74、献立と材料
こうして俺たちは、料理勝負に出ることになった。
そうなると献立だが、と俺は考え始める。
「やっぱり日本の料理の方がいいか? それとも洋食のようなものでもいいのか? 変わったものがあるといい、といった話もあった気がするが」
そう俺が百合や寿也に話すと、まず寿也がすっとカップラーメンを取り出すも、俺は、
「この前の事を考えると、この手は使えないかもしれない。屋敷の情報が筒抜けだったしな。……あちら側の人間が、何人もここにいるのかもしれない」
「確かに。これが使えないのか……」
寿也が悲しそうにカップラーメンを見た。
すると幼女のライカが、
「食べたい」
「うん、いいぞ~」
寿也が嬉しそうにそう答えて、お湯を生み出していた。
そういえばこの幼女、カップラーメンを沢山食べているが太る様子も何もない。
美味しいかどうかはわかるが、満腹という概念がないのかもしれない。
この子は本当に人間なんだろうか?
やはり魔法的なファンタジー世界なので人間以外もたくさん……エルフやドワーフのようなものもいるのだろう。
そう俺は思いつつ、けれどまだ人間でないと分かったわけではないので俺は沈黙する。
そして俺と百合はこっそり日本食関係の献立を考えつつ、
「とりあえずはこの世界の食材や味などを見せてもらおうか。そこにいろいろとアレンジを加えて行ってもいいわけだし」
「そういった方法もあるよね。現地の人の食品の方が、現地の人になじみがあるかもしれないし」
そういった話を百合としながら俺たちは、クレア達に頼んで調理場で、食材を見せてもらうことになったのだった。
俺たちの元の世界で並んでいるような野菜が、ここの調理場にはあった。
「ニンジン玉ねぎトマト、カボチャ……他にも色々あるな。この辺りは知らないか?」
というわけで、知らない野菜などの調理法も含めて、クレアの家の料理人に聞く。
一応は話を聞いておかないと、知っているような野菜でも、もしかしたならこの世界では問題のある調理法かもしれないからだ。
例えば日本では生の卵を食べたりするけれど、海外の場所によっては加熱調理前提だった、といったような齟齬があるかもしれない。
他にも調味料などを聞いて、カレーが作れるかもしれないといったことを思いつく。
いくつかスパイスの味見をさせてもらうと、似たようなものがあったからだ。
以前自宅で趣味で香辛料からカレーを作ったことがあったが、その知識が今は役に立てられそうだと俺は思った。
それらの話を聞いてから、今度はこの町の八百屋などもクレア達に案内してもらう。
あそこにあったもの以外にも色々な素材があるからだ。
また、乳製品の類を見に行ったりもした。
俺たちが欲しいような野菜、肉、スパイスなどは一通りそろっているといったことが分かる。あとは、
「素材の良さだな。より新鮮なものを手に入れるとなると、この前のキノコを山に取りに行ったような感じになるのか?」
「そうですね。今の時期に旬の素材を山などに行ってとってくるといいかもしれませんね」
クレアが俺の問いにそう答えたのだった。
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