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ep.1魔王、コンビニバイトになる

カリスマ少し、顔は満点、他はダメダメ魔王のマオちゃんが、現代日本でがんばるお話です。


「いらっしゃいませー! ちょっと、マオさんお客様来てるよ!」


はわわ、店長に怒られちゃった。

あ、挨拶しないと……


「い、いらっしゃせえー!」


声が上擦っちゃったよ。あせあせ。


「ちょっと、真面目にやろうよ! 僕の若い頃はね……」


うえぇ、店長のガミガミタイムだぁ……


――時は遡ること数分前、魔王城にて。


「申し訳ありませんが魔王様、魔王クビです」


「えー! 嘘でしょ!? てか、魔王なのにクビってありえるの!?」


「はい、有り得ます。あなたのクソ采配により、魔王軍は連戦連敗です」

「クソ采配って……いや、あれは勇者がおかしいんだよ……!」


「更に、超がつくほどの浪費癖で財源を圧迫し尽くしました」

「だってだってー! かわいいもの見つけちゃったら、買わずにはいられないんだもん!」


「そして、毎回会議に寝坊していますよね」

「いやあ、ボク朝弱くって……」


「褒めてません。とにかく、これらにより魔王軍幹部の意見は魔王様の追放で、満場一致です」


「ボクの知らないところで、そんなことが……」


あーだめだめ、ショックすぎて魂がでちゃうよ。


いや?……我は魔王ぞ。

ここから持ち直してみせよう。

ズズズズ……


「考え直してよおー、おねがい♡」


決まったァ……

ダリア、ボクのかわいいポーズにひれ伏しちゃいなよ!


「はあ、ムリです。あと10秒後に異世界へ飛ばしますので、辞世の句をどうぞ」


ダリア〜、ちょっと顔逸らしてるのバレバレだよぉ。まあ、ボクは可愛すぎるしぃ。え……ムリ?


あーもー!じゃあ詠んでやるよ、あっと驚く程の、7代目魔王ヤミ・ルルール・マオ最高の句を!


「我魔王 部下の裏切り 悔しいな」


……一瞬、ゾクッとしたな。『計略のダリア』よ。考え直す気になってくれたかな?


貴様の持っているプラカード、当然我を称える文であろう?見てやるぞ。


そこにはデカデカと、こう書いてあった。


才能ナシ。


ガ、ガーン。

それが、ボクが魔王城で最後に見た光景だった。


ーーそして、今に至るんだケド……

なんで、こんな冴えないオッサンに怒られなきゃいけないのさー!


「聞いてるのか!? 全く、これだから最近の若いモンは……」


「あはは、スミマセン……(泣)」


魔力があれば、こんなおっさん1秒で屈服させられるのにいー!


「レジおなしゃっす」


「ほら、お客さん来てるよ。僕は反対のレジ行くからね、分かんないことあったら言って。それじゃ」


あ、行っちゃった。


「い、いらっしゃいませぇー」


ピッ、ピッ、ピッ。


「お会計777円になります」


はあ。袋がいるかとか、ポイントカードがいるかとか、いちいち聞くのめんどくさいなぁ……


「ほい1000円。てか、お姉さん超かわいいね。バイト終わったら俺と飲みいかね?」


ふーん、チャラ男くん見る目あるじゃん。

でもボクお酒弱いんだよねぇ


「233円のお釣りです。え、やだよめんどくさい。ありがとうございましたー」


「めんどくさいって……ッチ、まあいいわ」


――その後もう一人ナンパが来たけどお断り!

……言っとくけど、ボクって魔族だとまだ子供だよ?

このロリコンどもめ!


「いやー、マオさん動きが少しゆっくりだけど、初日にしては悪くなかったよ。お疲れ様でした」


「ありがとうございます!」


……あれ、もしかして遠回しにボクのことトロいって言った?魔力があれば読心術で読めるんだけど、まあいっか。


ーー「やっと仕事終わったんだね」


「ひゃあ!」


「声も顔も、私服姿もかわいいねえ、マオちゃん」


後ろから声がしてビックリしたと思ったら、口説いてきたうちの一人のオッサンじゃん!

もしかして、2時間弱も待ってたの?


ほう……では、意味もなくビックリさせた褒美として、苦しくないよう一瞬で焼き尽くしてやろう。


終末を呼ぶ(レーヴァテイン)闇の王の劫火(・オブ・ザ・ノワール)


「ブツブツ言ってるけど、マオちゃんどうしたの〜?」


「ひ、ひい、来るな来るなあ!」


「そんな釣れないこと言わないでくれよ、俺たちはもう恋人同士だろ?」


「じゃあ別れましょう、さようならー!」


どんな思考回路してたらボクとキミが恋人同士になってるんだ!

とにかく、ダリアが用意してくれた家まで走れ走れ!


息を切らしながら、家の前までたどり着いた。

チラッ。あ、よかった。追ってきてないみたい。


「なかなか悪くない家を用意してくれたのはいいけどさー……ダリアめ、なにも翼まで没収しなくっていーじゃないかあー! もお!」


……あー、疲れたしもう寝よ。寝て起きたらワンチャン元の世界に戻ってるでしょ。知らんけど。


……zzZ


ーー同時刻、魔王城にて


「今回の議題は、マオ様が生身の人間に勝てないのは、ちょいとマズくないですか? だ」


魔王軍幹部が1人、『鉄のクロユリ』がシブい声で議題の発表を行う。


最初に手を上げたのはダリアだった。


「マオ様の緊急事態は私直々に手を貸します」


「ダリア、干渉なんかしてみろ。甘っちょろいキミは、マオ様のおねが〜い♡に負けて最終的にはこっちの世界に戻すのがオチだろう。それでは、なにも変わらないのだよ」


クロユリは、マオのモノマネをしつつ冷やかに切り返す。


「しかし……」


このやり取りに、『軍団長ホオズキ』がバカでかい声で割って入る。


「ガハハハ! ならよォ、ちいとだけ魔力を返してやれば良いじゃねえか!」


「ふむ、悪くないな。だがホオズキ、会議中の酒は程々にな。臭くて敵わん」


クロユリはため息混じりに言うが、ああ、分かった分かった!とホオズキは酒を飲み続けている。


ホオズキの案への反論はなく、10秒ほど全員が沈黙。


「決まりだな!」


空になった盃を、勢いよく机に叩きつける。


「はい、マオ様に魔力を3%返還する。で決定となりました。では、これにて本日の緊急魔王軍会議を終了とさせていただきます。皆さま、お忙しい中出席ありがとうございました」


クロユリの言葉を境に、全員が三者三様の方法で席を外す。

窓を突き破り出ていく者、ワープで消える者、普通に出ていく者、闇に溶けていく者etc……


――魔王軍の緊急会議が終わるころ、マオは夢の中。


……はたして、魔王ヤミ・ルルール・マオの異世界コンビニバイト生活は、どうなっていくのやら。

初投稿です。たくさんの作品群からこの作品を選んで読んでいただけて、感謝の極みです!

ブックマーク、評価、感想など頂けましたらもう3話以降の更新がめちゃくちゃ早くなるかもしれないので、是非お願いします!

次回 元魔王、休日を満喫す。更新予定21時

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