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第11話 食文化

リアマリアちゃんとの入浴を楽しんだ後は、この世界の食事を食べることにする。今までは手持ちの食料だけで過ごしてきたけど、やっぱりこの世界のご飯を食べれるようにならないといつか飢え死にしてしまうし、リアマリアちゃんもお腹を空かせ始めた。


なので、この宿屋で夕食を食べる。お値段は1食1000円也。なおメニューなどはなく、宿屋に泊まった客の中で夕食希望を出した人全員に同じ料理が配膳される。


リアマリアちゃんにも同じものを出してもらったけど、当のリアマリアちゃんは「食べても良いんですか?」と聞いてきたので「いっぱい食べて大きくなってね」と返す。そしたら泣き始めながら食べ始めたんだけど、この子の食生活、今までよっぽど悪かったのかな?


『いえ、違いますぞ。悪魔への生贄として、捧げられるために育てられている、と勘違いしていますな』

(ええ……悪魔に捧げる用なら短命を長命にしたりしないんだけど。あれ魔力消費量結構激しいし)


出て来た料理は、米と味噌汁と大きなセパレートタイプのお皿に乗った鮭っぽい魚にタルタルソースがかかっているもの。セパレートタイプのお皿には他にもキャベツの千切り、唐揚げ、きんぴらごぼう的なサムシングがあり、ここは本当に異世界かと疑ってしまいそうなラインナップの料理だ。


鮭っぽい魚は、実際に食べてみると鮭のような、それに近い種の魚であり、タルタルソースのコク旨な味わいが見事にマッチしている。そしてこのタルタルソースはキャベツの千切りにもあうし、唐揚げにもあう。白いご飯が進むよ。


味噌汁は、赤だしタイプの味噌汁で中の豆腐が美味しい。いや本当に、先人達のお蔭で快適な異世界ライフを送れている。それにしては技術が進んでないけど。魔法のせいなのかな。


風呂に入り、ご飯を食べた後はベッドに入る。ダブルサイズのベッドなので、女の子2人だと広々としているね。ぬくぬくしているリアマリアちゃんを後ろから抱きしめながら、私も横になる。


「生贄になんてしないからね。私のペットとして、良い子に育ってね」

「ふぇええ……」


にっこりと微笑みかけると、小刻みに震えるリアマリアちゃん。私はそんなに怖いのだろうか。別に今は眼帯も付けてないし、包帯も巻いてないから普通だと思うんだけど。


でも結局、眠気には勝てずにすぐに寝てしまうリアマリアちゃん。超可愛い。さて。今日は寝れなそうだし、不定期例会でもやろうかな。


日常用ではなく、小奇麗な方の亜空間への門を開いて、契約している悪魔達を呼び出す。そろそろこの世界での行動方針とか、話しておいた方が良いよね。主要な悪魔と魔人、それから龍や蟲を呼び出して、1つの大きな机を囲む。……傍から見れば、魑魅魍魎の化け物達に混ざる1人の少女って絵面だね。


「……あれ、淫魔女王が来ないんだけど」

「あやつなら拗ねて城に引きこもっておるぞ」

「ええ……何でそんな面倒なことするかなあ」


この場に居ない淫魔の女王であるアリミルスさんは、何か城に引きこもっている模様。あと数名が居ないけど、寝てるか戦闘中か命令無視だね。魔界って悪人の死者の魂が集う場所で、常に殺し合っているような環境だから仕方ないけど。


「姫様、それは違いますぞ。魔界に悪魔として転生する人間の魂の基準は、善人以外ですからな」

「セバスはそろそろ心読むの止めてくれない?」

「聞こえてしまうものを聞かないようにするのは難しいと、何度もお伝えしているではありませんか」


善人以外……人間の95%はこの魔界に下級悪魔として転生する。そこで殺し合いをして、死んだら人間に再転生するけど、死ななかった場合は格が上がって行き、共食いをすることによってどんどん強くなる。


まれに人のまま魔界へ転生する人もいるそうだけど、そういう類の人は大抵数日で死ぬ。しかし死ななかった極一握りの人は、悪魔を食らって魔人になる。セバスなんかはその最たる例だけど、読心の能力は人の頃から持ってたみたい。


キルラルドやエレシオンもいるし、主要面子はわりといるかな。さてと、まずはこの議題からだね。


「じゃあまず最初に聞くけど、日本に戻る手立ては何かある?」

「現状、契約者が日本へ戻るにはあの魔導書を見つけないと難しいだろう。魔界を経由して戻るのは、ほぼ不可能だろうしな」


日本に帰れるか否か。日本にすぐ帰ることが出来るなら、リアマリアちゃんとかを持ち帰って向こうで生活したい。でもキルラルドの言うように、例の魔導書が無ければ難しいと思う。そもそも勝手に魔導書のページが捲れた時、私は開いたページの内容をよく見ることが出来なかったからね。


あれがあれば話は全然違うんだけど、手元にない以上はあそこに置いてきたとしか思えない。もしかしたら誰かがまた、あの本を使ってこちら側の世界に来るかもしれないけど……望みは薄いかな。魔力は結構消費したというか、普通の人間100万人分ぐらいの魔力は使ってる。あれ?あの本を書いた人間は、魔力が私以上にあった可能性ががが。


「じゃ、次。リアマリアちゃんと仲良くなる方法!」

「……あるじが優しく接していれば大丈夫であろう。あの子は嘘をつかん」

「本当?」

「我は嘘を吐かんと何度言えば良いのだ?」


そして次の議題に、ため息を吐きながらエレシオンが答える。そっか。あの子は嘘を言わないタイプの人間か。いや、獣人と言った方が良いのかな?きっと、魔界には行かない5%側の獣人なんだろうね。

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