表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜更けのルミエール〜花と珈琲を愛する年下の店主が淹れるハーブティーは、忘れかけていた恋の味がした〜  作者: 寝不足魔王


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
60/70

第60話:成功の向こう側に見えるもの

お読みいただきありがとうございます。

第60話、プロジェクトの承認。一つの大きな山場を越えました。

「成功」の定義が変わった志保。

地位や名誉よりも大切なものに気づいた二人の、清々しい姿を描きました。


 社内審査会の会場。張り詰めた沈黙を破ったのは、審査委員長の深く、重たい拍手の音だった。


「一ノ瀬君、そして瀬尾君。……見事な提案だった。数字の完璧さはもちろん、何よりこの事業が『誰を救うのか』という信念が伝わってきた。……承認だ。予算は君たちが提示した満額を確保する」


 その瞬間、背後で控えていたチームメンバーから歓声が上がった。

 かつての私なら、ここで「勝った」という優越感に浸り、次の標的を探していただろう。けれど、今の私が真っ先にしたのは、隣に立つ瀬尾さんと視線を交わすことだった。


「……やったわね、瀬尾さん」

「ええ。志保さんの想いが、みんなに届いたんですよ」


 瀬尾さんの瞳には、安堵と共に、誇らしげな光が宿っていた。

 

 審査会の後、二人でビルの屋上に出た。

 夕闇に沈み始める東京の街並み。眼下に広がる無数の明かりの一つ一つに、仕事に疲れ、居場所を求めている誰かがいる。

 

「ねえ、瀬尾さん。私、今まで『成功』って、誰かを追い越して高い場所に立つことだと思っていたわ。でも、今は違う」

「……今は、どう見えますか?」


 私は、自分の薬指にあるシンプルなリングをそっと撫でた。

「成功の向こう側にあったのは、孤独な頂上じゃなくて、大切な人と分かち合える『自由』だった。……あなたと一緒に、誰かのために自分の力を使える。それがこんなに誇らしいなんて」


 瀬尾さんは私の肩を引き寄せ、優しく抱きしめた。

 冷たい夜風さえも、今の私たちには心地よい。

 

 新規事業の成功、昇進、社会的な評価。

 それらは全て、私たちが「私たちらしく」生きるための手段に過ぎない。

 

 三十八歳の私は、ようやく自分を縛り付けていた「成功」という名の鎖を、本物の「幸福」へと作り変えることができたのだ。

 

「これからも、ずっと隣にいてくれますか。ビジネスパートナーとしても……私の、一番大切な人としても」

「もちろんです。……どこまでも、ついていきますよ」


 二人の成功の向こう側には、どこまでも穏やかで温かな、私たちの「これから」が広がっていた。


第60話、いかがでしたでしょうか。

ついにプロジェクトが公式に認められました!

「なろう」恋愛ジャンルの王道である、仕事での成功と愛の成熟の同時進行……。

ここからはいよいよ、物語の締めくくりに向けて、周辺の整理と二人の「最終的な形」へ向かいます。


物語はいよいよ最終盤。最後まで応援よろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