92、三回戦の戦闘
こうして料理は同時にできた、といった話になり審査が開始された。
まずはこの“自称・悪の美食会”のボスの煮込み料理からだ。
どうやら魚の入った煮込み料理であるらしく、この前浜辺でサラが作って貰ったものと似たものなのだろうと俺は推測した。
そしてたっぷりとそれらのスープを盛る。
「おかわりは自由です」
などと彼は言っている。
やはり以前の人物たちと同じ、おなかを先に一杯にさせてしまう作戦なのだろうか?
そう思っているとそこで食べていた一人が、
「この魚がふっくらとしてうま味もあって非常においしい……う」
そこで突然呻きだしたのだ。
しかもほかの人達も、クレアやサラたち……は、なぜか口をつけていなかった。
どうしたのだろうと俺が思っているとそこでサラが、
「この料理には毒が入っていますね」
「……よく分かったな」
“自称・悪の美食会”のボスがそこで笑いながら話し出した。
「すでにほぼ全員が口にしているから、もういい頃だろう。そう、その女の言う通りこの料理には毒が入っている。確かにおいしい料理だと思うが、それでは私の勝ちは決まらない。それならば、確実に勝てるよう、盛るに決まっているでしょう。そして解毒剤を持っているのは私、それがどういった意味が分かりますね?」
そう言って自信満々に“自称・悪の美食会”のボスは言いだした。
もう料理勝負じゃなくなっているぞ、といった突っ込みを俺はしたくてたまらなかったが俺は、それよりも前にすることがあった。
まずは“選択画面”を呼び出してそして、
「えっと、“解毒の風”。これでどうだろう」
俺は毒などの異常状態を回復させる魔法を選択した。
ここにいる集団にかかっている毒状態を解除する魔法だ。
そう思っていると審査員である彼らの足元に光の魔法陣が広がって、
「あ、あれ、楽になった」
「私もです」
といったように口々に、毒の効果がなくなったと言い出す。
それを見て“自称・悪の美食会”のボスが、
「ば、馬鹿な、これは特製の毒薬で……いったいどうやって」
「特殊能力で解いたのでよく分かりません」
俺はそう答えると悔しそうに“自称・悪の美食会”のボスが、
「異世界人め……こうなったら、力づくで我々の勝利としてくれるわ!」
そう言ってどこからともなく多数の彼の部下たちが現れる。
料理で戦うはずなのになんでそうじゃない方向に行くのか、倫理観はどうなっているのか? と俺は思ったが、こういった人物たちだから乗っ取りになったのだろうと俺は理解した。
そして理解したからあとは、
「こいつら全員と戦うのか。なんで料理勝負なのに戦闘しているんだろうな……なんて嘆いていても仕方がないか。とりあえず倒せるだけ倒そう。今回はいつもより多いから、サラににらまれないだろう」
そう俺がが思いながら百合や寿也たちと一緒に倒していく。
審査員の人達も手伝ってくれて最終的にボス以下全員の、攻撃に転じた料理人がお縄に着いて、そこでボスが、
「異世界人など悪魔だ! あいつらが“魔族”をよんでいるんだ!」
などと叫びだした。
だがこれまでの行動でまったく彼らは信用されずそのままどこかに連れていかれてしまった。
警備の騎士団の人達もいたため良かったようだ。
とりあえずは一通りの出来事が終わり、俺は、
「俺たちの方の料理どうする?」
と俺たちが話し合っていると、審査員の人達がせっかくなので食べてみたいと言い出したのだった。
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