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スラッガー⚾️  作者: 宇目 観月(うめ みづき)
20/29

練習再開

二月から、待ちに待った野球チームの活動がようやく再開したんだ。


久しぶりに野球が出来るんで、僕は嬉しくて仕方なかった。



野球って、やっぱり面白おもしろい。


白球が、


『シュウウウ』


って飛んで来て、


『パシッ』


って取って、


『ビュッ』


って投げて、


『キーン』


って打って、思いっ切り走って、仲間達と声

を出し合って、ジョークを言い合って、全て

が最高に楽しいんだ。


サッカーも素晴らしいけど、僕にはやっぱり

野球が向いてるって思った。



オフにしっかり走り込んだおかげで、練習中

も息切れしなくなった。


投球フォームが安定したんだ。


体のじくがあまりブレなくなって、

コントロールも良くなった。


チェンジアップはまだ、真ん中にしか投げられなかったけど、ストレートならコースに投げ分けられるようになったんだ。



守備の方も、送球が安定してきた。


監督が言った通り、


いちさん


って、あわてず落ち着いて投げるようにしたら暴投がほとんど無くなった。


緒方コーチのノックもたくさん受けたしね。


以前は、何であんなに急いでたんだろうって

自分でも不思議なくらいだった。


[やっぱり、 状況じょうきょうに合わせて送球しないと

ダメだな]


って、僕は思ったんだ。



バッテイングの方は、小学校のフェンスまで

ダイレクトで大きな打球が飛ばせるようにな

ったんだ。


チームのみんなも驚いてた。


これまでチームの中で一番飛ばしてた英次君

や木村君より、遠くまで飛ばせるようになっ

たんだ。


この二人は身体からだが大きくて、身長が百六十五

センチをえてるんだ。



英次君は優しいから単純に驚いて、


「翔太お前、小さいのにスゲーな」


って言ってた。


木村君は負けず嫌いだから、


「チックショー! 飛距離だけは翔太に負けないからな!」


って言って、ムキになって大振りしてた。



何でこんなに打球が飛ぶようになったのか、

自分でもよく分からなかった。


以前はライナーせいの当たりがほとんどだったのに、最近はホームランせいの大きな当たりばかり出るようになったんだ。



監督に聞いてみたら、


「そりゃあ翔太、お前も体がデカくなったか

らだろう。あの二人にくらべるとまだ小さいけ

ど、去年と比較ひかくすると、お前もずいぶんデカ

くなったよ。力がついてきた証拠しょうこだ。それか

らボールのしんの、少し下をたたけるようになったのも原因じゃないか?」


って言われたんだ。



確かに僕は大きくなってた。


去年の夏から七センチ身長が伸びて、この春には百五十五センチになってたんだ。


以前は、大きくてこわいと思ってた耀が、

最近は小さく見えるようになった。


百六十センチの耀と、五センチしか違わなくなってた。



だけど僕は、ボールの芯の少し下を叩いてる意識いしきは全然なかったんだ。


「監督、僕、ボールの芯の少し下なんて狙ってないんですけど」


って、僕が言ったら、


「狙って打てるもんじゃないと思うよ。俺が昔読んだ王選手の本に、ホームランバッター

はボールの芯の五ミリ下を自然に叩けるって書いてあった。俺もよく分からんが、ホーム

ランバッターには、そういう天性てんせい才能さいのうがあ

るらしいんだ。翔太、お前も多分それじゃな

いか。大振りしてるわけでもないのに、お前

が打ったボールは何であんなに飛ぶんだろう

って俺も最近よく考えてたんだ。まあ翔太、

むずかしく考える必要は無いさ。大きな打球を飛ばせるのは良い事なんだから」


って、監督は言ったんだ。

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