その後
あの日は楽しかった、本当に。
その後がんちゃんは相変わらずで、スルドの練習もバイトも頑張っている。
でも、バイトを頑張る理由が変わったようだ。
今は友達と旅行に行く計画のためにお金を稼ぎたいらしい。
どうもゆくゆくは、バイクかスクーターも買いたいといったことも言っていた。
少なくとも、後ろ向きな目的のために貯金に勤しむといった様子は見られなくなった。
父と母との関係も、相変わらずのようにも見えるが、がんちゃんの方が両親への理解を深めたのだろうか、がんちゃん側が纏っていた拒否や諦めの雰囲気は消えていた。
それもまた、あの楽しく、幸福を感じた時間の賜物だろうか。
今でもあのときの様子はありありと思い出せる。
イベント後、参加者のSNSや主催者からの提供で、当日の画像や動画などが都度都度展開されるのも嬉しいし楽しかった。そしてその度に、あの時間に心は戻っていく。
自身では見られなかった切り取られた思い出たち。
その場面場面で弾けるたくさんの笑顔たち。
ああ、やっぱり。とても、楽しかった。
浸るのも良い。耽るのも良い。
けれど私は、あの楽しさをより日常的にしたいのだ。より人々に広めたいのだ。
観る側でも良い。演じる側でも良い。
あの場にいられるひとを増やしたい。あのような場そのものを増やしていきたい。
とにかく周知を広めねば、機会を拡大せねば。
そのためには文化の振興と発信、チームの拡大と展開と。
そのためのリソースの確保も必要だ。ヒト、モノ、カネ、情報……いわゆる経営資源を拡充し、物理的に実現できることの幅と量を増やす。
とにかくやりたいことはたくさんあった。




