第一話 転生
どうか彼らを嫌いにならないでください。
チュンチュン
小鳥のさえずりが聞こえる。
俺は体を起こす。そのままバンザイポーズをした。
時計を見ると30分しか経っていない。しかし
某ショートスリーパーも30分しか睡眠をとっていないそうだ。つまり30分睡眠でも人は死なない。
パソコンを立ち上げる。
「「「うそだろっ」」」
昨日寝ぼけてシャットダウンしたせいで三日かけて作ったデータが全部とんでいるではないか。
クソしっかり寝ておけば。
今更悔やんでも仕方がない。何とか修復できないかと試みる。
「だめだなこりゃ」
少しの間を置いて落胆の声を漏らした。
「こんにちは。歩君」
ゴミが来た。こいつは俺の上司。
人に仕事押し付けて自分は定時退社するクズだ。
会社にいる間もずっとゲームしてる。
「すいません。今日はちょっと休みます。」
カスがこちらを向いて手招きをする。
「その前に出すものあるよね。それにいま休むと君の出世にも影響するよ。それでもいいのなら帰りな。」
こいつガチでうざいな。知らんぷりしよ。
「お疲れ様でーす」
タッタッタッ
ゴミが俺の髪を掴んで言う。
「その前に出すものあるよね?」
ほんとにこの上司は
「そんなのありましたっけ?私は私の仕事全部終わってますけど?」
これは本当。消えたのは上司の仕事だけだ。
「んなわけねぇだろ。」
ゴミが感情を爆発させた。この隙に俺は俺の髪を掴んでるゴミの手を離す。そのまま全力ダッシュした。
「お~い。仕事出せゴルァぁぁぁ。!!!」
やっと家に帰ってきた。
なんで1ヶ月一回いるかいないかの家に高い家賃払って住んでるんだろ。もう会社に住もうかな。
プルプルプル。プルプルプル。
無意識に電話を手に取り
「はい。山本商事の坂本です。本日はどのようなご要件でしょうか。」
「おい。なんだよかしこまって。」
電話の相手は親友の谷本だった。
俺の事情も聞かずに喋り出す。
「俺結婚することになったんだ。未来ちゃんと」
「あ~。高校生からずっと付き合ってたもんね。」
その子は俺も好きだった。
「そう。でお前も結婚式来てくんねーかなって。」
なんで親友と好きな奴の結婚式なんか。
「わかったよ。残業しまくって金はあるんだ。」
そんなお金もない。
「マジで?!ありがとう。いつかはまだ未定なんだけどさ。」
「ああ。」
やめろ。
「でさ最近未来がな。」
やめろ。
「こんなだったんだよ。」
やめろ。
やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ
「やめろ」
「ごめん。また連絡するわ。」
プツッ。ツーツーツーツー
そうだ。死のう。死ねば全部楽になる。嫌な上司も結婚式も行かなくていい。他にも,,,,
椅子に足をかける。
__________
寒い。
ポカポカする。
でも心地よい。
死後の世界ってこんなにも心地良いんだ。極楽だ。
あんなことをしたのに天国行きってことは地獄は存在しないんだろうな。
強いて言うならば硬い。
背中に何か硬い長い板が当たってる。
待て。
硬いってなんだ?
今度はちゃんと連載します。




