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1 ガティークソードの力

 俺は佐波さんと会ってから少し話をした後、別れることとなる。

 彼女は避難所へ行かないで、モンスターの撃破をすると話す。

 一人だけではさすがに危ないため、俺は三木島と合流してからならという条件でそれを許可した。

 念のため、ミュサもシュンも同行させているので、大事にまではならないはずだ。


 別れてから俺はモンスターとの戦闘へと移ることになる。


 今の俺は小さい竜のモンスターに向けて斬撃を放つ。

 それも一瞬の間に三回の斬撃をだ。

 斬撃を受けて、竜のモンスターは光になる。


「このガティークソード……凄いな」


 俺は大きな変化に呟く。

 ベルガルドエンデスに粘着混成させたガティークソード・サードタイプに。

 この剣はヴェルナの戦闘の後で手に入った剣だ。


 その驚く部分は魔力を注げば、俺の体を軽くできることだ。

 剣を振る速度も段違いになって、一瞬の間に斬撃を何発も叩き込めるようになっている。

 だが、この変化で出来ることはそれだけでない。


「俺を浮かせるまでに軽くできるってのは驚いた」


 あの戦闘から粘着浮遊化、爆弾浮遊化、それと反射停滞化のスキルを獲得した。

 粘着浮遊化は粘着したものを宙に浮かせるスキル。

 今の俺は軽くした状態で粘着化した空気に全身を包んで、空中を浮いていたのだ。


 その要因があって今は空中に浮いたまま戦闘しているところだ。


「といっても、やっぱり空中の戦闘の経験なんてないし、浮かせ具合も加減が分からない……」


 空中でふらつきつつ俺は呟いた。

 その中で足の浮遊を無意識に強めてしまう。

 結果、足を持ち上げられたかのようになってバランスを崩す。


 そこで大きな羽を生やした人型の黒いモンスターが爪で攻撃してくる。


「うわっと……! もう少し慣れないと実戦ではきついな」


 俺はふらつきつつもかわして、カウンターとして四回の斬撃を当てる。

 結果モンスターは光に包まれて消える。


 更に俺は見渡した。

 その周りには8体の飛ぶモンスター。

 二対の翼のモンスターや、羽の生えた人型、雲のようなモンスター、さらには円盤に乗ったおじさんのようなモンスターといった顔ぶれ。


「このまま空中戦を挑むのは不味い……これ以上数が増えたりしたら、俺だってひとたまりもないし」


 二対の翼のモンスターの二匹が交差するように突撃し、俺は真下に下がってかわす。

 その勢いのまま、俺は地上へと向かって落下をする。


 その動きに周りのモンスターは俺を追い始めた。

 流石にそのまま俺を放置とは行かないか。


「だったら、こうするか」


 俺は空気を粘着化して、それをさらに爆弾化させる。

 薄い膜のように空気は広がって翼のモンスター二匹と雲のモンスター二体を捕縛する。

 その空気に赤い線が走って、黒い煙を起こす爆発をした。


 この黒い煙が煙幕代わりにもなるだろう。


 その隙に俺は地上へと着地した。

 足の粘着化した空気で衝撃を和らげて。


「それで追ってきたお前たちは……こうだ」


 俺は剣に魔力を注いで、結晶を精製する。

 黒煙から四体のモンスターが出てくる。

 顔ぶれは円盤のモンスター一体、羽の生えた人型二体、雲のモンスター一体。


 結晶は刃の型に整えた。


「炎魔法、ブラストボム」


 俺は結晶にこの魔法の効果を乗せて、四体のモンスターへと斬撃を放つ。

 斬撃を受けてそれらのモンスターは後退。

 その後すぐに爆発した。


 爆発の後にその四体のモンスターは煙の下を抜けていき、光となった。


(堂々と空へ攻め込むのはダメそうね)


 俺の中からアムリスからの言葉が響く。

 あのモンスターたちに追われたのも空へと攻め込んだからだ。

 何故かあのモンスターたちは地上から空へと飛ぼうとすると、異様に警戒する様子を見せていた。


「ああ、やっと追っ手を追い払えたんだから。あのまま空へといたらどんどん追っ手も来るし、空になれてない俺だとまずい」


(じゃあ、しばらくは地上で探すしかないってことね)


「今回の主犯は地上から探すしかない」


 この騒動を起こした主犯、早乙女とジャクソンを倒す、これが俺の目的だということ。

 無暗に空で戦って、必要ない浪費をしては主犯を倒す力だって温存できない。


(トルーハに乗ってもやっぱりダメそうかな?)


「そうだな。飛んでくれる相方がいても俺が空の戦いになれてないから、いい結果にはならないと思う」


 そう言って俺はトルーハさんへと目を向ける。

 彼も実際に強いことは間違いない。

 事実モンスターをダンジョン外に出てから何体も倒している。


「天川君、今度は左と右どっちの道に行くかい? 俺、右の方行きたいんだけど」


 トルーハさんはそう言って、別れる道の一方を指差す。


「そっち左です、トルーハさん」


「あ、そうだっけ? 右と左ってたまに間違っちゃうよねー。喋れるようになるまで時間かかったからなー、俺は」


 何でも話によれば、アムリスと分離してから言語を理解するまで時間がかかったと聞く。

 この間違いもしょうがないのかもしれないが、緊張感のない人だと思うしかない。

 そのため、個人的にトルーハさんに乗って戦うことは気が引けていた。

 どうも強くて頼れるという感じが全くない。


 その時だ。


「助けてー! 誰かー!!」


 遠くの方で女性の声がした。


「女性の声……! モンスターにさらわれたのか!」


 俺はその声の方へと見る。

 黒い鳥のモンスターは女性の肩を掴んで飛んでいた。


「助けないといけないな、天川君。俺はドラゴンに変わって追うから、乗ってくれ」


「え……? あ、その、ありがとうございます!」


 こうしてトルーハさんが力になってくれるのはありがたい。

 でも、不安はあったので、それは心の中にしまっておく。


 すぐさまトルーハさんは竜の姿になって羽ばたき、俺はその背へと乗った。

 乗せたと同時に彼はさらったモンスターの方へと飛んで行く。

 竜に乗って飛ぶなんて初めてなので、どれくらいの速度で行くか予想はつかない。

 そのため、俺は足の裏を粘着化させて、足場の固定もさせた。

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