第16章 正斗の運動会 part6 昼食
今年の年中児や、年長児は、たくさんの賞をとった。年中児は、縄跳び競争で、歴代記録の354回を更新して、597回となり、大会新記録、また、この市内で一番縄跳びがうまい人として認定された。竹馬競争では、歴代記録の100m4分23秒を更新して4分15秒となり、大会新記録を記録した。
そして、時間は昼食となった。正斗は、雪子が警察に連行されているので弁当を食べることができないのだ。困っていると、神原がこっちに向かってきた。
「正斗くーん。いっしょ………。」
神原が言い終わらないうちに流佳子がやってきた。
「正斗君。一緒に食べよう。お弁当いっぱい持ってきちゃったから。」
と言い終わらないうちに、流佳子は正斗の手をつかんで強制的に連れて行った。正斗は警察に連行された雪子の気持ちがわかったような気がした。
しばらく歩いて食べる場所を探していると、保太がいた。保太は困っている顔をしていた。弁当を食べることができないのだ。保太や京子は周りの人からも嫌われており、周りの人から無視されていたのだ。
流佳子は当然保太を無視した。正斗もかわいそうだと思ったが無視した。
流佳子たち3人は許容範囲の一番端で食べた。レジャーシートをパーと引くと、正斗は自分の弁当であるかのように3つあるうちの1つの弁当箱を奪った。晃が取り返そうとしたが正斗にはかなわなかった。そして、箱を開け、口に流し込むようにして入れた。それを見た流佳子は副園長先生を呼んだ。
「正斗君の食べる姿を記録してください。」
「えーと、年少の最短記録は、100gあたり1分13秒です。」
流佳子は副園長先生に弁当箱を渡した。そして、副園長先生は、重さをはかった。153gだ。
「位置について―よーい ドン!」
正斗は口に食べ物を放り込み始めた。そしてあっという間になくなった。
「記録、1分40秒です。100g当たり1分5秒。ということで大会新記録―。」
正斗は、新しい大会新記録を出した。そして昼食の時間は終わった。
第17章へ続く。




