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73、次の戦い

 男の声がする。

 この家に用事があってやってきたようだが、なんとなくこう、道場破りの気配がする。

 俺たちに関係しないものだといいなと俺は思った。


 そこで窓の外を見ると、以前倒した料理人のグズダのような人物がいる。

 どこからどう見えも彼らの仲間のように見える。

 ただ気になったのはその後ろに控えているような料理人たちだ。


 なんとなくこう、一般人のような雰囲気がする。

 なんなんだこの集団はと俺が様子を見ていると、クレア達や寿也達が対応しているのが見える。

 言い争っているようだが、あまりいい状況ではないのだろうか?


 そう俺が思ってみていると、そこでその男がにやりと笑う。

 何かをクレア達に告げてクレアが何かに反応している。

 だがこの位置からは聞こえない。


「また料理勝負か何かをさせられそうになっているのか?」


 俺はそう一人呟くがこの位置からはよく聞こえない。

 そして何かを言い合って、それからその人物たちは去っていた。

 話を聞きに行くか、と思って俺は部屋を出る。


 玄関のあたりに人が集まっていたようだからとそちらに向かおうとすると、百合と遭遇した。


「わたしの部屋からも聞こえたから様子を見に来たの。でも、魔t料理勝負になっていそうな気がするね」

「そうだな。こうやって一か所にとどまっていると、料理勝負を申し込みやすかったりするのか?」


 ふと思いついたことを口にすると百合が黙ってから、


「ありそうだね。この世界での生活するためのお金の稼ぎ方も分かってきたし、そろそろクレアの家に迷惑がかかりそうだし……クラスメイトを探しに行く?」

「そうだな。いつかはクラスメイト全員で集まらないといけないから、そろそろ探しに行った方がいいかもしれない。このクレアの家にも迷惑が掛かりそうならその方がいいかもしれない。後で寿也たちと相談してみよう」


 そういった話を俺たちはしながら玄関の方に向かう。

 と、ちょうど外から中にクレア達が返ってきた。

 そこはかとなく顔色が悪いように見えるがどうしたのだろう?


 そう俺が思っているとそこでクレアが、


「すみません、私、挑発に乗って……三本勝負の料理バトルを受けてしまいました」

「それは、それは……」


 俺はどうしてそんな風になったと思っているとそこでサラにクレアが、


「でも、町の人や隣町の普通の料理人が“自称・悪の美食会”を抜けるにはそれが必要で、でも……」


 そこでクレアが口を閉じる。

 どうしたのだろうかと俺が思っていると、


「その“自称・悪の美食会”のトップがここに来ると。その人とも戦うことに」

「どうしてそんなことに?」

「異世界人の料理がうますぎるのだから、部下では歯が立たないのだろう、といった話になったそうで……」

「……負けるとどうなるんだ?」

「新しい人物をこの町に派遣するのだそうです」


 そういった話をクレアがする。

 だが、初めからもとあった権利を取り戻すつもりで準備していたのかもしれない。

 もしも挑発に乗らなければ別の手を考えていたかもしれない。


 そう俺は思いつつもクレアに、


「プロの料理人に俺たちが勝てるのかは気になるが、約束はしてしまったわけだから、やるしかないか」


 俺の言葉に、寿也と百合も頷いたのだった。

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