71話 忍者
「ただいまー。」
学校から家に帰る。
これから山に修行にいく準備をしないといけない。
真広は誘ったけど、きてくれないみたいだ。冴久先生と出かける見たい。
の前に、修行後の晩御飯の準備をしないと。
私は今お爺さまと二人で暮らしているから基本私が晩御飯を作っている。
本家にいた時はいつも豪華な食事が勝手に出てきたんだけど、そういうわけにも行かない。
どうしようかな。お爺さま意外に洋食好きだからミートソーススパゲッティとかにしようかな…ソース今作っとけばあとで麺ゆでるだけだし。
そういえば、真広ってなにが好きなんだろ…
「高い依頼料の割には情報が少ないんじゃないか?」
お爺さまの部屋から誰かと話している声が聞こえた。
あれ?誰か来てるのかな?
少しお爺さまの部屋を覗くと忍者の格好をしている女の人とお爺さまが話をしている。
「なにせ本人はガードが硬く…それに急に急に消えるのです。跡形もなく。」
「あやつは空間を移動するからのぉ。仕方ないか。琴巴も入りなさい。」
「はい。失礼します。」
二人とも帰ってきていたのはわかってたみたいだ。
「お初にお目にかかります。私、伊賀の者でございます。」
そういうとお辞儀をした。
「こやつらは自分の名を名乗らん。忍者だからな。」
「忍者…」
忍者とかいたんだ…
「冴久のやつのことを調べさせておいたのじゃが…全く、あやつのことはわからんかったわ。ただ、そういえばあやつには生まれつき病弱な妹がいたな…」
「そうなんだ。」
「はい。蘆屋家本家で療養しています。ただ、一般的に知られている蘆屋家の内容以外得られるものはなかったです。」
「そうか…」
「しかし、もう一つの依頼については詳細がわかりました。」
「もう一つ?」
「ぬらりひょんじゃよ。あいつの今の動向について調べさせたのじゃ。まぁ、依頼が来てるのはわしだけではないと思うがのぉ。」
「はい、他の方々からも探るよう依頼が殺到しています。私たちからしたらありがたいですがね。」
「で、どうじゃぬらりひょんの様子は?」
「もうすでに全快していて、戦に備えています。内輪揉めも全て解消されているようで、もうすでに全国に召集をかけていて手下を集めていますね。」
「そうかもう全快しおったか…それで規模はどのくらいじゃ?」
「もしも全てのぬらりひょんの傘下のあやかしが召集に呼応するのならば、数万規模のあやかしが動くでしょう。さらに2、3級以上のあやかしは数百はいますね。一級のあやかしは少なくともぬらりひょんの大幹部 4体は参戦するかと。」
「そ、そんなに…」
あまりの情報に私は思考が停止する。
「うん、無理じゃな。名家五家が力を合わせても勝てんな。となると黒田家が打てる手は…」
「先手を打つしかないでしょうね。それも早急に。」
「それしかないじゃろうなぁ。しかし、あの隠神刑部狸の出方にもよる。あやつが本気で今回の戦争にも出てくると言うのならば…それは血を血で洗う大戦争時代の幕間じゃろう。ジリジリと戦争が長引くじゃろうなぁ。」
「そうですね。今回の落とし所は黒田家を潰し、日本にいる悪魔と吸血鬼を血祭りにあげるまで、でしょう。」
スケールがデカすぎる…
「では、私はこれで。」
「あぁ、また依頼する。」
そういうと忍者は家を出て行った。
「忍者ってほんとにいたんですね。」
「あぁ、まぁ、存在を知っているのはあまりいないがな。依頼できるのはもっと少数じゃ。我らは陰陽術を使うがやつらは忍術を使う。まぁ、言い方を変えてるだけでほとんど同じじゃがな。」
「忍術…なんかかっこいいですね。」
「まぁ、忍者の修行はすごく厳しいぞ?」
「私だって厳しい修行を耐えてます!」
まるで私が忍者の修行についていけないみたいに言われてむっとなった。
「はっはっは、そんなレベルの話ではない。10人居たら6人は修行で死ぬ。10歳で人を殺す。ちなみに、今いたあのくノ一はかなりの手練れだ。あまり関わらん方がいい者たちじゃ。」
「えっ。死ぬの?」
「そうじゃ。じゃからやつはら死を恐れん。そう教育されておるのじゃ。もしも捕まった時はすぐに自害できるように。」
「そんな…」
あまりの殺伐とした世界観に絶句する。
「奴らのようになってはいかんぞ?死は恐れなければならん。怖くてよいのじゃ。それでも立ち向かわかなければいけないときは立ち向かう覚悟を決めればよいのじゃ。」
「立ち向かう覚悟…」
「黒田家のあの坊主、黒田家のやつらはその覚悟を決めておるのじゃろう。死ぬ覚悟で戦っておるのじゃよあやかしと。その点だけは褒めてやれる。それ以外は最低じゃが。」
「なぜ黒田家そこまでするのでしょう?自分たちが死ぬかもしれないのに。」
「やつらのほとんどは家族や恋人、友人があやかしによって奪われて、あやかしを死ぬほど憎んでおる奴らがほとんどじゃ。ぬらりひょんはあやかしの象徴みたいなもんじゃ。ぬらりひょんさえ倒せればあやかしは黒田家を恐れ、あやかしたちをコントロールすることすら、おそらく可能になる。そうなればあやかしによる被害はぐっと下がるだろう。黒田家が成し遂げようとしていることはそれじゃ。」
「黒田家にも大義はあるんですね。」
「しかし、やつらはそのために手段を選ばん。それに何割かの黒田家のものはあやかしそのものを滅ぼそうと考えておる。我らとは分かり合えはせんよ。」




