7話 依頼2 姉さん
すいません。だいぶあきました(泣き)
「さてさて~、それじゃあ行きましょうか~レッツゴ~ですよ~」
「・・・・・・先生、異常に元気ですね。」
2日後、わたしとイクト君とユーリ先生は依頼のために学園の前に集まった。
今日みたいな依頼の日は学園も私服を許してくれるので、みんなの服装は今まで見たことがないものになっている。
イクト君は、黒の動きやすそうなあっちでは中国服と呼ばれているのみたいな格好。ねこ耳が底からのぞいていてとてもいい。かっこよくて・・・もう・・・・
(サクヤ、戻ってきてください。)
っは!ええっと、それでユーリ先生は白いローブだ。一見、ただのローブだけど、よく見てみると花の模様がついていたり、レースが所々にアクセントとしてついていたりと、とてもかわいい。先生・・・魔装姫になるならないの話がされていたときもその格好だったのかな・・・騎士の人たちの数人は、たぶんオオカミになっちゃったんだろうな~だって、わたしもこれはやばいと思うからね!
「あれ~どうしたんですか~そ、そんなにじろじろと見られてもですよ~。」
なっ、何という感の持ち主!ふり返りながら言ったよね、今。ようするにずっとあっち見てたよね・・・やっぱり、すごいよ!流石先生だ~
そしてわたしは無難な答えをした。
「いえ、服が似合ってるな~って」
「へ・・・え?ほんと~?わたしに似合ってるの~・・・もうう~、」
・・・あれ?先生がほうけた顔でどっかに行っちゃったよ・・・(精神的な意味でね!)
「・・・クスッ」
そんわたしたちを見て、イクト君はクスリと笑った。・・・そんなにわたしの返事変だったのかな?
「そろそろ魔物が出るところだ。」
気を抜きながらここまで来ていたところで、イクト君が注意をうながした。今、わたしたちは丁度海の上。ディアーナ島への航路上にいる。ディアーナ島に行くには本来海を使うので、船頭さんを雇う必要がある。でも、わたしたちは学園の、ギルドの依頼できているので訓練の意味もあって自分たちで船をこぐ。すると、当然海の魔物との戦いも自分たちだけでしなくてはならなくなる。
なので・・・・・・
「右。くる。」
「もうそんな海域なんだね。わかった。」
「がんばってくださいね~。わたしも頑張るですから~」
わたしたちがこうして戦闘海域にはいるとすぐにこうなった。船の下を見ると黒く染まっている。・・・あれ全部魔物って・・・
「サクヤ、後ろ半分はオレがやる」
「わかったよ。じゃあ、前はつぶしとくな。」
よしっわたしたち完ぺき。こんなに早く役割分担できるなんて、わたしたちはもう相性ばっちr・・・・・・
(サクヤっ!敵に集中してください!!)
(・・・あいむそーりー)
(何言ってるんですか・・・早く!)
「はあ~・・・やるか。よし、【サイト・ブースト】」
肉体強化をかけると同時に視界が一気に広がり、周囲からわたしだけ時間と言う枠をでてしまったような感覚が来る。【サイト・ブースト】・・・それは、強力な肉体強化を目だけに集中させて扱う魔法。本来、肉体強化は全身にかかり、そのために一か所一か所にかかる密度は少なくなる。でも、わたしはこの何年かの練習の末に、体の好きなところに好きな密度でかけられるようになっている。まあ、正直言うと全身にかけようが、一部にかけようが、消費する魔力はあまり気にならないくらい少ないし、もし強い敵が来たとしてもすぐに変えられるからあまりメリットはない。だけど、わたしが全身にかけると肉体強化にある欠点の「かけたところが発光する」というどうしようもない現象で、わたしが女だと言うことが先生にバレてしまう。つまり、わたしはよっぽどの敵がこない限り目以外には強化を欠けられないのだ。・・・・・・すっごく損した気分だけど。
「や!」
わたしは跳ね上がった視界の中で高速で突っ込んでくるものを捕らえる。それはあっちでいうトビウオ。しかし、こっちのトビウオは体の先端がとがっていてあたると、お腹からのぞいてみるとあらら、背中の方が見えるよ!みたいな少々メアリーちゃんのような子には見せたくないことになる。そのうえに、この魚のとがった先には見事な毒が塗ってあり、くらうと2時間であの世にいける。まあ、怖いだけで弱いんだけどね!
「あら~・・・真っ二つですね~」
先生が声を上げたのはわたしがトビウオを切りさいたから。
弾丸のようにトビウオたちはわたしに襲いかかる。
その一匹一匹をわたしの強化された目は的確にとらえる。左へ振り抜くと同時に右足を半歩前に出して一回転する。そうすることで後ろ、上、左から来たトビウオを視界にとらえて一気に切りさく。そうして一回転したところで右足にくらいついてくるトビウオを刃の根元で切って、上にのび上がる動作でさらに一匹、二匹と切り落とす。
「・・・・・・奇麗・・・」
わたしの剣は体を大きく使い、回転を主体として威力をだす。見ようによっては舞に見えるらしい。そしてそのことからアルフィはこの剣に名前を付けた。
『剣舞・桜吹雪』って。正直恥ずかしい。だも、今はその名を付けてくれたアルフィに感謝している。だって、その名に相応しいようになるという目標ができたから。だから、わたしはさらに速く回転した。そして、倒されていくトビウオをどんどん切っていく。
そして、気がつくと船の周りには血の海ができていた。わたしの剣で切りさいたトビウオの血は、一滴も船にかからず、わたしを汚さない。それは、回転によってふき飛ばしたから。
わたしはそれを見て満足した。よし、今日も合格だ!
