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第8話 守護神現化

遅くなってしまいすみません…!


早速ですが第8話…お楽しみください!

あぁ…終わった…俺の人生はこれまでか…そう全てを悟ったような顔で目を閉じ訪れるだろう死を待っているのはアクトでそのアクトを悟ったような顔にさせた原因は親友のクリフェンである。


しかしいつまで待っても待っていた死は来なかった。


恐る恐る目を開けてみるとプルプルと震えているクリフェンの姿がありまた「ひぃ!」と声を出してしまった。


その声を聞きクリフェンがビクッとなったと思った瞬間背後に控えていた千手観音が霧散し顔を真っ赤にしたクリフェンがいた。顔が赤いのは憤怒故かと思っていたが実際は羞恥によるものだったらしい。


「な、なななななんでアクトがそのことを!?」


「クリフェン…うん、とりあえず落ち着け」


クリフェンが落ち着くのにたっぷり15分費やしそこで学園長室に行かなければならないことを思い出し学園長室に行こうと促すと静かに頷きながらついてきた。かなり恥ずかしかったのか本当に静かについて来たのでなんか…少し心配になるなぁ…


「「失礼しまーす!」」


向こうは来ることくらい知っているとは思ったが一応礼儀なのでと入室時の挨拶(?)をしながら入った。


「お、おいアクト…学園長いなくね?」


「た、確かに…ちょっとソフィアに聞いてみるか…」


「え?ソフィア?誰?おーい無視しないでくれー!」


ちょっとうるさいクリフェンは無視しながらソフィアに念話を使うことにした。


『ソフィア?聞こえるか?』


『聞こえますよ…アクト、あなた使用制限があること忘れてませんか?』


『ぐっ…わ、忘れてないよ…』


『それになんか無駄に上達してるし…はぁ…』


『うっ…なんか…ごめん…』


『で?今度はなんですか?あんまり長い時間念話しているとあなたの親友が拗ねてしまいますよ?』


チラッとクリフェンを見てみると「うぅ…アクトが無視する…うぅ…」とまるで捨てられた女のようになっていた。


『うっ…それじゃあ早速本題に入るけど…学園長は本当にここにいるの?』


『ちょっと待ちなさい……わかりました。念話を終了します。そしてすぐにユカルドを呼び出します。』


そう言い終わるや否や念話が終了してしまった。少し怒っているようにも感じられた…





少し時間が戻り学園長はというと…


「無詠唱でも20kmだと!?これは想像以上だ!」


長距離転移魔法の無詠唱実験に成功し予想の遥か上をいく結果に興奮を露わにしていた。


「次は召喚魔法でもやってみるか?あれは難易度が高いから封印することになると思っていたがもし使えるなら…ワクワクが止まらん…!」


ソフィアからの呼び出しのことなど忘れて魔法の実験を再開していたのだった…





そこから時間が経ちアクトがソフィアとの念話を終了したときまで戻る


「ふぅ…まさか召喚魔法の中級までとはいえ無詠唱でできるとは…」


「さすがの私でもこの体が本当に普通の人間の体なのか疑問になってきたぞ…」


しれっとスキル「分裂」と使いながら魔法の実験を行なっていたせいで「分裂」も進化し今ではスキル「複製」になっている。「分裂」では自分自身しか分裂できなかったが「複製」では少し時間がかかるとは言え自分以外の物も複製できるようになっていた…


『ユカルド!!』


『!?!?』


突然の大声の念話にビクッと驚き発動していたスキルと魔法が全てキャンセルされてしまった。


(なるほど…驚いた程度で全てキャンセルしてしまったか…その辺も直していかないとな…)


