第14話 ギシュル
「なあソフィア」
『はい、なんですか?』
「ソフィアが顕現できるようになるのに魔力量が足りないってどういうことなの?」
「あー確かに俺も気になった」
『あたいもー』
アクトの質問にクリフェンも乗っかりファニファはクリフェンが乗ったから自分もって感じで乗っかった
『簡単な話です。伝説級装備の派生スキル発現条件は熟練度ではなく魔力量なのです』
「な、なるほど…?」
『まだ理解できていないようですね…ではまずスキルについてお話しするとしましょう』
「いや、それは私が説明しよう」
「「ユカルドさん!?いつからそこに!?」」
「2人は本当に仲良いね」
『ですね』
『だねー』
まったく同じ表情でまったく同じことを言ってのけたアクトとクリフェンの相性の良さに3人は同じ感想を述べた
「スキルっていうのは魔法の下位互換っていうのは分かるね?」
「そもそもその魔法というのがイマイチ分からないんですが…」
『アクトはもともとそのことを聞くためにユカルドのところに来たんですから分からなくて当然でしょうね…』
「あ、俺も知りたいです」
『クリフェンが知りたいならあたいも知りたいー!』
「ファニファは知ってるだろうに…ではせっかくだから訓練をしながら話すとしよう。訓練場に着いたことだしな」
「あれ!?いつのまに!?」
「落ち着けクリフェン、俺も初めてBHF本部に来たときはそんな感じだから」
「そうだったのかい?はたから見ると随分落ち着いているように見えたが」
「内心は大荒れでしたよ…」
『落ち着いてクリフェン!あたいがいるから大丈夫だよ!』
「ありがとう、ファニファ」
「……なぁソフィア、クリフェンとファニファさんって」
『それ以上は言わなくても大丈夫です。おそらくアクトの考えてることと私が考えていることは同じですから…』
「おいおいおい、待たせといて謝罪の1つもねーのかよ」
「「エザール!?」」
「アクト君にクリフェン君…驚かせてすまないね、今回の実戦訓練の相手はこのエザールだよ」
「おい、ガキ共。相手してやるから全力で来い」
「あ、あいつ…!アクトに瞬殺されておいて…!」
「落ち着けよ、クリフェン」
「でも…!」
「確かにあいつは殺したはずだ。でも生きてるってことは何かしらのタネがあるってことだ。そしてユカルドさんが俺らの相手にこいつを選んだってことはそう簡単に割れるタネじゃないとも言える」
「ほう、意外に見抜かれているね…アクト君の言う通りエザールは簡単には死なない。だからこそ実戦相手にはちょうどいいと思ったんだよ」
「俺もその実戦訓練に参加するんですか?」
『どうしたんですか?実戦訓練の相手がエザールだからって怖気付いたんですか?』
「いやいやそんなんじゃないって…クリフェンも言ってたけど魔力量が全然ないからさ、できるなら魔力量を増やしたいなって思って」
「なるほどね…それには魔力量を増やす方法を考えないとね…それまでは実戦訓練に参加してくれるかい?」
「それはもちろん!」
『その実戦訓練には《ギリアス》を使わせても構いませんね?』
「構わんよ、というよりこの実戦訓練は自分の力を使いこなすために用意したのだから」
「自分の…力…」
「どうした、アクト?」
「ちょっとボリダー先生のアドバイスを思い出しててな」
「あぁ、あの自分の力を過信しすぎるなってやつか」
「ボリダー先生がそんなことを?こうなることを予想していたのだとしたら…さすがは“スペシャライザー”の最初期メンバーと言ったところか…」
「“スペシャライザー”?」
「何ですかそれ?」
「あらあらユカちゃん、それバラしちゃいけないやつじゃなかったかしら?」
「「ボリダー先生!?」」
「な…!てめぇは伝説の最初期メンバーの1人、『遠距離』のボリダーか!?」
『ユカルド…こいつの喋り方にはすごく聞き覚えがあるんですが』
『あたいもこいつの喋り方には聞き覚えがあるかもー』
ソフィアとファニファは嫌そうな言い方をした
「どうしたの?ソフィア」
「落ち着けってファニファ、あの人は俺たちの先生だから安心しな」
「ソフィアとファニファはもう誰だかおおよそ推測できているみたいだな」
