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神の国  作者: 五十鈴


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7/11

最高な酒場

予想だにしなかった苦難を共に乗り越えて、ウィータとムラクニはついに謎の空間から地上へ戻る。しかし、ミリアーナやコア、空間の意味など、謎は解決しないまま一旦お預けとなった。

 気付いたときには巨大空間に落ちる前の森に立っていた。エレベーターというより転移的なものに近い感じだ。自分たちが動いたと言うより、周りの情景が変化した感覚が強くあった。


「壁が消えた!?…って、ここは拙者たちが落ちたところか?」


ムラクニはエレベーターというものに、僕は知っているエレベーターとまったく違かったのに驚いていた。

改めて僕らは話し合った。


「結局、ムラクニは僕についてくるのか?個人的には、無理にとは言わないがいてくれると心強い」

「無論、もとから拙者はウィータと行動したいと思っていた。しかし、ウィータは見回りでこのあたりに来ただけで酒場に頼らなければ旅にも出れないんだろう?」


そのとき、ムラクニの腹から、猛獣が毒蛇を恐怖するときに出る唸り声のような音が聞こえる。


「今の腹鳴か?」

「あぁ、この通り三日三晩飯にありつけていないんだ。そうだ、その店主さんを頼りたいな。ただ迷惑じゃないだろうか?」

「どうだろうね。僕もどう助けてもらうかは決まってないから、一度行ってからまた話そう」


ウィータはここへ来た道を辿って、ムラクニを連れながら酒場へ行く。


やっとの事で酒場の前へ着くと、騒がしい男達の声が聞こえてきた。俺の方が強いやら、俺の方が飲んでるやら、俺の方が大変やらとたっくさん。

中に入ると屈強な男達がそろいも揃って肉と酒瓶を両手で持って、満面の笑みで飲みたくっていた。

そこに店主もやってきて、ウィータにタプタプのジョッキをたくさん持たせた。


「これ、あっちとそっちとこっちのテーブルに運んどいてくれ!よろしくな!」


何が何だか分からないが、言われた通りに仕事をした。

かれこれ半日がたった頃、ようやく手が空くようになった。二人は席に座って、気を休める。


「ハァ~疲れた。何ですかこれ?」

「何もこうも、ただ普段に比べて客が多かっただけだな。どうやら最近、ゼファリス王国が人手がいるらしくて、ああ言う荒くれ者達を集めてるんだ。だから王国へ続くメインの道にあるここに客が集中したわけ」

「どうりで…」


少し息を整えてから改めて店主に聞く


「で、どうするか決めてくれたんですか?迷惑そうだったら今すぐにでもここを出て…」

「そこでだ!」


言葉を遮って店主は話す


「これからもたくさん客が入ってくるようになる。そこで、お前らを雇うことにした。一人だと思っていたが、武士さんも来てくれてちょうど良い。こっちも人手が必要だ」


ウィータはきょとんとした顔で店主を見てから、ムラクニと目を合わせてもう一度店主を見る。


「本当ですか?」

「ん?嫌か?合理的だと思ったんだがな」

「いや…それでいいなら是非そうして欲しいです!」



店主は手を出した。ウィータもそれに乗った。晴れて、雇用契約成立として握手をした。その時はムラクニのことを完全に忘れていたが、彼はためらいもなく、笑顔で頷いてくれた。


「俺はジュール・ダズレイン。お前は?」

「ノス・ウィータ。ウィータでお願いします、ジュールさん。」



外も日の光が完全に消え、暗闇に包まれ、店主は頃合いを見て店を閉めた。すると上から駆ける足音が聞こえてきた。その足音は階段の方へ行き、だんだん大きくなってくる。そして強く床を蹴って、小さな女の子がジュールさんに抱きついた。


「おぉぉ!エルフィナぁ!元気かエルフィナ!」


ジュールさんはエルフィナと呼ばれている女の子の髪を思いっきりワシワシして笑っていた。


「娘さんですかジュールさん」

「あぁ!俺の最愛の娘のエルフィナだ」


エルフィナはジュールさんから離れた後、ムラクニの足下に寄って、丸い顔で顔を見上げた。


「パァパのお友達?」

「え!拙者は友達と言うより、何というか雇われの者というか…」

「友達だよエルフィナ」


ジュールさんがエルフィナを抱き上げて戯れる。ムラクニはそれを見てこっちに避難してきた。ムラクニはどうやら子供に慣れていないらしく、小さくて可愛いものを見るとついキョドってしまうらしい。可愛いかよ。


「エルフィナ、この人達はな、今日からここに住むことになるんだ。仲良くしろよ!」


ジュールさんの声がとんでもなく優しい。その声のおかげで一緒に住むことに何の違和感を持たずに話が過ぎた。


深夜、ありがたく用意して貰った部屋に、昼間の、謎の空間の施設にいたミリアーナから貰ったコアなどが入っている小さい鞄などを置いて、ベットに転がる。

ムラクニに話しかけようと横を向いてみたが、すでにムラクニはあの時の疲労で寝てしまっていた。明かりを消して、寝転びながら天井を見上げる。今日あったことから、この世界について色々考えておこうかと思ったが、睡魔に耐えきれずにそのまま目を閉じた。

長い一日が終わった。



一つ前の話で、今作のキャラクターのムラクニがマツカゼという全然違う他人になっていました。このようなミスは二度としないと誓います。六日後という長い猶予が空きましたが変更させて貰いました。


高評価お願いします。ブックマークしていただけると幸いです。続読お願いします。

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