87話 真実
更新遅くなりすみませんでした。
「ツクヨミ様?」
なんでツクヨミ様が?
「あっ、いいのですか?よろしくお願いします。」
隠神刑部狸はそう言うと胡座をかいて座ってどこからかキセルをだしふかし始めた。
「さて、なんで急に黒田家のことを隠神刑部狸や大悪魔、吸血鬼が助けたのかでしたね?」
「え、ええ。」
冴久先生も最上位神の出現に驚いている。
「私が命じたからです。」
「えっ?」
僕はまさかの発言に固まる。
「ふふっ、気に入ったいただけましたか?私からのサプライズプレゼントは?」
ーやはり貴方の手引きでしたかー
「はい!結構大変でしたよ?この生贄祭を開催するには。」
「い、いけにえさい?」
「そうですよ、真広くん。貴方のための生贄ですよ?」
「待って、どう言うこと?」
「まだわかりませんか?外で戦っているあやかしも人間も悪魔も吸血鬼も全て貴方が神として位をたかめるために用意した生贄です。今、外では殺し合いという生贄祭が行われているのです。」
霞、嘘だよね?
ーこれはツクヨミが手引きして行われた戦争だったようです。そしてこの地で戦わせて死んだあやかしや人の力を貴方の力にして神の位を無理矢理上げると言う計画だと思いますー
「なんでそんなことを!?」
「早く神の位をあげてもらわなければ困るのです。もうこちらも抑えるのが精一杯なのです。」
ー抑える?どう言うことですか?ー
「私が声をかけ、貴方様の復活を知った神々がもう抑えられないのです。軍備を整え、動き出そうとしています。」
ー早すぎるー
「だから、真広くんには早く成熟してもらわなければならないのです。」
「全然わからないよ。それが僕とどう関係してるの?」
「まさか、まだ話していないのですか?仕方ありませんね。私が教えてあげますよ。」
ーやめなさいー
「貴方はコピーなのですよ。このお方の。」
「どう言うこと?」
「では、初めから説明しましょう。かつてこの世界を作った2人の神がいました。世界にはやがてほかの神々がうまれ、生物が生まれました。その2柱は仲がよかったのですが、ある日突然1柱がもう一方の1柱を排斥しようとします。自らに従う神々の軍を起こします。負けじともう一方に従う神々も軍を起こそうとしますが、我らの従う神は戦うことを拒絶し、軍を解散させました。我らの神は強く、神々の軍をたった1人で退けていましたが、結局はバラバラにされ封印されてしまった。」
「その封印されたのか霞ってこと?」
「そうです。そして私は軍を起こそうとした神々の一人です。」
「それと僕がどう関わりがあるのさ!」
「この世界は創造した二柱の隔絶した神の力によって保っています。もしどちらかが欠けてしまえばこの世界は消えてなくなってしまうでしょう。」
「さっき僕が霞のコピーって言ったよね?ってことは…」
「ふふ、そうです!あなたはこの世界の創造した神の1柱となるのです!この計画に気づいた時はふるえましたよ!まさかそんなことが可能なのかと!自分の分神とも言える創造神を造ることができるなんて!もう一方の神もそこまでは想像できないでしょう、まさか創造神を作れるなんて。だから、これだけ動いても気づかれないのです!そんな発想など誰も持ち合わせてなどいないのですから!」
ー要約すると真広を創造神にして、もう一方の神を殺し、真広をこの世界の神に据えるということです。これが私の計画の全てですー
「霞…なんで今まで黙ってたの?言うタイミングなんていくらでもあったのに。」
「それは簡単ですよ。覚悟が決まっていなかったからです。二人の神はとても仲が良かった。殺せないのですよ。だから、誰にも言えなかった、言ってしまえば殺すことが決定してしまうから。」
ーええ。よくわかっていますね、その通りですよ。しかし、もうそんなこと言っている状況ではなくなりました。正直もう数百年は悩もうとおもって居ましたが、彼女が不審な行動を取り始めたのです。だから私は仕方なく封印を破り目覚めたのですー
「ん?どう言うことでしょうか?」
ー彼女はとても支配欲が強いのです。だから私と共同で治めているのがいやになったのです。方向性も違いましたしね。彼女はこの世界を一度リセットするつもりです。自分一人で管理できるように世界を小さく構築しなおし、最初からまた世界を作ろうとしていますー
「なるほど、そうだったのですね。だからあなたは重い腰をあげたのですか。」
「事情はわかったよ。やるよ、創造神。だからとりあえず、この戦いを終わらしてよ!!」
「できません、言ったでしょ?時間がないと。」