(肉体強化をかけないのにそんなことをするなんて・・・。やっぱりサクヤは剣の天才です。)
(ふふっ、ありがと)
わたしが念話をやめると、先生が飛びついてきた。・・・イクト君が飛びついてきたらよっかたのに・・・
「すぅっご~いです~。サクヤ君、奇麗ですごい舞でしたよ~わたし、ほれぼれしました~」
「えっええと・・・あ、ありがとうございます」
「はい~、これならどんな敵が来ても安心です~」
更に近づいてきて、抱きしめられるわたし。ヘルプミ~という感じでイクト君を見ると・・・
「(が・ん・ば・れ)」
み、見捨てないでよ~・・・(泣き)
***
「・・・ついたな。」
あれから色々とあって、わたしたちはディアーナ島にたどり着いた。・・・その途中のせいでわたしの心のライフは半分をきったけどね!
とまあグチを言いつつも、港からの景色を見る。
美しく、どこまでも走る海岸線。風で舞い上がる砂は、一つぶ一つぶがまるでガラスのようにキラキラと輝き、何とも言えない美しい光景を作る。そして、内陸の方に目を向けると奥にある大きな山、この国で最も高くそびえる「ラクーラ山」がそびえたっていた。そして、国で最も大きい島なだけに、集まる大勢の人たちのにぎわい。わたしはその光景に心を奪われていた。
「・・・すごい。」
「ふふふっ、そうですよね~。それじゃあ、ギルドに顔を出しに行きましょう~」
無論この島にもギルドはある。でも、学園のギルドには訓練も兼ねているので国内全島の依頼がはられる。だから、わたしたちはこの島の依頼を受けられたのだ。
わたしたちが歩いていくと、港のはずれに一きわ大きな建物があった。それが、この島のギルドだ。
「・・・ここのは、荒くれが多い。気を付けろ」
「へっ・・・うん」
や、やった!イクト君が・・・イクト君がわたしの心配をしてくれたよ~
(サクヤ、良かったですね。でも、心優しいイクト君のことだから、だれにも言うと思いますけどね・・・)
(うっ)
「さあ~て、入りますよ~」
わたしは、アルフィに乙女の夢を粉々にされてギルドに入った。そして、中を見てイクト君の言ったことを理解する。
「うっわ・・・」
わたしが無意識に声を出してしまうほど、わたしたちに突き刺さる視線。元々、あまり人に見られるのが苦手なわたしにはキツイ。
中にいるのは、マッチョなおじさんとか、刺青をして煙草をふかしているガラの悪そうなおにいさんだった。正直言って殺しやみたいな人もいる。・・・そしてその人たち全員が、例外なく先生に尊敬の目を向けているのがおもしろかった。・・・なんていうか、うん、先生すごい。
「・・・なんなんだ、これ」
「ふふっ、びっくりしましたか~?わたしは~この島出身なので~み~んな知り合いなんですよ~。それにそれに~わたしは~学園に通わずに冒険者をしてたので~みんなお友達なんですね~」
・・・・・・すごい。あんな人殺してそうな人まで・・・うん、人は見かけによらないんだね・・・
そんなことを考えていると、向こうから刺青をした人が声をかけてきた。
「ユーリ姉さん!お久しぶりです。いや~立派な先生になられて・・・流石ですね!」
・・・姉さんって・・・(笑)
「はい~がんばったです~。う~んと、シーア君もがんばってますか~?」
「はい!最近ランクがAに上がったところですね。まだまだです」
え?Aランカーなの?・・・す、すごい、上から二番目じゃない・・・
「先生・・・異常のようだ。」
わたしはイクト君に大きく肯いた。
「そうだね、わたしはもう驚きの限界だよ・・・」
「同感。」
話していると、わたしは後ろから他と違った視線を感じた。それは、明らかな敵意。そして、粘りつくような悪意。
わたしは急いでふり返った。
「サクヤ・・・」
「うん、要警戒かな。」
後ろでこっちに目を向けていたのは少し気取った男。金髪が少し奇麗なイケメン。だけど、その目と、いやらしい目つきは、明らかに敵。
向こうもこっちが見ているのに気がつくと、一瞬驚いた顔になりそしてどこかへ行った。
シーアさんもそれに気づいたようでわたしたちにこう言った。
「ああ、姉さんの生徒さんたち、あいつが気になるのか?まあ、そうだよな・・・あいつは目が悪いし。でも、お前たちは関わっちゃいけねえ。あいつは、ランクAが沢山いるチーム「猟犬」のリーダーキリアだ。正直言って、このギルドではあいつ自体に敵うのが多分オレか姉さんだけだからよ・・・本当に迷惑なんだよな~あいつら」
「・・・ランク、あがったばっかりじゃ?」
「オレのランクは、ただ単に討伐系しかしなかったからだよ。採取系もやらんといけないとか、本当にかったるい」
そんなことを話している内に先生が来た。
「さて~それでは行きましょうか~。依頼場所は、ここから内陸へ2日ですよ~」
「・・・まあ、行くか・・・」
「そうだね」
わたしたちは少し不安をいだきつつもギルドを発つのだった。
今回の話で、わたしは連載休止になります。
前にもお伝えしたとおり、わたしは受験生。先日はついにこのパソコンも母に見つかり・・・はい、図書館での投稿に・・・
なので、これから二月の半ば、予定では20日ごろまで休載します。
私事で止めてすいません。しかし、そのぶん受験終わり次第、今よりハイペースで書いていきたいと思います。なにとぞ、ご理解をよろしくお願いします。