などと反省している始末…真面目なのか不真面目なのか…


『聞こえてますよ』


怒気を含んだ声音にさすがにやらかしたと思ったのか黙り込むユカルド氏…


『はぁ…もうアクトが学園長室に来ているので早く戻って来なさい。親友のクリフェンもいますが…』


『あ!忘れてt…すぐ行きます!』


『はぁ…』


ため息と共に念話が終了した途端に慌てて空間の狭間から出て行った。





「なあアクト…そろそろソフィアって人のこと教えてくれないか?」


念話が終了し、泣き崩れているクリフェンを復活されるまでおよそ2分…さすがは親友というべきか相手の復活するツボでもあるのかと聞きたくなるほどの速度で立ち直させた。


「ソフィアについてか…きっと学園長が答えてくれる。」


「あぁ…遅くなってすまないね」


「「!?!?!?!?」」


いきなり学園長の椅子の後ろあたりの空間が歪んだかと思ったら学園長が申し訳なさそうな声音とともに出て来たのである。驚かない方が無理というものだ。


「アクト君とクリフェン君か…色々聞きたいことはあるだろうが少し待ってほしい。まずは彼女を紹介しよう」


そういうと学園長はアクトの目をじっと見つめ始めた。まるでアクトの中にいるものを探すように…


「ソフィア、姿を見せることは出来るかい?」


「「!?」」


アクトは念話無しにソフィアと会話しようとしていることに驚き、クリフェンはまたもや出てきた女性の名前に驚いていた。


『アクトの現在の魔力量だと声を他の人が聞こえるようにすることすらできませんがユカルド…あなたの魔力を使わせてもらいます。』


「仕方ないか…少し譲渡したからこれで出来るようになったはずだ。」


『では遠慮なく…』


「え、あ、あのこれは…?」


『これは複数人対応の念話程度に考えておいてください。それと…アクト、クリフェンの親友なら彼を助けてやりなさい』


クリフェンをみると「頭に直接声がぁぁぁぁぁ」とかうめいていた…仕方ないので耳元でとあること呟き…アクトにしてみればクリフェン専用の万能薬…落ち着かせた。


「これで全員にソフィアの声が聞こえるようになったところで一応全員自己紹介しようか。」


学園長がそう言った後に「言い出しっぺとして私から行こう」となぜか唐突に自己紹介が始まった。


「私はこのユーステリア学園の学園長のユーフェイだ。いやこの体の名前はと言った方がいいか?私の本当の名前はユカルド・ユーステリアだ。気軽にユカルドと呼んでもらって構わない。」


そう締めくくり次はソフィアがやることになった。


『私の名前はソフィア、ギリアスの核たる神の血の自立稼働用人格です。』


自己紹介はそれしかないのか前にアクトにした自己紹介と全く同じものをした。クリフェンはと言うと…頭のパンクしてるらしくプシューと音が聞こえそうである…


「次は俺がやりますね。1年4組のアクトです。伝説級装備 ギリアスの所有者です」


特に言うこともないと思ったのでそれだけで締めくくろうとしたら学園長…ユカルドが「ちょっといいかね?」と口を挟んだ。


「私はスキルによって君のスキルは分かるがほかの人は分からないのではないかい?一応教えてくれ」


「あ、了解です。俺のスキルは「暴走」です。効果は自我を失う代わりに全てのパラメーターが大幅に上昇します。」


そういえばクリフェンは俺のスキル知らないんだっけ?と思いながら自己紹介を締めくくった。


クリフェンの番になってもなかなか話出さないなと思い見てみると完全にノックアウトしていた…なので例のクリフェン専用万能薬を使い強制的に復帰させた。


「最後は俺ですね…アクトと同じく1年4組のクリフェンです。スキルは「抑制」でいくつか条件はありますが相手のなにかを抑制できます。例えばスキルの発動とかバフとかデバフとかです。」


アクトは意外に使い道のあるスキルだなとか思いながら聞いていた。


「クリフェン君、君のスキルは本当にそれだけなのか?」


「へ?何を言ってるんですか?学園長」


質問の意味がわからないと返すクリフェンに逆に驚きを表すユカルド


「ほぅ…まさか普通の人に二つ目のスキルが発現するとはな…」


『ユカルド、どういうことですか?』


興味深そうに聞くソフィア、驚いたようにクリフェンを見つめるアクト、何が起きているのか理解できていないクリフェン…彼らを見ながらゆっくりともったいぶるように口を開いた。


「クリフェン君のもう一つのスキルがある。それはスキル「守護神現化」だ」


「は?」


『何?』


「あぁ…なるほど…」


「アクト君は何か知っているみたいだね」


「はい、ここに来る前にクリフェンに襲われたんですがそのときに背後に千手観音が…」


「なるほどな…ちなみに派生スキルもあるみたいだね」


「え!?何それ気になる!!」


自分のもう一つスキルに興味津々らしく興奮気味に聞いた。


「それは……っとその前にここに招かねざる客がきたみたいだな」


『みたいですね…ったく面倒くさい…』


「んじゃギリアスの実験台にでもするか!」


「いやいやアクト、そこは俺の新しいスキルの実験台だろ」


そうこうしているうちに学園長室のドアがゆっくりと開いた…

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