「霞、この戦いを止めてほしい。お願いだ。」
ー…ごめんなさい。この戦いは必要です。この戦いで得られる力は真広が思う以上に大きい。正直あなたを育てるのに1000年くらいはかかると思っていたのです。しかし、敵は1000年も私たちの暗躍に気づかないバカでもないのです。この戦いは数百年分の力を得られるでしょう。…この戦いは必要ですー
「…見損なったよ、霞。僕一人でも止めに行く!皆付いてきて!」
僕は神軍、黒たちに声をかけて神域を出ようとする。
「ふふ、させると思いますか?ベルゼブブ、ルシファー彼を止めなさい。」
「はい。」 「動かないで。」
僕の前に蝿のような大きな化け物と黒い6対の羽を広げた美男子が立ち塞がった。
「このものたちは強いですよ?少なくとも上級神の力を上回ります。彼らは我らの創造神亡き後、狩られて堕ちたかつての力ある神と主神を殺された神軍長です。彼らも私の意思に賛同してくれました。」
ーベルゼブブ、ルシファーですかー
「外の悪魔たちの軍勢の出どころですねぇ。」
冴久先生がポツリと呟いた。
「いかにも。外の軍勢は我らの軍団である。全て真広様に捧げる贄である。」
ベルゼブブが威厳高く言った。
「まぁ、ほんとの軍団ではなく寄せ集めただけだがな。」
とても美しい声でルシファーが言った。
「こ、これは流石に無理ですね。あはは。」
冴久先生が冷や汗を流しながらそう呟く。
僕にもわかる。この二人にはどうやっても勝てないと。
「でも、やるしかない。」
僕は覚悟を決める。
「行かせてやりましょうよ。あなたもこんなやり方望んでないじゃないですか。」
「他の道を探しましょう。私たちがいるじゃないですか。今度こそ頼ってください。」
どこからともなく声が聞こえると遠くからあの時の雷神の龍と天災様がこちらに飛んできた。
「天之光、天災!邪魔立てするか!」
ツクヨミが初めて怒りの声を上げる。
「ふははは!主殿はこんなやり方は望んでおらぬ!ツクヨミよ退け。」
天之光と呼ばれた龍がツクヨミにそう言う。
「この者はいずれ我らの主人となる者ぞ?お主の意思でなく我は主と新たなもう一人の主の意思に従う!」
天災様もツクヨミにそう言った。
ーお前たち…そうですね。私はこんなやり方望んでは居ません。考えが短絡的になって居ましたー
「天災様!霞!ありがとう!」
「儂もあるんじゃが?」
天之光が僕を見て言う。
「あっ、すみません。天之光さま。」
「いいえ、なんと言おうとこのやり方が1番良いのです。お前たち!真広をとらえて、この二柱を殺しなさい。」
えぇー!!こ、殺せ?ツクヨミって霞の味方じゃないの!?
「お前ほんとに昔から儂らのこと嫌いじゃよな?」
「殺せはひどいと思わんのか?」
「話しかけないでいただきますか?私の方が神格が上なのです。話しかけるとしても敬語でお願いします。」
「聞いたか、天災。ほんとにこの女は性格が悪いのぉ。」
「儂らの上は主のみじゃ。まったくそんなこともわからんとは。やれやれ。」
「あー、ほんとにうざい。はやく殺して。」
2人がツクヨミ様を煽るから嫌われてるんじゃないか?
「行け、真広よ!この戦いを終わらしてこい!」
「ここは我らが抑えよう!」
天之光と天災はそう言うとベルゼブブ、ルシファー、隠神刑部狸の前に立ち塞がった。
「まさか、儂も、また戦うんですか?」
ずっとキセルでふかしていた隠神刑部狸がツクヨミにたずねる。
「当たり前です!」
「えぇ、まじすか。まぁ、ツクヨミ様の命令なら仕方ない。大変化の術。」
隠神刑部狸はそう言うとやる気の無さそうに立ち上がり葉っぱを頭に乗せ大変化の術を唱えた。
するとむくむくと大きくなり、姿を大きな仏に変えた。
「最初から本気で行かんと今回はやばそうじゃ。」
大きな大仏に姿を変えた隠神刑部狸はそう言った。
やっぱ僕たちと戦った時は本気じゃなかったんだ。
「これはこれは、面白くなってきましたねぇ。行きましょう真広。ここは彼らに任せて。」
「うん!皆、今度こそ行くよ!」
僕と冴久先生はそれぞれ手勢を率いて神域を出た。
「さて、天災よ、かなり衰えているようじゃが大丈夫か?」
「ふん、舐めるなよ天之光。たとえ堕ちたとしても、戦える!それに…」
天災様は光を纏い姿を変えた。長い髪をなびかせた美青年にと。
「ここは本来私の土地だ。この土地にいるときに限りかつての姿と力を取り戻せる。」
「おぉ、懐かしい姿になったのぉ。これなら大丈夫そうじゃ。」
神々の戦いが神域で始まった。
さて、真広はこの戦争を止められるでしょうか?
どうやって止めるでしょうか?




