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58、キノコ狩り

 それからギルドでのお試し依頼を受けた俺達は、サラたちに案内されて町の近くにある森にやってきた。

 町から出るにはそれほど時間はかからなかった。

 ギルドからそれほど遠くない場所……十分程度歩いていくと周りに森が広がることになった。


 ギルドから一番近い森でキノコのありそうな場所、そこに案内してもらったのだ。

 “魔族”やら“料理人”との初戦闘を行い、疲れていた俺にはちょうど良かった。

 早速森に続く小道の所で、


「では、目的のものを探してみて下さい」


 と、サラがやけに目を輝かせている。

 それを見て俺は、


「でも上手く出来るか分かりませんよ。“選択画面”でトロ会えず魔法を選んで……探したいものの名前の記入欄が出てきた。確か名前は……」

「“ハエルンデス”」


 サラに言われてそれを入力し、後は探査のボタンに触れる。

 こんなお手軽でいいのだろうかと俺が思っているとそこで、目の前に大きな光の板が現れて、線で等高線らしきものがあらわされた地図が映し出される。

 それによると赤い印があるのが俺のいる現在地で、黄色い印があるのは目的のキノコのある場所らしい、のだが。


「この位置だとすぐそばに二本くらいありそうですね。早速探してみましょうか。でもこの表示は歩いている間は消さないといけなくなるのか? それともここに固定されるのか……歩いてみるか」


 試しに俺は前に歩き始めると、地図もその分俺の前に移動する。

 ただ目の前にあるのも透き通っているとはいえ邪魔なので、試しに横に手をふるとそちらに移動する。

 微妙に便利だ。

 

 それから表示された場所に向かう。

 藪の中とはいえ、一分もかからない。

 そして俺はその場所へ入り込んで木の根元を見ると、


「……ありました。どこからどう見ても毒キノコですと主張するようなキノコが……」


 俺はそれを見て手を出しそびれているとそこでサラとクレアが嬉しそうに、それらを摘み取って、


「わ~いい香りです。超高級なキノコ、私だって一念で一度ひとかけら口にできるかどうかなのに二本も!」

「そうですねクレアお嬢様。キノコの王様と呼ばれるこれが……まさかこんなところに生えているなんて。……依頼は一本でしたね」

「ええ、そうですね」

「ではもう一本は……」


 サラがそこで言葉を止めた。

 そしてじっと手元にあるキノコを見る。

 よほど美味しいものなのか、どちらも譲る気がないようだ。

 

 その様子を見ながら俺は寿也、百合に、


「あのキノコ、食べてみたいと思うか?」

「俺は無理だな」

「私はちょっと……」


 といった答えを聞いてそれから、


「しばらくサラヤクレアやお屋敷の人にもお世話になるから、もう少しこのキノコを集めてお土産にするのはどうだろうか」

「あ、それはいいかも」

「……確かに世話になるならそれくらいは……」


 百合と寿也の許可が出たので俺はクレアとサラに、


「ではもう少し森を探して、このキノコを探してクレアの家とサラのお土産にしましょうか」

「「いいんですか!」」


 サラとクレアが嬉しそうに頷くので俺は、若干引きながら頷いたのだった。

 

 

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