決して負けた時の為じゃない。勝った後の事も考えての備え。
コスメも大量に買い込んだ。準備は万全。
代償として、俺の子供部屋はもぬけの殻になった。
いいんだ。元から空っぽだった。満たされてるようで満たされていなかった。チロルちゃんは巻き込んだ事に責任を感じているようだけど、違うよ。感謝しかないんだよ。
母ちゃんには生まれて初めて花束をプレゼントした。
よくわからなかったから薔薇。たっくさん。
もちろん、この世界にたかしは居ない。
郵送で手紙を添えて。
ごめんな母ちゃん。この世界で唯一の理解者。
ーーたかしは今日、旅立ちます。ありがとう。
手紙の内容は黒歴史なので振り返らないっ。
◇◆
この三日間は辛かった。
可愛くなるに連れて終わりが近づく。
ひしひしとこの世界の終わりが迫り来る。
可愛くなりたいはずなのに、可愛くなっても悲しくなる。矛盾をひた走った三日間。
ーーそしてついに終わってしまったんだ。
泣いて泣いて泣いて
旅立つものかと思ってた。のに‼︎
…………。あはっ。ダメだ顔がにやけちゃう。
……………………。
あはっ、えへへっ。じゅるり。
あー、もうダメッ、ダメダメ!
だ、だ、だ、だ、だ、だって‼︎
今日はこれからお泊まりッ‼︎
パ、パ、パ‼︎
パジャマパーティー‼︎
そう! ぱじゃまぱーてぃーー!!
最後の夜はチロルちゃん家でチロルちゃんの部屋でぱじゃまぱーてぃー!!
現世の最後を、こんな幸せに迎えられる事が嬉しくて嬉しくて……他の全ての気持ちを打ち消す。
好きなんだ。好きになっちゃったんだよ!!
お別れは寂しい。けど、それを凌駕するほどにお泊まりが楽しみで楽しみで仕方がない!!
今行くよ! 今晩は一緒に布団を温めようね!!
ワオーーーーン‼︎
髪型に関してはいくつか選択肢があり、そのどれとでもとらえられるように表現しました。ご理解、ご了承下さいませm(__)m
次話で二章ラストです!二話程と書いておきながら三話に渡ってしまい申し訳ございません(TT)
感動の(?)ラストはパジャマパーティーでさようなら!です!
引き続きお付き合いいただければ幸いでございます。
よろしくお願いいたします。