「あらこの声はソフィーちゃんとファニちゃんじゃないの!しかもファニちゃんは顕現までできてるじゃないの!」
ボリダー先生は嬉しそうに女の子飛びをしている…ヤバイ、ゴリマッチョの威圧オバケがぴょんぴょん跳ねてる…キモい、吐きそう
アクトとクリフェンのみならずユカルド、ソフィア、ファニファに加えエザールまでも同じことを思ったのは言うまでもない……
「もうソフィアとファニファにはバレてるみたいだし自己紹介でもしたらどうかね?ボリダー君」
「それもそうね…ユーステリア学園で保健の授業を担当しているボリダーよ」
そこまでは普通だったが…あの見た目で保健担当はあれだがそれは置いておくとして…
「建前上の肩書きはいらん。本当の正体とやらの自己紹介をしてくれないかな?」
「その言い方はひどいじゃない?あたしとユカちゃんの仲じゃないの」
『御託はいりません。早く名乗りなさい』
『そーだそーだ!…まぁもしあたいの予想通りの人物だったら質問責めにするかもだけど』
「ファニファは少し落ち着いてね?」
ファニファの態度にすかさずなだめにかかるクリフェン…リア充かよ、チッ
「じゃあ改めて自己紹介するわね。アタシの名前はギシュル、これでも世界屈指の魔操師だったのよ?」
「ユカルドさん、魔操師ってなんですか?」
「あれ?ソフィアから聞かされていないのかね?」
『そういうのも全部ユカルドに押し付k…任せようと思っていたので』
「おい、今押し付けるって…」
『そういえばあたいもクリフェンに教えてなーい』
「ファニファ、お前も押し付ける気なのk…」
「「教えてください、ユーフェイ先生!」」
「なんで今その名前出した!?」
『ついでになんで学園を立ち上げたのかについても教えなさい』
「ユカちゃんも人気者ね」
「うるさいぞ、ギシュル!」
「アクト様ー!探したのよ!」
「アクト君!いきなりいなくなったら心配するじゃないか!」
「シャドウにセレス!?なんでここに!?」
「俺の名前を呼ぶ声は無しか…そうだよな、俺はどうせアクトの近くにいるだけの木偶の坊だよ…」
あ、クリフェンが病んだ
「アタシが連れてきたのよ。アクちゃんとクリちゃんを探してるみたいだったから」
「え、俺のことも探してたの!?」
あ、クリフェンが復活した。さすがはボリダー先生、よく分かってる
「どうして私たちがここにいるって分かったのか聞いてもいいかね?」
「どうやらセレちゃんにはアクちゃんの居場所が分かるみたいなのよ。でも認識阻害のせいでたどり着けなかったみたいね」
「な、なぁクリフェン」
「な、なんだアクト」
「非常に嫌な予感がするんだけどさ」
「やっぱ俺たち気が合うな、俺も嫌な予感がするよ」
「あの…ユーフェイ学園長。アクト君の体に今いる場所が分かるような何かが仕掛けられてないか分かりますか?」
アクトとクリフェンの不安を察したのかシャドウがユーフェイに聞いてみたらできるとのことだったのでお願いして調べてもらった。
「ん?何かあるな…制服のえりの部分を調べてみてくれないか?」
「んじゃアクト、ちょいと失礼……なにこれ!?」
クリフェンが叫びセレス以外の全員がクリフェンの手に握られているものに注目した
「……マジでこれ何?ソフィアはこれが何かわかる?」
『いえ…これは初めて見ました』
「ファニファは?分かる?」
『ごめんねクリフェン…あたいにもこれがなんなのか分からないよ…』
「僕もこれが何か分からないかな…」
「アタシには見覚えがなくもないけど…」
「私にも見覚えはおるがこれが未だに機能するとは…にわかに信じられんな」
「こらセレス、逃げようとするな」
一部の者には何かバレて都合が悪くなったのか逃げようとしていたセレスをアクトがとっ捕まえた
「これが何か説明してもらうぞ?」
「ついでにこれをどこで見つけたのか教えてはくれないか?」
全員に詰め寄られ観念したのかセレスは手を上げ降参を示した
「これがなんなのかについてだけど…名称とかは知らないけど取り付けた相手の場所が常時分かるようになる代物らしいわ」
恐ろしい代物だとアクト、クリフェンにシャドウは戦慄せずにはいられないが他の人が黙っているのを見て静かにすることにした
「それにこれは見つけたんじゃなくてもらったのよ、エフト先生に」




